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2008年9月 4日 (木)

財政難に揺れるヒポクラテスたち


入院中の社長との打ち合わせのため、福岡大学病院を訪ねました。実は福大に行くのも前職でリクルーターとして行ったのが最後で10年ぶりくらいですし、医学部棟に行ったことはありませんでした。玄関の左手の壁面にヒポクラテスの誓いのプレートがあり、学生の頃見た映画を懐かしく思い出しました。確か伊藤蘭さんの映画復帰作か何かで・・・。

ヒポクラテスは、言わずと知れた古代ギリシャ医学の祖といわれる方ですが、現代の医師を取り巻く環境は激変しており、映画公開時(1980年)と比較しますと隔世の感があります。当時、「医は算術なり」と批判されるほど儲かる商売だった医師の姿はもはやありません。

背景には、政府管掌健康保険財政の悪化があります。主に中小企業の従業員が加入する政府管掌健康保険(以下、「政管健保」といいます)の医療費収支が、2007年度決算で1,577億円程度の赤字を計上する見通しとなりました。5年ぶりの赤字転落となりますが、社会保険庁では、2008年度も1,700億円程度の赤字が見込まれるとしています。

 政府は、慢性的・構造的な赤字体質を改善すべく、2003年度に医療費の患者負担の割合を2割から3割へと引き上げました。これにより収支状況は改善しましたが、わずか4年間で再び赤字体質に陥ることとなりました。

また、2008年度には、メタボリック症候群を予防する特定健診・特定保健指導の開始で、新たに700億円の負担が発生します。そのため、2008年度も赤字となることが確実sign01coldsweats02とみられています。

こうした赤字の背景には、政管健保の採算の急速な悪化があります。高齢化で医療費が大きく膨らむ一方、賃金の伸び悩みなどで保険料収入は微増にとどまっており、再び構造的な赤字体質に陥りつつあるのです。

社会保険庁では、財政の安定運営を目的に積み立ててきた「事業運営安定資金」を取り崩して赤字を穴埋めしますが、この残高は2006年末時点で約5,000億円程度。現在と同程度の赤字が今後も続けば、埋蔵金sign022009年度にも底sign01shockをつきます。

財政難の対策として、この4月以降、医療の現場には、「診療の5分間ルール」「リハビリに成果主義導入」などの改革が加えられています。再び「医は算術なり」が財政という切り口で猛威を振るいそうです。成果主義の失敗にみられるように「金銭」からのアプローチだけが先行するとろくなことはないと思うのですが・・・。

もう一度、医師だけでなく我々医療を受ける立場の者も「ヒポクラテスの誓い」を噛みしめる必要があると感じました。

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