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2011年9月29日 (木)

会社のルールを考える21 問題社員への対応

Monster

 モンスターペアレント(学校に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者)、モンスターペイシェント(医療従事者や医療機関に対して自己中心的で理不尽な要求果ては暴言・暴力を繰り返す患者や、その保護者)等)や悪質クレーマー(製品・商品などに対して苦情を申しつける際に、過剰に被害者を演じ、時には恫喝とすら思えるような行為に及ぶ者)の出現を経て、社員のモンスター化が進んでいます。

 問題社員のモンスター化を許す背景には、従業員が高学歴化やインターネットの普及により法律知識を豊富に持つようになったのに反し、使用者は旧態依然として、法令違反や就業規則、労働契約などの不備を放置していることがあると考えられます。

 中小企業、とりわけ小規模の事業場にとって、チームワークを乱す社員の存在は、非常に大きな問題です。少数の社員でマルチタスクを行う日常から、コネクトワークとでも言うべき濃密な協業が必要とされるからです。鎖で繋がれた小舟の船団のようなもので、一隻が沈めば全船沈没です。

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 このような問題は、大きな失態を契機に耐えられなくなった同僚社員が、申告することで顕在化します。それまで、社長も少々折り合いが悪いのだろう程度には感じているのですが、仕事ではままあることで重視していないことが多いのです。

 申告した社員は、問題社員の行状について、「そこまで!?」と社長も驚く事実を上げてきます。相談事例から共通項を上げていきますとこんな感じです。

① 信じられないような簡単なミスを連発する。
② ミスをしたことにすら気づかない。
③ 注意すると「逆ギレ」するので改善も期待できない。
④ 暴言を吐いたり、書類を投げつけたりするなど、感情の制御ができない。
⑤ 「できない」「時間がない」等を理由に仕事の分担を拒否する。     等々  

 由々しき事態と気づいた社長が、他の社員からも事情聴取しますと、堰を切ったように話し始めます。内容は申告社員と同様かそれ以上のことも多く、結論は「これ以上、一緒にはやれない。」となります。
 

 ここまで来ますと、社長も自分の船団が嵐の只中にあり、一隻を切り離さないと全船が沈没すると悟り、慌てて断を下すことになります。伝家の宝刀「解雇権」の発動です。

 緊急避難として性急に行われるとトラブルは避けられません。問題社員は、権利主張と被害者意識だけは強いので、労働基準監督署をはじめ公的機関や労働組合に駆け込み労使トラブルとして顕在化します。

 問題社員が、あっせんや調停、労働組合等を通じて行う主張は、「?」の連続です。同僚社員が申告した事実関係について全くといってよいほど認識がないのです。

 申し立て文書の内容だけでなく、実際に面談しても変わらず、事実を指摘しても理解できない様子で、「そんなことなら言って貰えばよかったのに。」と何ともトンチンカンな答えが返ってきたりします。

 個別労使交渉をするようになった当初は、「交渉戦術」なのだろうと思っていました。そうでないとしたら、「都合の悪い真実」から自分を守る一種の防衛本能みたいなものだろうと思っていました。

 しかし、最近では、問題社員は自分のミスに本当に気づいていないのではないか?と思うようになりました。

 仕事に取り組まれる方ならどなたでもお分かりいただけるのではないかと思いますが、「仕事は小さなミスとリカバリーの連続」といえるのではないでしょうか?ベテラン社員が若手社員に「犯したミスを自分でリカバリーできたらそれはミスじゃない。」とアドバイスされる場面がありますが、そこに深い意味があるように思います。

 問題社員は、そもそも気づかないからミスを連発するのではないでしょうか?

 指示された仕事の範囲で自分にできることまでしかしない、つまりは仕事を自分で完遂した経験がないのです。本人が知らないうちに、上司や先輩、同僚がリカバリーするのが常態化して、「気づき」の機会を持てないまま、全体感などさらさら縁がありません。

 こういう方の履歴書をみると、新卒採用された会社も2年保たず、その後も派遣や契約社員で1年に満たない退職を繰り返しています。

 面接では「自分は出来る」と主張するものの蓋を開けてみるとギャップが甚だしいとなります。本当の職業経験がないから当然です。

 「何となく周囲とうまくいかない」のですが、理由が全く分からない。自分に原因があるなどとは露ほども思っていません。これも一種の悲劇と言えるでしょう。

 最初の会社で「厳しい育成」の機会があったなら?と思うのですが、バブル崩壊後の企業の状況では無理からぬことのようにも思います。上司や同僚も多忙で育つかどうかも分からない「戦力外」の人物に関わっている暇があったら、自分でやった方が早く、仕上がりも良いのですから、ある意味、至極合理的選択です。
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 「君子危うきに近寄らず」ですから入社させなければいいのですが、「猫の手も借りたい」中小企業では無理な話で必ず入ってくるわけです。

 問題が発生したら解雇では大きなトラブルになり、時間もお金も掛かり何の良いこともありません。

 経営者や上司の方には、悲劇を繰り返すことがないように、「言いにくいこと」を言って欲しいと思います。「ミスが多い」「協調性がない」ことを具体的な事例を挙げて指摘してください。

 仕事に即したことですから、全人格を否定するわけではありませんので、遠慮は禁物です。直ぐに「割り切って」解雇する前に、「腹を決めて」育成する姿勢を示して欲しいと思うのです。

 後は、採用→試用期間→本採用→解雇と続く流れを就業規則に則って、合法的、段階的に行えば、問題社員が改善できず、結果、解雇や退職で終わっても、大きなトラブルにはなりません。

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