挟叉の発想
通勤途上、霜の降りた田畑の向こうに、トヨタ九州の工場を臨み、人々の力強い営みを感じながら、シャッターを切りました。
株式会社植松電機の専務取締役 植松努氏の対談を聞く機会がありました。
同社は、自動車電装品修理業からイノベーションを起し、バッテリー式マグネットのパイオニアとなりました。ポリエチレン燃料を利用したロケットを開発に参加するなど、厳しいといわれる北海道にあって、挑戦を続ける元気企業です。
創業者である父・代表取締役 植松清氏が自動車電装品修理業で創業されたのが私の生まれ年1962年、バッテリー式マグネットに業態転換し法人設立したのが私が開業した年1999年で、不思議なご縁を感じました。
自動車電装品修理業が、自動車のイノベーションにより、業界もろとも葬られてしまった後、同氏は、業態転換を模索する中で、マーケティングにも、ご苦労されたようです。
そのお話しの中で、「挟叉」という言葉がありました。
挟叉は、砲術で照準を決める作法の言葉だそうです。
大砲の照準の手順は
①第1弾は標的を大きく超えて打ち込む
②第2弾は標的のかなり前に打ち込む
③①と②の真ん中に標準し、いよいよ標的に打ち込む。
の三段階だそうです。
ここで重要なのは、わざとパラメータを大きく振ってテストし、最初から標的を狙わないことだそうです。
実戦では、爆発による粉塵で、標的周辺は見えなくなるそうで、初弾が運良く当たればいいですが、そうでないと当たっているのか?当たっていないのか?それさえも分からなくなってしまうそうです。
マーケティングや経営戦略などを発想する技術にも、相通じるところがあり、二つ「極論」を考えることで、発想のパラメータを大きく振って、思考の隘路に塡らず自由な発想が出来、精度も高まるとのことでした。
私たちは、気づかぬうちに業務に縛られて、発想は縮こまり、その爆煙の中に目標を失うことが日常なのかもしれません。
「挟叉の発想」を大切にしたいと思います。


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