特定社会保険労務士の仕事

2010年3月15日 (月)

大阪出張報告

Img_0846 2月末から、実父と義父が同時に入院、実父はガンの手術を受け、義父は亡くなりました。

通夜だ、葬式だ、見舞いだで、すっかりスケジュールが狂いまして、顧問先をはじめお客様にはご迷惑をお掛けしました。

そのまま、一昨日から大阪に研修で来ております。

実父の術後の見舞いもあるのですが、日本橋中央労務管理事務所所長・河野順一先生のセミナーに出席することが目的です。

法律実務家で、行政にも強く、河野経営グループを率いる経営者であり、社労士界の第一人者、私は日本一の社労士だと思っております。

事業家としては、もっと成功しておられる方もいらっしゃると思いますが、執筆活動や後進の指導育成など、法律実務家としての実績は、群を抜くものがあります。

私にとって、河野先生のセミナーに参加することは、人間ドッグならぬ社労士ドッグとでもいうべきもので、日々の業務で付いた心身の蛎殻を取り除く大切なルーティンのひとつです。

河野先生のセミナーに最初に参加したのは、5年前、どん底からやっと這い上がった時季でした。

本格的なご指導に接したのは、三年前に大阪で開催された就業規則作成の三日間セミナーに参加したのが最初でした。今回は再受講となります。

河野先生のセミナーは、労働基準法はもちろん憲法、民法、行政法、刑法等、法律体系全般にわたる知識面もさることながら、社労士の存在意義とは?「なぜ中小零細企業を守らなければならないのか?」という信念が伝わる渾身の講義です。

今回の講義で最も私の心に響いたのは、懇親会で河野先生が投げかけられた問いです。

「人生の目的とは何ですか?何のために生きてるの?」

三年前にも同じ問いかけがあったと思いますが、答えが思い浮かびませんでした。

河野先生は変わらぬスタンスでおられます。答えが変わろうはずはありません。

でも、私にはその答えの記憶がない。三年前、私はこの問いをスルーしてしまったとしか思えません。

こんなに重要な問いなのに・・・。

良き先達は、古典の名著を読み直すことに似て、いつも新しい気づきを与えてくださいます。

この三年の間に自分自身に起こっていた変化に気づく機会が得られたことを素心より感謝したと思います。

2010年2月26日 (金)

福岡センチュリーゴルフ倶楽部、今年も女子プロ公式戦がやってくる。

Img_0744ss ここ数日の暖かさは、春を通り越して、初夏のようですね。

仕事で、福岡センチュリーゴルフ倶楽部に行ってきました。

昨年まで十年、化粧品会社のスポンサーで、女子プロゴルフの公式戦、バーナルレディースが開催されてきましたが、今年はRKB毎日放送主催でフンドーキンレディースとして開催されることになったそうです。

ゴルフ倶楽部にとって、プロの公式戦が開催されることは、名誉なことであるだけでなく、コースレディーの方をはじめ、社員の方には、その実力を試されるときでもあります。

社員の成長のためには、定期的に飛躍の機会が与えられることは重要なことですが、なかなかできることではありません。

Img_0738ss_2福岡センチュリーゴルフ倶楽部の皆さんが羨ましく思います。

福岡では、2月は、まだオフシーズンのようで、お客様が少ないようですが、関東や関西でこの陽気なら完全にスイッチ・オンだと思うのですが、とてももったいない気がします。

梅も満開、甘木の丘から見る景色は、伸びやかで、ゴルフ好きでなくとも、命の洗濯になること請け合いです。

特に、初心者の方は、混み合わない3月初旬までが、ひとつのチャンスかもしれません。

気兼ねなくノビノビとプレイできると思います。

福岡センチュリーというと敷居が高く感じられる向きもあると思いますが、一度、行ってみられると良さが分かると思います。

2010年2月21日 (日)

プロフェッショナルはフラットな組織を目指す(その3)。

Photo 二回にわたり、社労士事務所をはじめ、専門家集団の組織はどうあるべきか、考えてきました。

その結論が、表題のとおり「プロフェッショナルはフラットな組織を目指す」というものでした。

しかし、フラット組織は、その柔構造ゆえに問題もあります。

個々の成員がプロフェッショナルであることを前提としているフラット組織は、上下構造で維持されるのではなく、その資質の高さにより維持されます。

つまり、メンバーとなった人材の自由度が高い分、その資質により組織の質が左右される脆弱さを持っています。

従って、組織が機能するための大前提に、メンバーを厳しく選抜し、高いレベルを確保することが求められます。

このようなプロフェッショナルな組織のメンバーとなれる資質とは何でしょうか?

プロだから専門知識=資質と考えられる向きもあると思いますが、私は、その前提となるスタイル=働き方が重要だと思っております。

専門職という働き方=プロ・スタイルを選んだことの自覚とでもいうものが先ず必要で、知識はその次であろうと思のです。

専門知識ほど陳腐化しやすいものはありませんから、プロであり続けるには、一度築き上げたもの=専門知識を捨てて、次にチャレンジを続ける姿勢が不可欠なのです。

先ほどの質問に対する答えとして、リーダーシップを挙げたいと思います。

リーダーシップといいますと、キャプテンシーとか、人をグイグイ引っ張っていくイメージかも知れませんが、ここでいうものは「セルフ・リーダーシップ」とでもいう概念です。

「自分の飼い主は自分」とでもいいますか、自分の価値観や夢に照らして、すべきことと判断したのであれば、主体性を発揮して対処できる自律した姿勢です。

この図は、スティーブン・R・コヴィー博士の「七つの習慣」の概念図です。

サイクルの下の部分、①主体性を発揮する→②目的を持って始める→③重要事項を優先するの過程にあることが、プロフェッショナルを目指す最低条件だと思います。

コヴィー博士は、サイクルの上部で「公的成功」の姿を「相互依存関係」とされていますが、この状態の高みにあることが、プロフェッショナルなフラット組織の目指す姿だと思います。

自律した個が、更に高みを目指して、その強みを生かしながら相互依存関係を築く。

そんな組織を目指したいと思っております。

2010年2月16日 (火)

プロフェッショナルはフラットな組織を目指す(その2)。

Job プロフェッショナルがフラット組織で働く場合、個別の案件処理(ここでは「JOB」ということにします。)は、どのように行われるのでしょうか?

社労士事務所を例にして考えてみます。

案件は、一客先の顧客対応全般として捉える場合が一般的かも知れませんが、就業規則作成などスポット業務の場合も考えられます。

顧客単位であれ、業務単位であれ、先ず、担当者が決められます。

担当者は、JOB LEADERとして、JOBをどのように進めるか計画し、実行→確認→修正の各サイクル必要な協力者Supporterをアサインします。

上司は、ADVISERとして、JOB LEADERの支援を行いますが、原則として詳細な指示はしませんので、JOB LEADERは自らを起点にマネジメントサイクルを回さなければなりません。

この場合、上司ではなく、JOB LEADERがマネジャーの役割を担うことになります。責任は重大ですが、自由度が高く、経験値も早く高まります。

社労士事務所で言う担当者とは、JOB LEADERであり、いわゆる指示待ちでなく主体性を発揮できる人材のことを指します。

顧客に対応し、ルーティンをこなしながら、問題提起、解決案の提示を行う正にマルチタスクです。

こういうスタイルを是とするか非とするか?で柔構造の組織に対する評価は、真っ二つに分かれるでしょう。

皆さんはどう思われますか?

プロフェッショナルはフラットな組織を目指す(その1)。

Photo 社会保険労務士事務所に限らず、小規模な事業所では、いわゆる上意下達のピラミッド組織としていることが一般的でしょう。

小さいピラミッドで小山の大将型のリーダーシップが、統一性があり最も効率が良いからだと思います。

実際、多くの中小企業では、その規模に関わらず、このタイプの組織構造が引き続き用いられています。

私どもでも、一般的な企業であればそうすべきだと思います。

しかし、プロフェショナル・サービスを提供する前提ですと話が変わってきます。

お客様に一番近い者=担当者の能力で、サービスの質が決まってしまうからです。

担当者は、お客様のところで、臨機応変に対応する必要があり、細かい指示を与えることは不可能で、サイコロの出た目で勝負のところもありますから、事前の準備にも限界があります。

すべての組織には、志を持って始めるリーダーが不可欠ですが、それは阿古屋貝の核に入れる石の粒のようなものであると思います。

プロフェッショナル組織の必要条件は、

①先ずフラットである。

②制約となるルールが少なくメンバーの自由度が高い。

③メンバー間で情報と資源の共有ができる。

ではないかと考えています。

こんな組織を作って行けたらと思っています。

2010年2月15日 (月)

松田修社会保険労務士事務所「職員募集のお知らせ」

Img_0669 毎年、確定申告の時期になると、咲くか咲かないか気を揉む金のなる木にですが、今年もなんとか咲きました。

家内が世話をしてくれるようになって毎年咲くようになりました。樹木は正直です。

今日は、一日、確定申告の準備をしていたのですが、お陰様で増収増益の決算となりました。

これもお客様、職員の御陰様ですが、改めて御礼申し上げます。

さて、今回、次の要項で、職員募集を行うこととなりましたので、お知らせします。

詳細は、ハローワークにも登録しておりますので、そちらでもご確認いただけます。

試験日は、2010年2月27日(土)を予定しております。

応募に際しては、先ず履歴書と職務経歴書を当社まで郵送ください。

よろしくお願い申し上げます。

1.新規部門責任者
(募集資格)社会保険労務士有資格者かつ実務経験3年以上
      社会保険労務士事務所またはそれに準ずる実務経験5年以上
      普通自動車免許(ペーパードライバー不可)
(給  与)23万円以上30万円
(職  責)現在、立ち上げている業務の責任者として、勤務いただきます。
      東京等への出張も想定されますので、対応出来る方。
(備  考)社労士法人立ち上げに際し、ボードメンバーとなれる方を想定しています。

2.社労士業務担当者
(募集資格)社会保険労務士有資格者
      社会保険労務士事務所またはそれに準ずる実務経験3年以上
      普通自動車免許(ペーパードライバー不可)
(給  与)16万円以上22万円
(職  責)15~20社程度の顧問先を担当いただきます。

3.社労士業務補助者
(募集資格)経験不問
      普通自動車免許(ペーパードライバー不可)
(給  与)13万円以上16万円
(職  責)補助者として、業務ソフトの入力、手続業務を担当いただきます。
(備  考)経験、業務知識、技能の程度を勘案し入社前に二週間~1ヵ月程度の研修を受講いただく場合があります。

第五期天神塾 第9回プログラムに参加しました

Photo 第5期天神塾 第9回プログラム「新規事業を志す人が陥りやすいポイント」に参加しました。

毎回、多士済々の講師陣の天神塾ですが、今回は、オフィスチェイカス代表・横山耕二氏に講義いただくはずでした。

横山氏は、熊本で共育塾を主催される新規事業指導の権威でいらっしゃいます。

今回は、体調が崩され、残念ながら直接講義をお聴きできませんでしたが、60頁に上るレジュメをご用意いただき、それを基に、星﨑治男塾長が講義をいただきました。

星﨑塾長のお話を聴くにつけ、ぜひ、横山先生にお会いして、直接、ご指導いただきたいと言う思いを強くしました。

ビジネスによらず、上達の近道は、その道で師匠を持つことだといいますが、実感しております。

48歳にもなって何を今更との声が聞こえて来そうですが、天神塾で星﨑塾長に出会えたことは、正にビジネスの師を得た思いでおります。

おそらく相性もあると思うのですが、星﨑塾長とお話ししておりますと、不思議に素直になれます。次回3月で第5期天神塾は修了なのですが、以降、どうしたものか?と考えています。

塾が終わった後、塾長を囲んで、ワインを飲みながら、自由闊達な議論を交わすのですが、今回は、嬉しいことがありました。

天神塾は、新卒の二十代前半から私のようなロートルまで、様々な方が参加していますが、最も若いメンバーの一人の西さんが転職が決まったとのことで、Moetのシャンパンを持ってきてくれました。

高かったと思いますが、気持ちが嬉しかったです。とっても初々しくて、自分も若返ってような気がしました。

中洲に繰り出して、三時過ぎまではしゃいでしまいました。お付き合いいただきました皆様、ありがとうございました。

上の写真は、鹿児島県姶良の白金酒造kk製造「石蔵」黒瓶の星﨑ボトルです。

黄金千貫を甕造りで仕上げる拘りで有名な白金酒造では、限定2500本の遮光瓶入りで瓶と化粧箱にオリジナルラベルを貼付して、毎年好評を博しているそうです。御社ロゴマークやイラストレーターソフトを使用した独自のラベルを作成すれば、贈答用に最適な焼酎が出来上がります。ご興味のお有りの方は、ご連絡ください。

 

2010年2月 1日 (月)

挟叉の発想

Img_0499_通勤途上、霜の降りた田畑の向こうに、トヨタ九州の工場を臨み、人々の力強い営みを感じながら、シャッターを切りました。

株式会社植松電機専務取締役 植松努氏の対談を聞く機会がありました。

同社は、自動車電装品修理業からイノベーションを起し、バッテリー式マグネットのパイオニアとなりました。ポリエチレン燃料を利用したロケットを開発に参加するなど、厳しいといわれる北海道にあって、挑戦を続ける元気企業です。

創業者である父・代表取締役 植松清氏が自動車電装品修理業で創業されたのが私の生まれ年1962年、バッテリー式マグネットに業態転換し法人設立したのが私が開業した年1999年で、不思議なご縁を感じました。

自動車電装品修理業が、自動車のイノベーションにより、業界もろとも葬られてしまった後、同氏は、業態転換を模索する中で、マーケティングにも、ご苦労されたようです。

そのお話しの中で、「挟叉」という言葉がありました。

挟叉は、砲術で照準を決める作法の言葉だそうです。

大砲の照準の手順は
①第1弾は標的を大きく超えて打ち込む
②第2弾は標的のかなり前に打ち込む
③①と②の真ん中に標準し、いよいよ標的に打ち込む。
の三段階だそうです。

ここで重要なのは、わざとパラメータを大きく振ってテストし、最初から標的を狙わないことだそうです。

実戦では、爆発による粉塵で、標的周辺は見えなくなるそうで、初弾が運良く当たればいいですが、そうでないと当たっているのか?当たっていないのか?それさえも分からなくなってしまうそうです。

マーケティングや経営戦略などを発想する技術にも、相通じるところがあり、二つ「極論」を考えことで、発想のパラメータを大きく振って、思考の隘路に塡らず自由な発想が出来、精度も高まるとのことでした。

私たちは、気づかぬうちに業務に縛られて、発想は縮こまり、その爆煙の中に目標を失うことが日常なのかもしれません。

「挟叉の発想」を大切にしたいと思います。

2010年1月22日 (金)

弁護士・司法書士、過払い金請求バブルの次に来るものは?

Img_0421s 最近、サラ金等に対する過払い金請求を促す弁護士事務所のテレビコマーシャルが、大変、目立つ気がしませんか?

広告規制が厳しかった時代なら考えられないことですが、東京出張の折など、電車の車内広告のほとんどが、弁護士事務所等のいわゆる債務整理や過払い金の返還請求に関するものです。

これは、規制緩和の一貫で、
①弁護士が急激に増加(1995年約15,000名→2008年25,000名何と1.6倍! 
②司法書士等の周辺士業への業務拡大等

により法曹のビジネスモデルが、企業や一部富裕層を対象としたものから、一般大衆を対象とした大量処理を前提にしたものに変わってきからだと思います。

過払い金請求バブルとまで言われてきましたが、
①元々貸し金の時効は10年、グレーゾーン金利の適用は限りがある
②消費者金融大手アイフルが企業再生を申し立てるまで業績が悪化した
③成功報酬や請求失敗等、過払い金請求を巡るトラブルが増加した
④弁護士、司法書士の申告漏れ、追徴・告発が多数に上る
など、峠は越えたと思われます。

さて、肥大化した弁護士事務所の次の一手は何でしょうか?

私は、「未払い残業代請求」ではないかと思います。

これには次のような理由があります。

①請求手法が確立されていて、弁護士事務所の職員が流れ作業で大量処理ができる。
②労働基準法の改正で、割増率が上がり、未払い部分の金額が倍増する可能性がある。
③労働審判の定着により早期に決着する可能性が大きく、請求者のリスクが減少している。
④民主党政権の成立で未払い残業撲滅は国策となる。 
⑤賃金債権の時効は2年だが、グレーゾーン金利の問題と違い永続性がある。等々

企業経営者は、「未払い残業代請求元年」とならないよう備える必要があるようです。

2010年1月18日 (月)

ニューフェイス登場!と今年のミッション

Img_0463ss 愛犬じじが亡くなってから、もう一度はあるのかな?と家族全員で考えてきました。

四十九日を過ぎ、年を越えて、様々に考えた末、ニューフェイスを迎えることになりました。

私と長女はゴールデンレトリバー派、妻はじじ派といいますか今後十年を考えての慎重派、心優しい息子たちはそれぞれに分かれてのサポート派で今日を迎えました。

結果、やってきたのは、ポメラリアンで、やんちゃな男の子♂。やはり色は黒なんですね。

名前は、ぐーちゃん。英語表記はGood Job

11年目を迎える今年は、今までの経験を踏まえて自分の考え方をまとめ、旗を立てる時だと思っています。

これからの十年は、知命から耳順に向かう実りの秋のはずで、人生で最も重要な季節でしょう。

その時季を一緒に過ごす人たちに、しっかりとした方向性、ルートマップを示すべきだと考えました。

例えば、賃金だとか報酬、規程がどうかの各論は考えてきましたが、仕事とは何か?を突き詰めて答えを出して来なかったという反省があります。

もともと問題や今そこにある危機に対応する融通無碍な自分が好きで、それはそれでこれまでやってこれた原動力だと思います。

やはりSomething missing!

今年は、自分が考える人事・労務管理=仕事の思想をまとめて、一冊の本を書き上げようと思います。

今年のミッションの一つにしたいと思います。

2010年1月16日 (土)

増えたオフィスの自席でランチ?!

Img_2135 この写真は、私にとっては、博多でのソウル・フード、びっくり亭のスタミナ焼です。

25年前、博多転勤でやってきた南福岡駅前で最初に食べたランチで、今でも時折、ニンニク味噌の効いた味を思い出して、無性に食べたくなります。

さて、最近1年間で、出勤する日の昼食を「オフィス内の自分の席でとる」と答えた人が41%に上ることが、民間企業の調査でわかったそうです。

この調査は9月下旬にインターネットで実施され、首都圏・中部・近畿圏在住の企業の正社員らのうち20~59歳の男女1,000人を対象としています。

私どものような十人に満たない事業場では、休憩室や食堂がないのことが多いでしょうから、外出して食べるか、自席で食べるかの二者択一ですから、41%という数字は、ある意味当然?と受け止めることができるかも知れません。

この調査では、職場で食事をとる機会が増えたかどうか尋ねており、「昼食」の場合、「増えた」が17%で、「減った」の5%を10ポイント以上も上回りました。

ということは、以前は7割以上の方が、外で食べていたことになりますから、やはり大きな変化があったといえるでしょう。

職場で昼食をとる最大の理由で最も多かったのは「外に食べに行くより食事代を節約できるから」(35%)で、「時間を効率的に使えるから」(22%)が続いています。

節約ニーズと効率重視である職場での食事は、昨今の不況が少なからず影響していることから、今後も増加傾向にあると考えられます。

節約ニーズといいますか、デフレ傾向は、外食にも顕著に表れているようです。

男性のランチとしては定番の「早い旨い安い」の吉野屋の牛丼ですが、BSEの影響で豚丼280円を主力に営業した頃に比較して、牛丼380円の復活で皮肉にも減収減益になったそうです。

これは、弁当を含めた外食ランチが、300円未満、500円、800円の三つの価格帯に分かれたため、ちょうど牛丼は中途半端な価格となり、利用者が減ってしまったことが原因と分析されています。

300円未満は、年収200万以下の低所得者層で、今や全体の4割を占めるそうです。

この層の支出から逆算しますと、ランチ代を含めたお小遣いは月額1万円前後で、これを平均的出勤日数で22日~24日で割りますと日当たり400円強で、Bossが一缶飲みたいとなると、昼食には300円までしか掛けられないということになようです。

以前ですと高級食材のイメージのあったデパ地下の総菜屋にも、280円弁当が登場している昨今ですが、機を見るに敏な商魂の逞しさを感じます。

デフレには批判もあるようですが、しばらくの間、需要購買者にとっては、商品選択に価格が大きな要素を占めることは間違いないようです。

供給者である企業は、どの価格帯が最もマスなのか?を理解し、またその価格帯でいかに利益を確保できるかが問われることになりそうです。

2010年1月13日 (水)

民主党の雇用保険法改正案、いよいよ国会提出へ

Photo_2 これは、2009年12月10日の朝日新聞朝刊の記事です。雇用保険の改正案の骨子が載っています。

本日、厚生労働省は、法制審議会に諮問し、法案の次期通常国会に提出すべく、準備を開始しました。

民主党の閣僚の顔ぶれを見ますと、左翼系の法曹関係者が多く、労働者保護に手厚い政策を行うことは当然の成り行きでしょう。

主な改正点は次の通りです。

(1)加入に必要な雇用見込み期間の短縮雇用保険への加入の際に必要とされる雇用見込み期間について、現行の「6カ月以上」から「31日以上」に短縮するとしています。この適用拡大により、新たに255万人が雇用保険の加入対象になると試算されています。

(2)雇用保険料率の引上げ
労使折半とされている雇用保険料率について、現行の「0.8%」から「1.2%」に引き上げるとしています。いわゆる事業主だけが負担する雇用三事業率も引き上げの予定です。

(3)未加入扱いの遡及期間の延長
保険料を納付したにもかかわらず手続上の問題により未加入扱いとなった人の遡及期間について、現行の「2年まで」から「2年超」とするとしています。

いままでは、6ヶ月以上の雇用の見込みがないと加入できなかったものが、31日以上で加入できますから、日雇い的な短期労働以外は、ほぼ対象になることになります。

これは、本来、最も失業の危険のある層を被保険者にしてこなかった雇用保険の欠落を修正するものとして、現在の雇用情勢からみて、必要なセーフティネットであろうと思います。

ただ、中小零細企業においては、「6ヶ月以上の雇用の見込みがない」との理由で加入していないパートタイマーや臨時社員等は多いことが予想されますので、保険料負担、事務負荷の増大は避けられなと思います。

給付をどうするかなど、全体像は不明ですが、4月試行ということですので、早急な法律案の開示を望みたいものです。

政府管掌健康保険から協会健保への移行の際、通達の遅れから混乱を招きましたが、ハローワークが立ち往生などということがないよう、お願いしたいものです。

2010年1月 9日 (土)

昨年の忘年会を振り返って

Img_0332ss昨年の忘年会でナンバーワンと思った料理は、大名ステージ1の無尽蔵でしょうか。

離れの個室で、ご主人のおまかせの料理をお願いするのですが、毎回、博多の海鮮を中心とした食材といい、斬新なメニューといい、堪能させていただいています。

今回の写真は、無尽蔵のメニューで行こうと思います。(話の内容とは少し離れますが、毎回のことですので、お許しください。)

Img_0336ss  社会保険労務士をしていますと、顧問先企業の忘年会に呼ばれることが多くあります。

 事務所自体は、年末年始は忙しいこともあってやりませんし、プライベートでも余りないですから、忘年会といば、顧問先様の会に参加させていただくことばかりといえるかもしれません。

よい忘年会のキーワードは、「毎年相も変わらず」ではないかと思うようになりました。

Img_0339ss ある会社では、例年、忘年会の時季になると、隠し芸の練習をしたり、ビンゴゲームの景品を用意したりしながら、年の暮れを意識して、季節を織り込んでいきます。

一年が終わり、また新に始まる心の準備をされるわけです。

一定の行動様式を、定まった時季に繰り返すことで、脳の無意識の部分に働き掛け活性化させることができると聞いたことがありますが、業績の良い会社では、意図的かそうでないかは別にして、忘年会をその機会として、上手に利用されているようです。

Img_0345ss そうは言いましても、これはいい忘年会だったと感動するには、「何か一つ新しいこと、変わったこと」がないといけないような気がします。

例えば司会者が課長から芸達者の新人に変わったり、カラオケのトップバッターが常務の十八番から若手の主任になるとか、そんな些細なことでいいんです。

営業主体の会社であれば、営業成績の発表でもいいですし、数値評価が馴染まない会社では、永年勤続表彰とか、MVPの発表でもいいし、宴会当日のベストドレッサー賞でも良いと思います。

Img_0347ss 主役の交代、そこまで行かなくても毎年、新しい変化を演出する工夫が大切なんだと思います。

準備する中で、社員皆さんの腑に落ちていくといいますか、納得しながらその変化を受け入れていくこと、逆に意外性を楽しんだりすることが重要だと思います。

企業の本質は、外部環境に対応しながら、顧客を創造し、利益・キャッシュフローを生みことです。

生物が個体の保存のため恒常性が必要なように、種の保存のために突然変異が必要なように、変わらないものと新しいもの共存という二律背反が重要です。

Img_0349ss メニューには、デザートがあったり、箸休めがあったり様々ですが、どれが主役になるかはお客様次第です。

意図と違う結果は受け入れがたい?

そうかもしれませんが、その意外性が楽しい。

みんな違ってみんないい。

多様性と多様性を演出する仕組み作りは、人事・労務管理のテーマだと思います。

皆さんの会社では、どんな工夫をなさっていますか?

久山酒店に行きました。

Img_0392ss 通勤路にある久山酒店に行ってきました。

盆、暮れに父と兄に、日本酒と焼酎を送るようにしているのですが、今年は何かと多忙で今日になってしまいました。

久山酒店のご主人は、実直そうな方で、日本酒や焼酎の造詣が深く(プロには失礼な表現かもしれません)、お任せで銘柄を決めていただいています。

香住鶴を推薦いただいたときは、少々驚きましたが、実家の地酒なので丁重にお断りしました。

でも、地元の酒を推薦されるのは嬉しいものです。できた兄夫婦に甘えて、もう十年以上も帰っていませんが、故郷とはそういうものなのでしょう。

今回、お奨めいただいた「大吟醸山の壽」は、福岡の若手杜氏の意欲作と聞いて、めっきり老いた感のある父に、何か伝わるものがあればと思い決めました。

あとで調べてみると、その杜氏は、忽那信太郎さんで、三十代前半の若獅子です。

酒蔵の山口合名会社は、八代目当主・山口郁代が若く意欲的に取り組まれているようです。

伝統的=保守的と思われがちな酒蔵の世界ですが、意欲的な技術者と経営者の出会いは、何かを期待させるものがあります。

父の感想を期待しております。

2010年1月 6日 (水)

2010年初夢は・・・

59995x 新年おめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

中国の古典『管子』に「一年の計は穀を樹うるに如しくは莫なし。終身の計は人を樹うるに如しくは莫なし。一樹一穫なる者は穀なり。一樹百穫なる者は人なりとあります。

これは古より人という特別の資源の可能性に着目し、大事を成すには人材育成が大きな鍵となることが認識されていた証です。

経営環境が益々厳しい昨今ですが、人に対する投資の重要性が見直される契機の年となりますよう素心より願っております。

一樹百穫の心、遍く経営者やマネジャーに浸透するよう微力ながら我が事務所を挙げて取り組んで参りたいと存じます。

2009年12月25日 (金)

メリークリスマス!

Img_0319s クリスマスとは宗教上の行事なのですが、八百万の神々を信じる典型的な日本人として、少々胸が騒ぎます。

この花は、同友会福友支部黒船ブロックからの頂き物です。

クリスマスと誕生日に送っていただいており、フラワーアレンジメントの良いところは、職員全員で楽しめるところです。

同支部の構成員でもあるフラワーズ・ブルー・ベルの浦里武敏氏の作です。

浦里さんは、次男の高校野球部の先輩でもあり、世間はやはり狭いものだなと思います。

我が事務所も殺風景になりがちですので、浦里さんお願いして、定期的にアレンジメントをお届けいただくようにお願いしました。

最近、ブログを書いていませんのは、新規のご相談でも、かなりディープなものが多く、何を書いても守秘義務に抵触するような気がするからです。

はご存じのこととは思いますが、社会保険労務士は、弁護士等他の士業同様、厳格な守秘義務を課されています。

社会保険労務士法第21条は下記の通りです。

(秘密を守る義務) 開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員でなくなつた後においても、また同様とする。

景気が悪化し、雇用調整局面になりますと、社労士は繁盛すると揶揄されることがありますが、一面の真実です。

強いストレスにさらされるご相談が多くなると思いますが、生花が相談者の心にプラスのオーラを放つことを期待しています。

2009年12月 9日 (水)

退職理由、その本音と建て前とは?

Img_0276ss  転職サイトの「リクナビNEXT」による「退職理由の本音ランキング」という調査結果では、離職者の退職理由のベスト3は次のようになっています。

1位-キャリアアップのため
2位-仕事内容が面白くなかった
3位-労働時間・環境が不満だった

ところが、これは建前での話、本音は次のようになるそうです。

1位-上司・経営者の仕事の仕方と合わない
2位-労働時間・環境が不満だった
3位-同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった

労働時間・環境への不満が共通なのは、辞める段になると、衛生要因がクローズアップされるためでしょうか。

それにしても、本音の方では、経営者・上司・同僚・先輩・後輩との問題といった対人関係が占めるのは、考えさせられるものがあります。

建前では、キャリアアップや仕事内容とされる積極的なモチベーションの問題とすり替えられていることが、事実とすると、これを真に受けている経営者がいるとすると結構、深刻な問題かもしれません。

弊社で毎月発行しています経営レポートは、このデータを端緒に

「社員の本音を引き出す経営者の姿勢
     表面的な「現象」の奥に潜む経営課題は?」

と題して、検討しています。

ご希望の方には、経営レポートをPDFでお送りします。

matsuda@e-roumu.comまでお知らせください。

2009年12月 7日 (月)

労働組合の限界を明示?非正規社員の加入資格

Photo 前回のブログで、単位労働組合の組織率が、向上したことについて書きました。

今回は、組合員の構成、加入資格について、少々、考えたいと思います。

厚生労働省が発表した2008年の「労働組合実態調査」を基にしています。

単位労働組合で、パート労働者が職場にいる割合を示したグラフです。

労働組合のある職場の約3分の2に当たる62%にパート労働者がいると回答しています。

Photo_3 ところが、パート労働者に組合加入を認めているのは、その4分の1弱の22%に過ぎません。

このことは、労働組合がいわゆる「正社員」という既得権階層の利益代表であることを端的に物語っていると思います。

正規VS非正規の利益相反が見え隠れします

Photo_4 このことは、派遣労働者の加入資格を見るともっとはっきりしてきます。

派遣労働者がいる企業の割合は54%、過半数を超えパート労働者とそう変わらない水準ですが、派遣労働者に加入資格を認める組合は3% に過ぎません。

短時間・臨時を主とするパート労働者と違い、派遣労働者は、その業務の質と量で完全に正社員と競合する存在ですから当然かもしれません。

日本労働組合総連合会(連合)の「2010春季生活闘争方針」を見ますと、非正規労働者の待遇改善を一つの柱に据えていますが、各論になりますと派遣労働者は対象外のように感じます。

全国の派遣労働者は399万人(2008年)といわれていますが、最もシビアな雇用条件のこの方たちを除外して、ナショナルセンターとか労働者代表とか称するのはいかがなものかと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?

2009年11月26日 (木)

増加に転じた?労働組合の組織率

Photo 厚生労働省が発表した2008年の「労働組合実態調査」の結果によれば、「単位労働組合」のうち、3年前(2005年)と比較して組合員数が「減少した」と回答した組合は47.1%(5年前の調査時は68.8%)「増加した」と回答した組合は30.1%(同16.0%)、「変わらない」と回答した組合は22.1%(同14.6%)でした。

単位労働組合」とは、当該組織の構成員が労働者の個人加入の形式をとるもので、支部・分会等の下部組織を有しない「単位組織組合」、および支部・分会等の下部組織を有する労働組合(単一組織組合)の最下部組織である「単位扱組合」をいいます。

言い換えれば、労働者個人を直接に構成員として組織するものであり、独立した組合の実体を有している組合のことです。

組合の組織率は長期低落傾向でしたが、末端の組合の組織率は、底を打ち、反転増加に転じた模様です。

この調査は、2008年6月のものですから、いわゆるリーマンショック以前ですから、年越し派遣村や民主党政権誕生を経て、その傾向は引き続き強まっていることが予想されます。

労働組合から団体交渉の申し入れがあったとする経営者の方からの相談が増えてきています。

バブル崩壊後に起業した経営者の多くは、四十代前半で、ほとんどの方が労働組合の加入経験がなく、当然に団体交渉の経験もありません。

「知らない」ということは恐ろしいといいますか、団体交渉拒否など過剰な反応をされ、無用なトラブルを招いている実態があります。

労働組合、団体交渉は何も特別なことではありません。慌てず騒がず、冷静な対処が肝要です。

2009年11月 4日 (水)

第五期天神塾 第5回「会計の基礎的知識 BS/PLの読み方」に参加しました

Img_0168 第五期天神塾 第5回プログラムは、公認会計士の篠原俊先生を講師に迎え、「会計の基礎的知識 BS/PLの読み方」と題した講義がありました。

広範な内容を平易にかつ現状の会計制度が持つ問題点を踏まえた盛りだくさんな内容でした。

導入が予定されている新会計制度では、より投資家の目線=利益が重視された内容になるようで、企業の現在価値を問うことが、真に意味のあることか?重要な論点があるようです。

大企業においては、①業績管理 ②税務会計 ③投資家用の三つの会計基準が走らせる必要があり、公認会計士の方には、ある意味、ビジネスチャンスかもしれません。

今回の最大の収穫は、篠原先生からの課題図書、原丈人「21世紀の国富論」との出会いでした。

最近では、良くないこととは思いつつも、仕事の必要に迫られないと本は読まない傾向が顕著で、天神塾の気づきは大変ありがたいです。

原丈人氏は、独立系ベンチャーキャピタリストの雄、デフタ・パートナーズを率いるオーナー経営者であり、米国共和党のブレインや国連などの国際活動を通じ、広く活動されています。

ヘッジファンドの破綻とその結果、起こるであろう金融恐慌をその一年以上前から看破しておられることは、同氏の先見性を示して余りあるでしょう。

①ROE等の数値偏重の経営はやはり間違っているということ。
②会社は誰のもの?という問いは所有者ということであれば無意味であり、社会的使命が優先されるべきこと。
③ピラミッド型階層モデルからフラット型組織モデルへ、個人発想を活かす構造が求められていること。
④米国の企業統治のメソッドが必ずしも成功していない、いや失敗しているといっていいこと。
⑤ベンチャーキャピタルは錬金術ではなく、全く新しい産業に投資し、マネジメントを通じ、ビジネスに仕上げる積極的な仕組み、係わりのこと。

常日頃、自分が思っていたことを、見事に理論的に証明していただいた気持ちでした。

特にフラット型組織は、文鎮型ではなく台風に似た構造であって、カリスマ性のある個人が目になる必要があるように錯覚するが、魅力的な個人だけでは足りず、そこには魅力的な使命が不可欠となることなど、確信を得たような気がしました。

今後の組織検討に活かしていきたいと思います。

篠原先生に感謝、感謝。

2009年10月26日 (月)

創業十周年記念セミナー報告

Photo 去る10月9日金曜日、当事務所の創業十周年記念感謝の会を盛会のうちに、開催できました。

これも日頃から支えていただいているお客様、お取引先様、スタッフのお陰様でございます。
改めて御礼申し上げます。

第一部のシロアム・キリスト教会の鈴木啓之牧師「何事も益に変えられる!」と題した講演会には、事前の出席予定者を上回り百名を超えるsign03ご参加をいただきました。

Photo_2 ご自身が博徒から牧師へ、劇的な改心を遂げられた経験を踏まえ、力強く「再生」を説かれました。

暴力団の組織から追われ、命の危険の中での神との邂逅、自ら捨てた妻子との再会、そして許し。

同師の著書にもありますが、まさに「愛されて許されて」のストーリーは感動的で、涙cryingを流された聴取の方も多かったです。

同師の許可を得まして、講演の模様をDVDにしました。ご希望の方には、お送りしますので、下記アドレスまでご連絡ください。

survival21@buz.bbiq.jp

2009年10月 1日 (木)

お陰様で十周年、感謝感謝です。

Img_0771ss 本日で創業十周年を迎えました。

顧問先様をはじめ、協力いただた企業様、スタッフのお陰様です。

素心より御礼申し上げます。

開業当時は、小渕首相の発案による中小企業人材確保助成金が全盛で、社労士の世界では一種のバブル状態でした。

昨今の過払い金請求バブルの弁護士会に似たところがあるかもしれません。

弊社では、「浮利を追わず」を経営理念とし、当該企業の人事・労務管理の方針に合致しない助成金は行わないこととして、一貫して参りました。

Img_0767ss 十周年を迎えた今年は、民主党の政権交代バブルの予感です。

自由民主党=供給者重視、民主党=生活者重視とは一概に言えないとは思いますが、労働政策のスタンスは大きく変わることが予想されます。

入閣で浮かれた大臣が、閣議を経ないまま、勝手な政策を叫んでいます。

与党慣れしていないのはご愛敬としても、官僚組織が方向転換するのは間違いないでしょう。

私どもは、社労士法の本旨に基づき、政策変更ににぶれることなく一貫したスタンスで、中小企業の人事・労務管理の確立に資するよう全力を挙げたい思っております。

Img_1719ss また、10月9日の感謝の会には、多くのご参加をいただける予定となりました。

現下の経済状況、業務繁多なことを考えますと望外の喜びでございます。

当日は、鈴木牧師のセミナーをはじめ、様々な催しを行う予定です。

企画、進行には不慣れな点もあると存じますが、思う存分お楽しみいただけるよう努めて参ります。

当日は、よろしくお願い申し上げます。

2009年9月21日 (月)

労働審判と社会保険労務士

Photo 平成18年4月にスタートした労働審判ですが、福岡においても労働紛争解決の選択肢として、定着した感があります。

労働裁判は、一般の民事訴訟に比較して
①原則3回の審理で結審し、短期間
②民事調停と同じ費用ですみコストが低い(1,000万円の請求で2万5千円)
というメリットがあることから、今後、利用の増加が見込まれます。

Graph 福岡県弁護士会によりますと、審判に至るのは21%で、79%は和解が成立しており、平均48.8日で結論が出ています。

民事訴訟ですと一審の結審までに約1年半かかると言われていますから、一月半で8割が和解というかたちで解決しているわけですから、成果がでているといえるでしょう。

但し、労働審判は最終審ではないので、勝訴しても相手方が異議申立すれば、通常の民事訴訟に移行しま

すので、注意が必要です。

労働審判については、証拠調べも略式ですから、事実関係について争いがあるような場合には馴染まないですし、制度の趣旨をよく理解して、利用する必要があります。

最近、社会保険労務士の中でも、労働審判に積極的に取り組むものがいますが、私には賛成できません。

労働審判は8割が和解しているとはいえ、2割が審判に至っており、通常訴訟に移行するケースもあります。

社労士には、労働審判の代理権もありませんし、当事者として参加することもできません。当然、本訴となったら関与できません。公式には何もできないのです。

成功報酬とはいえ、和解金の2~3割の報酬を設定して、申立書を起案して、あとは「あなた任せの風任せ」では、プロとしての仕事とは到底言えなのではないでしょうか?

弁護士の仕事と社労士に期待される仕事は自ずから違います。

社労士の本業は、
①紛争の未然防止  ②雇用継続を前提とした紛争解決
だと思います。

日本の労働法は、解雇ルールの未整備という欠陥を抱えており、退職をめぐるトラブルは、生木を裂くような事例が多いのは事実です。

社会主義以上に社会主義的といわれるこの国の裁判所と極めて自由主義的な企業実体の狭間で、労働法制の急速な進展は望めないでしょう。

私は、社労士として、労使の現場で矛盾と立ち向かい、割り切ることなく腹を決めて臨みたいと思います。

2009年9月14日 (月)

第5期第4回天神塾に参加しました。

Img_0560_2  長門 博之弁護士を講師に迎えて、「コンプライアンスから見た起業の在り方」と題した講義をしていただきました。

天神塾では、講義の前に、講師の方が、課題図書を指定いただくのですが、今回は「検察 VS 小澤一郎」でした。

西松建設事件で、政権目前の野党第一党の代表者・小沢一郎の秘書逮捕を巡って、いわゆる検察による国策捜査か否か、それぞれの立場から報道や論争が行われたのは記憶に新しいところです。

長門弁護士は、国策捜査云々は別にして、法律の解釈や適用が変わることはよくあることで、その潮目を意識してビジネスを行うべきだと仰っていました。

Img_2175 昨日まで大丈夫だったものが、今日は立件され刑事被告人へ、有罪率90%を超える裁判に勝ったとしても、何年にも及ぶ訴訟中に社会的に葬られることも考えられます。

近年では、ホリエモンのケースなどは典型なんでしょう。課題図書にあるように、検察の正義が、体制の秩序維持だとすると、出る杭は何としても打たれるのかもしれません。

これは、私どもの領域である、社会保険、労働保険や労働関係諸法令の世界でも、しばしば起こっています。

潮目が変わった例としては、①サービス残業、②名ばかり管理職、③過労死が最たるものでしょうか。

この三つの問題は、今に始まったことではないのは事実ですが、監督官庁、裁判所ともに厳格化傾向が著しく無防備で対応を誤れば、企業にとっても命取りになりかねません。

Img_2165 蓮の花を左右に見ながら橋を渡れば福岡裁判所、そこはこと労働問題については社会主義の世界です。

少額訴訟や労働審判など、裁判は日常になろうとしていますが、そこを支配するのは、判例という亡霊であり、経済でも常識でもありません。

長門弁護士の講義を聴きながら、日々の業務の中で思うことを、噛みしめた一日でした。

感謝感謝。

2009年9月 7日 (月)

最低賃金決まる。福岡県は5円アップの680円。

2009 今年6月の中央最低賃金審議会の目安では、「現下の経済・企業・雇用動向等を踏まえ、今年度については、現行水準の維持を基本として引き上げ額の目安を示さないことが適当である」とされ、据え置きが予想されていました。

最低賃金は時間給で表しますが、全国の移動平均で10円アップ福岡県で5円アップ九州他県では1円~3円アップの水準で定まりました。

最低賃金法改正までは、中央に右に倣えの傾向が強かったのですが、若干のアップにしろ各都道府県で改定が行われたことは、地方最低賃金審議会の独自の判断が働いたことを評価すべきなのかもしれません。

福岡県の答申は、8月19日に行われていますから、民主党大勝の影響とは言えませんが、それを織り込んだものであったことは否定できないでしょう。

2009_2 民主党マニフェスト2009「5雇用と経済を育てる政策」には、「時給1000円(全国平均)の最低賃金を目指す」とあります。

政策目的として「まじめに働いている人が生計を立てられるようにし、ワーキングプアからの脱却を支援する。」を掲げ、次のステップで具体化するとのことで、2200億円程度の予算を見込んでいます。

○貧困の実態調査を行い、対策を講じる。

○最低賃金の原則を「労働者とその家族を支える生計費」とする。

○全ての労働者に適用される「全国最低賃金」を設定(800円を想定)する。

○景気状況に配慮しつつ、最低賃金の全国平均1000円を目指す。

○中小企業における円滑な実施を図るための財政上・金融上の措置を実施する。

さすがに社民党と違い、「中小企業を支援し」という言葉が付きますが、マニフェストが4年間以内に達成される政権公約だとすると、全国最低賃金800円を達成するためには、福岡県で120円(17.6%)、その他の九州エリアでは約170円(27.0%)のアップが必要です。

4年間の平均で、30円(4,4%)~42.5円(6.7%)のアップとなり、中小企業に支援するとしても、2200億円程度の予算で可能か甚だ疑問です。

確かに、最低賃金800円としてフルタイムで働いても、月額14万円に及ばず、労働市場の実質最低賃金である高卒初任給を下回ります。

賃金水準としては達成すべき水準であり、雇用のセーフティネットの確立も急務ですが、中小企業や個人

事業主に負担を強いるのは無理があります。

連立政権を組もうとしている社民党のマニフェストには、有期雇用契約の禁止というものがありますが、無茶苦茶な話で、セーフティネットの先には「契約自由」があるべで、解雇権濫用法理の見直しが少なくとも必要ではないでしょうか。

今回の選挙では、郵政民営化や派遣法も見直し、元に戻せば以前抱えていた問題がなくなるわけではりません。

違う方法で改革を行わなければならないのに、この国は革新が元に戻すという憲法問題以来の性癖があり、折角の政権交代が失われた○○年の始まりにならないように願っています。

2009年8月21日 (金)

辞める前にお金をちょうだい?

Img_0318ss 美川憲一のヒット曲に「お金をちょうだい」というのがありましたが、50歳前後の方であれば、ご記憶の向きもあるのではないでしょうか?

作詞:星野哲郎 作曲:中川博之

別れる前にお金をちょうだい
あなたの生活にひびかない
程度のお金でいいわ
そのお金で アパート借りるのよ
あとはひとりで なんとかするわ
がまんさえすれば 生きてゆけるわ
ひとりだって 生きてゆけるわ
別れる前にお金をちょうだい
その方が あなただって
さっぱりするでしょう

昭和46年に発売されたシングル盤ですが、当時、9歳だった私も、妙に生々しい歌詞が印象に残っていました。

H05251e 乾ききった男女関係を精算するための方便としてお金の役割を歌ったものでしょうが、40年近く経った現在では、労使関係にも同じフレーズが聞こえてきそうです。

左グラフでも、分かる通り、雇用を巡るトラブルは、その多くが退職・解雇という労働契約の終末で起こっています。

労働紛争解決手段として、労働審判(地方裁判所)、調停(簡易裁判所)、個別労働紛争解決制度(都道府県労働局)などが整備されたこともあり、その認知件数も右肩上がりです。

その解決事例として喧伝されるのは、ほとんど金銭による解決となっています。

和解という名の下に解決金が支払われてチャンチャンです。

「労働者の泣き寝入りを許さない」ということか?それとも「やっぱりゴネ得」なのか?

権利行使とその乱用の問題は、声高な人に正義は少ないことも相まって、悩ましい問題です。

実態として金銭解決のスキームは先行しているものの、労働契約法も改正労基法も、このポイントを避けてきました。

これは立法府=国会の怠慢であり、どの政党が政権を取るにしても、労働法制の整備は避けて通れないでしょう。

何十年も放置したツケは払わなければなりません。

2009年8月18日 (火)

新型インフルエンザと労務管理上のポイント

Img_0243ss 新型インフルエンザは、一般にウィルスの感染力の弱いと言われる夏場でも、じわりと拡大しているとのことです。

秋の足音を聞くようになると、再び、感染拡大し、猛威を振るう可能性もあります。

企業としては、その危機管理の一貫として、新型インフルエンザ対策を着々と進めていく必要があります。

福岡で集団感染が発生した6月~7月では、お問い合わせの多かった件は、新型インフルエンザに関連して休んだ従業員の賃金控除の可否の判断、つまりはとりわけ給与計算上の問題でした。

中小企業レベルでは、危機管理として、新型インフルエンザ対策を行っているところは、見あたらないのが現状です。

学級閉鎖となった地域では、スーパーのレジからパートタイマーが消えたといった現象も報道されており、特に最小限の人員で日々の業務に当たっている中小企業ほど、そのダメージは大きい考えられます。

起きてしまったことの後処理も必要ですが、予防や進行中の対処は更に重要です。

会社や従業員の対応、義務(罹患報告等含む)について、次のの4段階で、迷わず対応できるようマニュアル化が望まれます。

①従業員が感染した場合

②従業員の感染が疑わしい場合 

③感染が拡大しており、従業員が感染する可能性が高い場合

④従業員の家族が感染した場合

罹患報告等、従業員に何らかの義務を課すためには、就業規則の整備も必要になります。

また、結果、休業した場合の賃金、休暇または休業の取り扱いについての規定も必要です。

来年4月に施行される改正労働基準法は、中小企業について、当面適用を見送られる事項が多いですが、関連法の制定、改定も出揃ったところですので、就業規則の見直しに着手するには、良い機会といえるでしょう。

2009年8月10日 (月)

すかいらーくが店長に残業代支給で?????

Img_0098s すかいらーくについて、「名ばかり管理職」解消の取り組みを始めたとの記事を目にしました。

記事の概略は次のとおりです。

『ファミリーレストランなどを運営する外食チェーンのすかいらーくが、6月から店長など約2,800人に残業代の支給を開始したことがわかった。「名ばかり管理職」の解消を目的とするもので、残業代支給による人件費の追加負担は年間1億円程度になるとみられる。』

マクドナルドやコナカから火が付いた「名ばかり管理職」さすがにリーディングカンパニーと思ったのですが・・・・・。

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1億円÷12ヶ月÷2,800人=2,976円

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「名ばかり管理職」の是正コスト、つまりは支給始めた残業代が一人当たり月額3,000円に満たないの?

「名ばかり」とはいえ店長クラスの基準内賃金が30万円を下るまいとは思いますが、月額3,000円だと1時間半にも満たない額です。

役職手当を固定残業手当として、算定基礎給から除外し、かつ残業手当充当したとしても、算出されたコスト負担増が低すぎると思います。

社会保険料や労働保険料の負担増を考えると、ますます疑問符が付きますが、どういうことでしょうか?

新人事制度と抱き合わせということですから、人員配置の見直し等ワークシェアリング的な手法を取り入れたのかもしれませんが、それでも謎です。

この場合は、人員増加によるコスト負担も是正コストに含めるべきでしょうから、更に増大することになるでしょう。

時事通信によりますと、同社の新人事制度では、店長から法制上の「管理監督者」(管理職)の肩書きを外し、残業時間が月40時間を超えた場合には、超過した分を残業代として給与に上乗せして支払うことにしたとのことですから、『役職手当=固定残業手当とし超過分の支払いを制度化』した程度のモノとしか思えません。

契約社員にさえ過労死を出してしまった企業として、過労死基準に掛かる月間45時間を超える残業はさせないという矜持でしょうか。

いずれにしても外食チェーンの「名ばかり管理職」の是正が加速し、中小企業にも波及することでしょう。

企業としては、その存続と成長を掛けて、正面から対峙するときが来たようです。

2009年8月 7日 (金)

こんな賃金形態はOKですか?

Img_0163bb 事務所の近くのバス停で、求人の張り紙を見つけました。

最近では、ハローワークで募集するにも、労働条件の開示がうるさいし、これは求人誌も同様の傾向で、しかもコストが掛かるため、「張り紙」となったもののようです。

「営業スタッフ募集」とあり、簡単な物品販売とありますが、何故か「歩合給」です。

簡単な物品販売なら、普通は時間給でしょうが・・・。

月給5万円~10万円+歩合給とありますが、これが合法かどうか?

一昔前は、営業職の求人でよく見掛けたパターンです。

相談可とあるものの勤務時間の指定があることから、出退勤自由の外勤営業のようなスタイルでないことは想像できます。

内勤であれフルコミッションの外勤営業であれ、実労働時間に対して最低賃金の保障が適用されますから

固定給+歩合給≧最低賃金時間給(福岡県675円)×実労働時間

とならないと違法になります。

最低賃金を当てはめると、月給5万円、月給10万円はそれぞれ74時間相当、148時間相当になります。基本給に相当する月給部分の設定が低すぎるような気がします。

1日6時間以上を想定しているようですから、月給5万円の場合、12日程度しか働けないので、歩合給が立ち上がりの早い設定になっていないと違法となってしまうでしょう。

法定労働時間を超える労働については、割増賃金(2割5分以上)の支払いが必要ですので、ご注意ください。

2009年8月 3日 (月)

改正労働基準法④年次有給休暇の時間単位付与制度の創設

Img_0093 年次有給休暇の最低単位は、これまで原則として「1日単位」で、労働者の請求により半日単位で付与することを妨げないとされてきました。

今回の改正で、労使協定を締結した場合は、年次有給休暇日数のうち5日を限度として時間単位で付与することが可能となりました。

(1)対象労働者の範囲

対象労働者の範囲を「全員」とすることも可能ですが、一斉に作業を行うことが必要とされる業務に従事する労働者、フレックスタイム制裁量労働制が適用される場合は、馴染まないと思われます。

また、管理監督者について、時間単位で勤怠管理することはやはりそぐわないでしょう。
通達も対象労働者の範囲を明確に定めるよう求めています。

(2)時間単位として与えることができる有給休暇1日の時間数

改正省令では、「1日の所定労働時間数を下回らない」よう定めています。
1日の所定労働時間が8時間の場合は8時間以上、所定労働時間7時間30分の場合も8時間以上となります。これは時間単位ですから1時間未満の端数が切り上がるためです。
所定労働時間が7時間30分の場合、1日単位で付与する場合は、7時間30分の勤務を免除することでよいのですが、時間単位で付与する場合は8時間の免除で有給休暇1日を消化したことになりますので、使用者にとっては30分不利になります。

(3)1時間以外の単位で付与することは可能か?
改正省令では、「1日の所定労働時間数に満たないものとする」としていますので、1時間から所定労働時間未満までの設定は可能です。
所定労働時間8時間の場合ですと7時間が上限になりますが、実際には4時間(半日)や2時間(4分の1日)の単位が現実的ではないでしょうか。

(4)時季変更権は行使できるか?
時間単位年休にも時季変更権は行使可能です。しかし、「事業の正常な運営を妨げる」という基準は変わりませんので、かなり限定されると解釈すべきでしょう。
通達により次の時季変更権の行使は禁止されています。
 a.時間単位の請求に対する日単位への変更
 b.日単位の請求に対する時間単位への変更

(5)時間単位年休の賃金
就業規則等の定めにより、次のいずれかの方法によって支払わなければなりません
 a.平均賃金÷その日の所定労働時間数
 b.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金÷その日の所定労働時間数
 c.標準報酬日額÷その日の所定労働時間数

(6)禁止事項他
労使協定において次のようなことを定めることは認められません。また、時間単位年休は、計画的付与の対象とはなりませんので、ご注意下さい。

 a.取得できない時間帯を定めること
 b.所定労働時間の中途の取得を制限すること
 c.1日の取得時間数の制限

従来からある半日単位の取得は認められており、その運用には労使協定は必要ありません。

これまでの制度の概要を考えますと、労使協定を締結し、就業規則を変更してまで、事業主側から積極的に導入する理由は見あたらない思います。

2009年7月31日 (金)

改正労働基準法③割増賃金率の引き上げ

Photo_2 今回の労基法改正で、いわゆる残業時間を抑制するため、時間外の多少により、割増賃金率が引き上げられました。

左図のように三段階で割増賃金率は設定されます。

①1ヶ月の時間外労働が45時間以内

従前同様、2割五分増しとなっています。1ヶ月45時間は、労働省告示の限度時間となっていますから、限度内であればよしとする方向なのでしょう。

45時間は労働日当たり2時間以内の時間外労働にあたり、通勤時間を含めて労働に係わる時間と洗面・入浴等

を含めた必要な家事時間を想定しても余暇が持てる、つまりはワークライフバランスを維持できる水準とされています。

また、過労死(心臓疾患・脳血管疾患)が、毎日2時間を超える時間外労働を行うと発症率が高くなることから、過労死基準ともなっています。

②1ヶ月の時間外労働が45時間超~60時間以内

労使協議により25%+αの割増率を定めることになります。
詰まるところ、協議を行った結果、+α部分が「0」ということも考えられます。
昨今の経済状況を考えますと、なし崩し的に変化の無い方向に動くことになりそうです。

45時間超の時間外労働は、特別条項付きの労使協定が前提となりますから、「改正労働基準法②特別条項付き三六協定の限度基準改定」で検討したとおり割増率を含めた協定が必要となります。

③1ヶ月の時間外労働が60時間超

5割増しとなります。但し、今回積み増された2割5分部分については、現金で支給せず、代替休暇により精算することが可能となります。

代替休暇制度の適用には、労使協定の締結と就業規則の変更が必須となります。

代替休暇についての注意事項は次のとおりです。

(1)代替休暇として与えられる時間の算出法は次式の通りです。
  
   代替休暇対象時間=(1ヶ月の時間外労働時間-60)×換算率

   ※換算率=代替休暇を与えない場合の割増率-代替休暇を与える場合の割増率

(2)代替休暇の単位は、一日または半日とされています。

(3)代替休暇は、60時間超となった当該1ヶ月の末日の翌日から2ヶ月以内に取得しなければなりません。

代替休暇が少なくとも半日単位でないと付与できないので、1日所定8時間、換算率を25%とすると60時間超の部分が少なくとも16時間(つまりは時間外が76時間超)でないと付与できないことになります。一日付与するには倍の32時間(時間外92時間超)が必要で立派な過労死水準です。

ワークライフバランスを考え、実際に労働時間を削減したいのなら、代替休暇の取得方法を、もっと現実的なレベルに改める必要があるでしょう。

「改正労働基準法①改正の趣旨」で指摘しましたように、当面の間、中小企業には適用が猶予されます。

試行から3年以内の見直しが改正の前提となっていますので、当面の間とはその期間と同じと思っていいでしょうから、この期間のうちに賃金や働き方の仕組みを変更していく必要があります。

振り返ってみると「アッと言う間の三年」とならないよう準備していくことが肝要です。

改正労働基準法②特別条項付き三六協定の限度基準改定

Img_0013s 1日8時間、1週40時間といった法定労働時間の限度を超えて、時間外労働を行わせる場合は、第36条第1項に基づく労使協定(いわゆる三六協定)が必要となります。

三六協定により延長できる時間外労働は、同法第36条第2項により、厚生労働大臣がその限度時間の基準を定めることができるとされています。

それが平成十年十二月二十八日号外労働省告示第百五十四号であり、下表の限度時間が定められています。

この限度基準を超える内容の労使協定を結ぶことは原則としてできません。

ただし、限度基準を超えて労働時間を延長しなければならない特別な事情が生じたときに限り、一定の条件の下に限度基準を超えることができる旨を定めた場合には、限度基準を超え協定を結ぶことができます。この定めが特別条項です。

改正労働基準法により、特別条項に関する限度基準も併せて改訂され、次の三項目が追加されました。

1.限度時間を超える時間外労働に係わる割増賃金率を定める。

一定期間における延長時間は、①「1日を超え3ヶ月以内の期間」②「1年間」の双方について協定しなければならないので、その双方について限度時間を超える協定を締結する場合は、①および②について、それぞれ割増賃金率を定めなければなりません。

2.限度時間を超える時間外労働時間はできるだけ短くするよう努めなければならない。

3.1.の割増賃金率については、2割5分を超える率とするよう努めなければならない。
「割増賃金率の引き上げ」の項を設け、割増賃金率については詳述します。
ここで、ご注意いただきたいのは、3.の規定を受け、時間外労働が1ヶ月45時間、1年360時間を超えた場合に3割5分増しとする協定を結んでいたとしますと、当月の時間外労働が45時間を超えなくても、協定期間の通算時間外労働時間が360時間を超えた場合は、3割5分増し(協定の割増率)となりますので、注意が必要です。

また、特別条項付き協定に関する改正規定は中小企業にも適用されますので、「1ヶ月60時間を超える時間外割増率」の猶予措置とは混同されないようにご注意ください。

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2009年7月29日 (水)

改正労働基準法①改正の趣旨

Img_0029s 平成19年3月の閣議決定後を1年8カ月に及ぶ国会審議を経て、大難産の末、成立した「改正労働基準法案」ですが、ようやく関連の省令・告示・通達が出揃い、改正法の全容が明らかになってきました。

実務に影響を及ぼす主な改正点は、
(1)特別条項付き三六協定の限度基準改定
(2)法定割増賃金率の引き上げ(代替休暇創設)
(3)年次有給休暇の時間単位扶養制度の創設

の三点です。

改正法の施行日は「平成22年4月1日」と定められており、企業においては就業規則の整備や労使協定の締結などの対応が必要となりますが、上記(2)の割増率のアップの規定については、 「中小事業主の事業については、当分の間、適用しない」とされています。

なお、ここでいう「中小事業主」とは、「その資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5,000万円、卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)以下である事業主及びその常時使用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業主を」をいいます。

改正点の詳細に入る前に、改正の背景や趣旨について、整理しておきたい思います。

労働基準法改正案は、平成18年1月27日に示された厚労省の「今後の労働時間制度に関する研究会報告書」仕事と生活のバランスを実現するための働き方の見直しの観点から、長時間労働を抑制しながら働き方の多様化に対応するため、労働時間制度について整備を行う必要がある」との提言を受けたものです。

改正案をまとめるにあたっての厚生労働省労政審議会労働条件分科会での審議は困難を極め、様々に変遷しています。また、平成20年臨時国会でも、ギリギリの修正が行われています。

最終的に法律案の提出理由は、「長時間にわたり労働する労働者の割合が高い水準で推移していること等に対応し、労働時間以外の生活のための時間を確保しながら働くことができるようにするため、一定の時間を超える時間外労働について割増賃金の率を引き上げるとともに、年次有給休暇について一定の範囲で時間を単位として取得できることとする等の必要がある」とされています。

法案成立時の雇用情勢が激変したこともあり、当初のワークライフバランスの視点からだけでなく、ワークシェアリング的な発想も成立に影響を与えたと思います。

いずれにしましても、法定割増賃金率の引き上げは、労働時間管理の必要性を高め、労務コストの考え方にも影響を与えることになると思います。

今までですと、頭数を増やさず、時間外労働で対応することが、経費的にも有利で、社員としてもその分収入が増えることになり、最適な対応だったのですが、今後は、頭数を増やして定時退社という管理方式が合理性を持ことになりそうです。

しかしながら、採用難の中小企業にとっては、賃金水準からもノー残業の施策は困難で、前述の適用の猶予は必須だったと思われます。

労働契約法もそうでしたが、今回の労基法改正も、対象条文を大幅に圧縮したこともあり、今一歩踏み込みが足りず、新しい労使関係の構築に資するとはいえないものとなりました。

政労使ともに思考停止状態ですが、現実はドンドン進行しています。

今度の総選挙が、契機になることを願っております。

2009年7月28日 (火)

松田事務所のロゴマークを作りました。

Img_2209ss_3 最近、名刺交換をしますと、、イラストや写真をふんだんに使った両面見開きの名刺が多くなりました。

以前ですと、支店数の多い会社が、全国の店舗を網羅するのに紙数を重ねたイメージでしたが、近頃は、パーソナルブランディングといいますか、自分の来歴や会社案内、商品カタログの機能を持った両開き名刺をいただく機会が増えたと思います。

ある方が「捨てられない会社案内です・・・」と仰ったことを思い出します。確かに名刺の性格上、ローロデックスで整理されたり、データベースとして保存、活用されることもあり、デスク周りに置かれる可能性が、通常の会社案内より高いと言えるかもしれません。

それに引き替え、当事務所の名刺は、全く地味な名刺でして、メッセージ性の欠片もありません。

中小企業の「労務管理改善」のために戦略型アウトソーシングを標榜する当事務所としては、あらゆる機会を捉えて、そのメッセージを伝えて行くべきではないかと考え、名刺のデザイン改訂に着手しました。

とは言っても何から始めていいのか分かりません。

ここは先達の出番です。

アクシスエボリューションの田中伸一代表に、同社のロゴマークを制作されたデザイングレイスの根本和幸代表を紹介いただきました。

最初に根本代表とインタビューがあり、二時間ばかり自分の来歴や事務所の方向性など色々な話をさせていただきました。

根本代表曰く「松田さんは和のイメージなんですよね。」と意外?な展開で、発案いただいたのが、この三つです。

今までロゴマークを頼むと、イニシャルをこねくり回したようなものしか出てこなかったので、とても新鮮でした。

事務所の職員の意見も聞いて、最終案を決定しました。

現在は、名刺の裏面に書き込むメッセージ作成に掛かっています。

中々難しいですが、完成しましたら、また報告したいと思います。

2009年7月21日 (火)

本年9月から健康保険料率は都道府県毎に

Img_2138ss 協会けんぽの健康保険の保険料については、現在、全国一律の保険料率(8.2%・労使折半)となっていますが、平成18年に健康保険法が改正され、平成21年9月までに都道府県毎の保険料率に移行することとなっています。

 今般、協会において、国の関係政省令に基づき、都道府県単位保険料率を定め、厚生労働大臣の認可がおりました。

それによりますと、わが福岡県は、北海道(8.26%)、佐賀県(8.25%)についで三番目に高い8.24%です。

標準報酬月額30万円の方で、被保険者負担は月額60円のアップとなります。

 基本的には、医療費の高い都道府県が、保険料率も高くなるのですが、年齢構成が高いほど医療費は上昇しますし、所得水準が低いほど同じ医療費でも保険料率は高くなることになりますから、不公平感を無くすため「年齢調整」と「所得調整」を行った後、激変緩和措置により、保険料率が決定しています。

医療費抑制を目的に行われた制度変更の一環で、削減努力を行った都道府県に有利な取り扱いをすることが趣旨で、各都道府県では、医療費適正化計画を立て、実行することとなっています。

福岡県は、後期高齢者1人当たり医療費が108万1244円(2008年度)と最も高く、保険料値上げは当然かもしれません。

福岡県も医療費適正化計画を作成していますが、このまま改善されませんと、年々保険料は上昇していくことに

なります。現在は、全国でも激変緩和措置により、最小8.15%~最大8.26%と0.11%の差異に止まっていますが、激変緩和措置がなくなると、長野県約7.7%~北海道約8.8%と最大で1.1%の差異となります。

福岡県の場合、現行保険率(8.2%)の+0.4%程度まで上がる可能性があります。

保険料率にも成果主義の導入というところでしょうが、保険料決定の仕組みがお手盛りにならないよう、又不公平感が高まらないよう注意が必要でしょう。

2009年7月 7日 (火)

新型インフルエンザと休業手当

Photo 新型インフルエンザに罹患し又は感染が疑われる社員に対し、会社が休業を命じる場合、労基法第26条の休業手当の支払いが必要かどうか?問題になります。

労基法第26条には「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」と休業手当の規定があります。

「使用者の責に帰すべき事由による」かどうかが?休業手当の支払い義務の判断基準となります。

新型インフルエンザの発生段階については、WHOの6段階(現在フェーズ6)がよく知られていると思いますが、厚生労働省は国内の発生状況を重視し、上表のような4段階に区分しています。

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現在、厚生労働省は、「第二段階国内発生早期」(旧基準フェーズ4B)としています。

第二段階国内発生期(旧基準フェーズ4B)以上となった場合、国は新型インフルエンザ患者やその疑いのある者に対して入院勧告や発生地域の企業に対して新型インフルエンザの症状が認められる社員に出勤停止や受診勧告を行います。 国の勧告に従い、感染者やその疑いのある社員を自宅待機させる場合は、休業手当の支払いは不要となり無給とすることができます。

また、第一段階(旧基準フェーズ4A)以上となった場合は、国内流入を防ぐため、発生地域からの入国者に対し質問票や診察で患者を振り分けることがあります。そこで新型インフルエンザの患者の疑いがあれば検疫法に基づき停留、患者と確定されれば入院勧告が行われます。この措置によって海外から帰国した社員が停留または入院となり、出社できない期間は休業手当の支払いは不要となります。

これらのケース以外で、会社が独自の判断で国の措置を超えて、社員に自宅待機を命じる場合には休業手当を支払わなければならないでしょう。

これまで厚生労働省や企業で様々に検討されてきた新型インフルエンザ対策や諸規程は、強毒性を前提としており、今回の新型インフルエンザには適切さを欠く面がありました。冬の流行期を控え、再検討が求められており、そういう意味では、夏が勝負になります。

2009年7月 6日 (月)

業務上横領について

Img_1916s_2 顧問先からお客様を紹介いただく場合、何らかのトラブルを抱えていらっしゃるケースが多く、①従業員との労務トラブル、②労働基準監督署の調査、改善指導などが主たる動機でした。

最近、従業員の金品使い込みのトラブルでのご相談が何件か続きました。

これも不景気の影響でしょうか?

最近の横領事件について、不思議な共通点があります。

①手口が余りにも稚拙で、隠蔽しようというする意思が感じられない。

領収書を改ざんしたり、手持ち現金有り高を膨らませて口座に入金しないなど、単純すぎてどうするの?という感じで何とか切り抜けようとか、そもそも隠そうとしているとは到底思えないのです。

②追求すると、悪びれずにあっさりと認める。

事実を指摘すると、いとも簡単に認めます。使い込みに至る動機は様々ですが、とても懲役の危険を冒すに値するとは思えません。一種、仮払い感覚で、カネさえ返せばいいんでしょ?とでも言いたげなその軽さは会社をなめている以外何ものでもありません。

③会社も上司・同僚も通常の注意を払っていれば大事にならなかったはず。

会社も全くチェック機能が働いておらず、怠慢の誹りを受けても仕方ないような状況です。
上司・同僚も不作為が甚だしい。当然、分かっているのだから、注意すれば済むことを、酷い無関心が蔓延っています。もっと言えば、横領犯の意図しない共犯者かもしれません。

何度となく横領犯を生む組織は、そのモラールダウンを引き起こす宿痾とでもいうべきものを持っています。

努々単に個人の問題だと片付けてしまわないこと、組織の根本的問題がそこに横たわっていることを自覚しなければなりません。

業務上横領は、民法709条(不法行為)により損害賠償責任を負うのは当然として、刑法第253条により10年以下の懲役に処せられます。犯罪事実が確認されたら直ちに逮捕される事になり、罰金刑はないため、拘置所に収監される事になります。

脇のあまい組織は、犯罪者を作り出し、ルーズな従業員は共犯者を呼び込みます。
当然のことながら、世の中に割の合う犯罪はありません。

2009年7月 4日 (土)

病床の叔父との対話②

Img_1934s 病床の叔父を見舞い、短時間でしたが、数々のアドバイスを貰いました。

私は、叔父からすべてを聞きたいと、23年の空白を埋めようとするかのように質問を始めました。

変わらず歯切れのよい叔父の回答が心地よく響きます。

ややあって、一人の紳士が見舞いに来られました。

どこかでお会いしたような気がしましたが、叔父にも23年ぶりに会ったのですから、そんなことはあり得ないことなのですが…。

その方は、叔父の病状を最近お知りになったようで、公私ともに多忙の中をぬって、お越しいただいたのでした。

叔父は七十を少し前にして病床にありますが、いわゆる企業戦士として昭和から平成を駆け抜けた世代です。この紳士と叔父、ふたりは正しくそのトップランナーだと思います。

正にジェントルマン、微笑みの中から言葉が出てくるようなその方と叔父の対話が始まります。

追憶とはその当事者にとって常に甘美なものですが、そんなことは超越した歴史を感じました。
                                                       キラキラ光る挿話の数々、仕事というものが男のど真ん中にあり、夫婦、家族ともに向かい合っていた時代の珠玉です。

二十年遅れて後を行く私たちの世代は、同僚、妻、娘と一緒に「あのときは・・・」と同じ思いで回想できるでしょうか。

ふたりが咲かせた花には実がなって、その種子がビジネスの世界に引き継がれていると信じます。

私にもこのDNAが受け継がれていると信じたいところです。

2009年7月 3日 (金)

三つ子の魂四つまで。

Img_1728s 一般には「三つ子の魂百まで」といわれ、幼いときの性質は老年まで変わらないというのが多数派の意見かもしれません。

「三つ子の魂四つまで」は、ある教育者の方から、その矜持として伺った言葉です。

「教育とは、人が変わり得ること、それに貢献できることを信じることだ」と指摘されたうえで、「そう易々とは行かない。年の単位で時間を掛け、待つことが必要になる。」と言う意味で、「三つ子の魂、四つまで」なのだと説明してくださいました。

マネジメントの世界に蔓延る「操作主義」とは対局をなす考え方だと思います。このようなセンスが、現代の経営者には欠けており、逆に強く求められているように思います。

21世紀に入り、ますます生産性は、知的労働に負う割合が高まり、個人の頭脳の中に生産手段があるといってもいいでしょう。こうなりますと会社と社員の関係は、指揮命令、上意下達ではなく、目的意識を共有化した自主的な帰属、参画となるでしょう。

つまり、社員は、自身で納得しないと、頭脳という工場を生産体制にはしてくれないのです。

会社の方針が変わったからといって、一朝一夕で変えられるものではありません。

Img_1896s これは自戒の念を含めて申し上げるのですが、経営者というものは、せっかちで「思い立ったが吉日」の傾向があり、そのリーダーシップの強さから、その負の側面である支配欲求が色濃く出ることがあります。これは要注意です。

「一樹百穫なるは人なり」

古来より終身の計は、人材育成とされてきました。そのことは真理であり変わりようがありませんが、現代の知識労働者に対する育成方法は、自ずと違うはずです。

同じ枝に生ったトマトでも色づく時季は違うのです。その多様性を活かしながら組織作りに取り組むことが重要なのでしょう。

やはり「三つ子の魂四つまで」で行きたいと思います。

2009年6月28日 (日)

採用試験報告

Img_1734s_2   6月27日(土)9時45分より、本年3回目の採用試験を開催しました。

2職種併せ40名を超えるご応募をいただきましたことは、望外の喜びであり、応募いただいた皆様には、素心よりお礼申し上げます。

今回の採用試験は、業務拡張・新規顧客に対応するため、
高齢フリーター枠に対応した未経験者採用
情報システム担当者
の2職種を対象とするものでした。

試験の内容は、CUBICを利用し
①能力検査(言語・数理・図形・論理・英語)
②適性検査
③面接
の三部構成で多元的に、加点評価ができるように努めました。

Img_1813s_2 採用試験は、4月、5月に続き3回目でしたが、いずれも応募者の方のレベルが高く、回を追う毎にその高まりを感じました。

専門職は、仕事のプレッシャーも強く、その専門性を維持するための自己投資を考えると、割の良い仕事ではありません。好景気のときは、皆さん、ある意味正直で、応募も減りますし、レベルも下がるのが実情です。好景気の実感がないといいながらも、プチバブルはやはりあったと思います。

不景気になりますと「手に職をつける」との合い言葉と共に、応募者が帰って来ます。専門職は、その知識の陳腐化も早いので、手に職はつかないと思うのですが、フリーランスという生き方そのものを体得いただくことがスタッフとしての強靱さに結びつくでしょう。

深刻かつ急激な不景気に伴い、通常では考えられないような人材が、労働市場に流入していることは間違いないようです。日頃、人材不足に悩んでいる中小企業にとっては、好機といえるでしょう。

今こそ、植え替えた苗が伸びやかに育つよう労働環境を整備し、「売りには向かえ」の市場の鉄則を活かすべきです。

社長、準備はできていますか?

Img_1861s 今回、採用内定された方が、弊社でその個性と能力を十二分に発揮されますよう願っております。

採用試験の朝、事務所ビルの駐車場に咲いていました。

ちょっと地味ですが、可憐ながらも凛と咲いていたのが印象に残りました。

こんな感じっていいですよね。

期待しております。

2009年5月24日 (日)

開物成務塾に参加しました。

Img_1340s 福岡県中小企業家同友会・福岡地区研究会・第1回開物成務塾に参加しました。

5月22日(金)に九州大学大橋キャンパス産学連携センターで開催され、50名を超える中小企業家が集まって開催されました。

九州大学の湯本長伯教授をメンターに迎え、ワークショップをメインに、参加者の様々な知を融合させ、新製品や新サービスの開発に繋げていこうとする勉強会です。

湯本教授から、「新製品・新サービス開発の手法について」の講義があり、様々な発想法の類型や米国GE社が自社の技術者教育プログラムを創造工学(Creative Engineering)と名付けたことから端を発する思考操作技法のお話がありました。

言葉だけ聞きますと難解なお話ですが、ワークショップの実践を通じて体感することができました。

ワークショップを活用した発表者と塾生の双方向のやりとりは、スピード感や独特の高揚感があり、他のセミナーや勉強会にはないものです。

今回、ワークショップのまな板に登られたのは有限会社ウィズの宮崎弥生社長有限会社タイセイの笠置重子社長のお二人です。

宮崎社長は、会社設立時に助成金等のお手伝いをさせていただいた経緯があり、医療用カツラのインターネット通販で年商1億円を達成されたとのことです。インターネットの技術をビジネスに結びつけるまでの逞しい紆余曲折のエピソードは感慨深いものがありました。

Photo 笠置社長は、事務所の開業時に印鑑マットのノベルティをお世話いただいたことがあり、やはり十周年は様々なご縁の糸が紡がれてくるようです。

やすらぎタオル3本セット(コンフォータブルタオル)で、はじめてワークショップを体験されました。

塾生の方々からは、遠慮会釈もないsign02指摘が続き、談論風発、あっという間の30分間となりました。

いい意味で「他人事」、何も縛られない視点からは、目から鱗の意見がでるのでしょう

開物成務塾は、月1回のペースで開催されるとのこと、今後とも参加していきたいと思っています。

2009年5月20日 (水)

最低賃金割れ、それはもはやビジネスではない。

Img_1229 昨年のリーマンショック以来、雇用調整局面に移行し、労使トラブルも増加の一途です。

結果、労働基準監督署やハローワーク等の介入案件が増え、弊社に対する労使双方からの相談も激増しております。

その中で、正直驚いたことは、最低賃金割れを起こしている企業の多です。

単純に時間給単価が達していないケースもありますが、サービス残業や残業単価の問題から実質的に大幅な最低賃金割を起こしているケースなど、様々です。経営者の方も、最低賃金割れの自覚があればまだしも、全く自覚のないケースsign02もあります。

後者のケースについていえば、社長にお会いしてみると曰く「当社のビジネスモデルは・・・」とか、「生産性に見合った賃金体系が・・・」とか結構、高尚なことをお話になることも多く、閉口といいますか疑問符sign02が百個sign02ほど頭を回り始めます。

この場合、はっきりしていることは、「その社長のいうビジネスモデルは崩壊していている」ということです。

誤解を恐れずにいいますと、多くの場合、社員の生産性は会社に依存していますから、生産性に見合った賃金体系の結果、最低賃金を割る会社は、下りのエスカレーターのようなもので、存在理由がありません。

社員個人の力量に依存し、会社として再現性のないものなどビジネスモデルとは言えないのは当然です。

Photo福岡県の最低賃金は、時間給675円です。

これを週40時間労働として、月給に換算すると117,315円単身最低生計費110,914円をやっと上回る水準です。

福岡県の高卒初任給の平均が155,100円、これを時間給に直すと約892円となります。高卒初任給は、職業経験のない新卒者の賃金ですから、労働市場における事実上の最低賃金といえるでしょう。これに育成のコストが乗るのですから実質的には1,000円を超えていると考えても良いかもしれません。

Photo_2 福岡県のパート時給の平均は、男女差や企業規模による差異もありますが、903円~1,020円となっており、高卒初任給を上回っています。

確かに箸にも棒にもかからない社員は存在しますし、苦しい経営状況の中で、賃金を支払うことは困難を伴うでしょう。

しかし、経営者はレアケースを殊更強調したり、不景気に逃げ込んだりしてはいけないのです。

そのままでは、経営者失格の烙印を押され、いつまでも組織の果実を得られません。

お心当たりの方は、先ずは最低賃金のチェック方法を確認し、経営を足下から見直されることをご検討ください。

2009年2月 4日 (水)

がんばれ!派遣会社

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現在、新聞やテレビの論調は、派遣会社=悪のようになっていますが、全く間違った論理です。

仕事よりも私生活優先を考える方に、通常のパートやアルバイトでは考えられない高い時給で働くことを具現化し、日雇いしか考えられなかった人に三ヶ月を超える期間の雇用と社員寮を提供してきました。

すべてのことに明暗や功罪があり、派遣会社が果たしてきた社会的役割を評価しないことは余りにも均衡を欠くと思います。

ニュース番組のコメンテーターには、ろくにマネジメントや第三者を雇用した経験のない方が多いようで、次のようなコメントが跳梁跋扈しています。

「派遣元会社が派遣会社に払う時給は1,800円なのですが、派遣労働者が受け取るのは1,200円程度、3割以上も抜いているんですね。」

マネジメント会社を通じて、手取りで報酬を貰ってる人には利益構造が全く分かっていません

左表は、平成19年度の中小企業の財務指標(中小企業庁編)を基に作成したものです。

製造業、卸売業、小売業の平均的な粗利益率を表したものですが、それぞれ35.7%、23.6%、33.8%となっています。

これは平均値なので、黒字・赤字を問いません。この粗利率で商売が成り立っているかどうか分からない数値です。

派遣会社で考えてみましょう。前述の1,800円→1,200円の例とします。

名目上の粗利率は、33.3%ですから、一見、他業種の平均値並だと思えます。ところが法律を守って、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険を加入しますと、賃金額の約13%が消えますから、粗利率は24.6%に急降下します。

つまり事業が成り立つ最低限の粗利益を受け取っただけなのに、暴利を貪っているかのように非難されているのです。

2~3倍の賃金を受け取っているハローワークの職員が9時~17時でする仕事では思いもつかないような、細かいフォローしている派遣会社の方たち、誇りと自信を持ってくださいscissors

曇る日cloudtyphoon、雨の日rainthunderありますが、自分を自分で売り込めない不器用な人たちのエージェントとして、活躍してください。今までもそうであったように、これからもずっとsign03

2009年2月 2日 (月)

労働問題は労働者派遣法改正では解決しない。

200909_2  最近のテレビや新聞の報道をみていますと、いわゆる「派遣切り」が大問題で、労働者派遣法の改正が労働問題解決の本丸sign02かのように議論されています。

憲法25条に定める生存権の保証と民間の経済取引である雇用の問題が混同されています。

いわゆる派遣村問題や派遣切りには、生活保護など、の責務としての生存権保証がなされていないことによる面が大きいと思います。

中小企業が雇用を守って倒産しても政府は何の保証もしないのですから、経営者に雇用義務を求めることは筋違いです。道路と天下り先ばかり作って、セーフティネットを作らなかった政治の無策こそ、問われるべきです

上のグラフは、2008年9月時点の雇用形態別雇用状況(総務省統計局の労働力調査)を基に作成したものです。いわゆる派遣切りが始まる前のデータです。

派遣労働者は140万人、役員を除く就業者(5164万人)の約2.7%に過ぎません。契約・嘱託・請負などよりも少ないのですから、ここを改善してもインパクトは小さいのです。

そもそも請負や委託に問題があるとして、偽装請負を摘発し、派遣形態に代えていったのではなかったですかsign02

年度末までに派遣切り(請負含む)は、厚生労働省の資料で約12万人、業界団体の試算で約40万人と言われています。このうち7割として約30万人の派遣労働者が職を失う計算になります。

逆に言いますと4月以降も派遣形態で働く方は、約110万人以上flairいるわけです。ここで性急な法律改正は混乱と失業を招くだけです

今こそ本質的議論をするときではないでしょうかthunderpunch

2009年1月30日 (金)

内定取消しによる企業名公表の基準

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企業による新卒者の内定取消しが大きな社会問題となっています。

内定取消の予防と企業責任の明確化のため、厚生労働省は、内定取消を行った企業名公表を行うとしていましたが、このほど、その基準を答申が舛添厚生大臣に答申されました。

5つの基準が示されていますが、この基準に該当すれば、昨年の事例についても公表するそうです。

(1)2年連続で内定取消しを行った。

(2)同一年度に10人以上の内定取消しを行った。

(3)事業活動の縮小が余儀なくされていると明らかには認められない。

(4)学生に内定取消しの理由を十分に説明していない。

(5)内定を取り消した学生の就職先の確保を行わなかった。

内定取消は、「内定当時知ることができず、また知ることを期待できないような事実があり、それを理由に内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認できる場合」に限られるとしています企業の自制を期待したいところです。

上表は昨年12月18日現在の地域別の内定取消件数です。沖縄を含む九州は、企業数で約1割、人数で約2割を占めています。

九州は日本の1割経済言われますが、人数比から言いますと2倍の割合で発生している勘定になります。関西地区や中国地区と比較しますと突出しています。

シリコンアイランド化や自動車産業の積極的な誘致で成長してきた九州ですが、今回の不況の影響はかなり深刻なようです。

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左表は、産業別の状況ですが、不動産業、製造業、情報通信業などに多いようです。

サービス業は分類の範囲が広く、もう少し詳細な情報がでないと何ともいえません。

製造業、情報通信などの不振は、ソフトウェア業界を直撃すると思われます。労働集約型で企業のしわ寄せを受けやすく、予てより厳しい労働環境の企業も多く懸念されるところです

いずれにしましても1月のデータが発表されますと、更に厳しい状況が浮き彫りになるのではないでしょうか。

2009年1月28日 (水)

このマーク、ご存じですか?

                            H02163a_2 

「次世代育成支援対策推進法」に定めるマークで、愛称を「くるみん」といいます。

 同法では、事業主は、従業員の子育て支援のための行動計画を策定・実施し、その結果が一定の要件を満たす場合に、厚生労働大臣の認定を受けることができ、認定を受けた事業主は、認定マーク「くるみん」を商品等につけることができます。

同法は、少子化を防止するための法律ですが、今回、改正されることになりました。

主な改正点は次の通りです。

(1)行動計画の公表および従業員への周知の義務化

仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境の整備について、事業主が策定する一般事業主行動計画の公表・従業員への周知が、従業員101人以上の企業は義務100人以下の企業は努力義務となります。(200941日施行。従業員101人以上300人以下の企業は2011331日までは努力義務)

(2)行動計画の届出義務企業の拡大

一般事業主行動計画の策定・届出の義務付け範囲が、従業員301人以上の企業から、従業員101人以上の企業に拡大されます。(201141日施行)

 くるみんマークは、企業のホームページや名刺などで見かける機会が増えてきましたが、まだまだ普及は進んでいないように思います。

 このマークの取得・活用により、次世代育成支援対策に積極的に取り組む企業であることをアピールでき、企業イメージの向上人材採用の場面でプラスになると思います。

 不景気になると目先のことばかりになりがちですが、長期的視点も忘れず取り組んでいきたいものです。人事・労務管理は、急げない重要な仕事です。営業や資金繰りの周期はせいぜい月単位、人事・労務管理は少なくも三年の長いリズムを刻みます。

 企業の寿命は、本来、人の寿命より長くあるはずですが、実は、この辺りのバランスに問題があるのでしょう。私どもの仕事も正念場なのだと思います。

 

2009年1月27日 (火)

お久しぶりです。新装開店、よろしくお願いします。

090125_123721_2 Q-ringからBBIQへ引っ越しが終わりました。

とは言いましても私は何もしておりません。ひとえにスタッフの方のサポートのお陰様です。ありがとうございました。

サイトが変わると作法が変わりまして、何かと勝手が違います。四十の手習いですが・・・。

ブログが閉鎖している二週間は、結構、激動?の時間でした。

整理解雇、労組交渉、賃金組み替えからセクハラ訴訟等々、様々な相談が入りまして、やはり不景気何ですね。

開業した10年前もリストラ風が吹いていましたが、景気循環、照るsun日曇るcloud日雨降りrainまで舞台は様々に変わります。

経団連や連合は、ワークシェアリングだ休業だと騒いでいますが、これまた10年前の論議の蒸し返しで、進歩がありません。

労使ともに非正規社員を雇用の安全弁に、問題を先送りして来たと言わざるを得ません。

9月以降の景気の急降下で中小零細企業は、非常に厳しい状況です。原油高、原材料高が収まったかと思うと、売り上げそのものがなくなったのですから一大事です。この一年、ずっと水面下waveで、一度も息つきができなかった会社も多いのではないでしょうか。

セイフティーネット保証制度で融資を受け、年末を乗り切ることはできたかもしれませんが、それも3ヶ月程度、次の大山fuji年度末がやってきます。今度は融資でとは行きませんcrying

しかし、この不景気の乱気流typhoon絶好機と感じている社長は必ずいます。特にアタッカーである中小企業の経営者にとって波乱が業界秩序を壊す追い風upになるからです。

そんな社長は、話しづらい厳しい問題も、自らの言葉で社員に語りかけ求心力に換えて行くことでしょう。春来たりなば冬遠からじ、前向きの出会いがあることを期待しています。

2009年1月12日 (月)

仕事の大道は?


今回のような景気の激変がありますと、仕事に対する考え方も動揺します。
景気が良いと、仕事は自己実現の手段、いわく「自分にあった仕事」、「自分のやりたい仕事」などと哲学的な課題となります。
景気が悪いと、仕事は生活の糧、いわく「金を稼ぐ手段」、「生きるための方便」など、一気にマズロー的欲求の底辺にまで落ちてしまいます。

仕事は、それ自体は、その受益者のためにあるもので、その必要性に応じて設計されますから、「自分にあった仕事」、「自分のやりたい仕事」がそこら辺に転がっていることはありません。

また、同様の理由により、仕事は必ずしも「金を稼ぐ手段」などにもならないと言わざるを得ません。「仕事は自分を磨く砥石」といわれますが、長期的に見て、仕事の遂行は、能力伸張をもたらし、所得を保証するすると言えるとは思いますが・・・。

では、仕事の普遍的な意義=大道とは何でしょうか?
私は、「人の役に立つこと」「人を喜ばせること」ではないかと思います。また、このことは、人間の根源的欲求だと思います。

人間は社会的動物と言われます。反面、社会の歯車のひとつになることを嫌い、個人の存在理由を問うこともありますが、その存在理由は社会=他人との関わりに求めるしかありません。
仕事と向き合うことは、人として生きることと同義ではないでしょうか?

景気などに左右されず、この大道を歩みつづけられるよう自らを律していきたいと思います。

今度はワークシェアリングらしい・・・。

年明けて福岡中央職安に行きますと9時半にも関わらず46人待ちshock、繁忙期の4月並の盛況ぶりで、確かに何かが起っているのは間違いないようです。

経団連の御手洗会長は、今度はワークシェアリングを持ち出して来ました。派遣切り、期間雇用の見直しと来て、いわゆる正社員にも手を付けた格好です。

他方、ナショナルセンターたる連合は、2009年春闘方針で、ベア要求による内需拡大策を標榜し、全くかみ合わない状況です。


今回の急激な景気の後退で起った一連の雇用調整の結果、日雇い派遣をはじめ派遣がいけない→労働者派遣法がいけない→規制緩和がいけない→労働者派遣法の厳格化を求める といった短絡的な図式で規制強化、法改正を主張する向きも多いようです。

そんな中、日本電産は早々にワークシェアリングによる正社員の賃金カットと雇用維持を打ち出しました。永守重信社長は、一代で同社を世界一の企業に押し上げた、いわゆる立志伝中の人物といえるであり、また、M&Aした他企業の正社員の人員削減をせず、経営再建を行ったことでも有名です。同社長には、毀誉褒貶あると思いますが、いち早く方針を打ち出したところに学ぶべき点は多いと思います。

















経営者は、外部環境の変化に対応して、企業の存続・発展を可能とする内部均衡のしくみを示すことがそのミッションだと思います。危機に際して、社員が賭けても良いと考えられるシナリオを書けるかどうか?経営者の資質はここに極まれりと思うのですが、いかがでしょうか。

チェスター・バーナードが示したように組織の成立は、自由意思を持った個人が、共通の目的の下に貢献意思を持って集まることから始まります。未曾有の危機、百年に一度の危機といわれる今こそ、経営者は自分の言葉で、ビジョンを語るべきです。

日本人は極めて優秀な人材が揃っており、経営者が提示したビジョンやシナリオを判断する能力があります。社員を信じて、経営者は、その企業が置かれた状況に応じた最善の答えを出すことが求められています。

それぞれの会社により、自ずと正解は違うはずですから、<太字>その選択肢を縛るべきではありません。弱者救済やセーフティ・ネットの問題と経営の問題を混同しないよう冷静な対応を期待したいと思います。

2009年1月 7日 (水)

今度は派遣村に就活交通費支給だそうな・・・

厚生労働省は、いわゆる派遣村の陳情sign02を受けて、就職活動に必要な交通費の支給を約束したそうです。

新聞やテレビの報道によると、交通費だけでなく、臨時4施設の居住期限の12日以降の受け皿についても「体育館から体育館に移すようなことはしない」と明言したそうです。

派遣村から陳情にいったのは約100名だそうですが、どこかで見たような光景です。

報道も厚生労働省が明言したとのことで、舛添大臣なのか政務官なのか、主語がはっきりしません一官僚が勝手に言えるはずはありませんから、摩訶不思議ですsign02

今回の手当や住居の提供の法律根拠は何なのでしょう?
厚労省がやるのですから国の予算を使うわけで、根拠のない支出はできないはずですが、誰も指摘していません。

これはおかしいsign01angry

国の行政は、法律に基づき遍く公平に行われるべきものです。トヨタ九州の派遣切りで大量退職を出した宮若市や宗像市に派遣村はないですし、対象となった方たちに就職活動費や住居が手当されるなどという話は聞いたことがありません。

声のデカイ方が得をするくらいなら、硬直的な行政と謗られようと公平性を守ったほうがマシです。

総選挙を控えて、政治家も行政も浮足立っていますcoldsweats02。マスコミもポピュリズムに走って、批判精神を忘れています。

派遣村に集まった500人より、仕事始めに職安に行った12人を優先すべきだし、もっと言えば黙々と職探しに奔走する全国の同じ境遇の方を対象に施策を打つべきだと思います。


2009年1月 6日 (火)

今度は派遣村騒動ですか・・・


派遣切りの影響で年を越せない人々を救済するため、反貧困ネットワーク代表で弁護士の宇都宮健児氏を名誉村長に、年越派遣村が開かれ、マスコミを賑わせています。

これに舛添厚労大臣をはじめ、石原都知事、政務官、国会議員が絡んで、一大事になっているようです。

年越派遣村のホームページによると、入村者は499名、内宿泊者は489名だそうです。派遣切りは、昨年末で既に3万人を超え、年度末には8万人を超えるとする説もあり、500名に満たない派遣村をこうも一大事に取り上げる必要があるものかどうかsign02疑問に思うのは私だけでしょうかsign02

確かに労働法制をはじめ、セーフティネットの整備が立ち遅れていますし、憲法第25条で保障された生存権の理念が具現化されていないことも事実でしょう。

宇都宮健児氏をはじめ、ボランティアで炊き出しに参加された方々(主催者発表のべ1,692人sign01)の善意には敬意を表するものですが、何か違和感が残ります。

今後、マスコミの大本営発表sign02以外の報道がなされていくと全体像が把握できると思うのですが、少々先のことになりそうです。

新聞記事によると、派遣村では、75名の方が生活保護の申請を行ったとのことで、派遣村のホームページでも相談件数353件で230名の生活保護申請予定との記載があります。

一方、東京労働局が設置した「東京非正規労働者就労支援センター」の開設初日に相談に訪れた方は、午前中は2名に過ぎず、終日でも12名だったとのことです。

NHKの報道では、1000件以上の求人を準備して、6名の相談員が待機していたとのことですが、空振りだったようです。派遣切りは政府の無策により起こった政治災害だそうですが、どうなってるのでしょうかsign02

就労支援センターの開設は先月中旬には発表されていましたから、派遣村の主催者がご存じでないはずはなく、その選択が、新宿の就労支援センターではなく、千代田区役所の生活保護窓口となったことは何か必然があったのでしょう。

いずれにしても国の政策というものは、政治的プロパガンダやキャンペーンに左右されることなく、沈黙を守る人にも遍く行き渡る性質のものだと思います。

政策には良いものも悪いものもあるわけで、感情論だけではなく良い政策をしっかり評価し支持することも重要だと思いますが、いかがでしょうか。



2009年1月 4日 (日)

キャノンがやっていること

キャノンの御手洗社長は、90年代のリストラ時代に『人を活かす経営』『人を切らない経営』を標榜し、日本経団連の会長に登りつめました。左図に示す経団連モデルの体現者としての論功行賞だったとしか、今では言えないでしょう。

結局、派遣や外注のうえに『正社員という特権階級』を作っただけです。

以前のブログで、現行の法改正を突き詰めると、左図のようになってしまうことは指摘して来ました。逆に言いますと、コア社員と時間給社員のギャップを埋めることが経営だと言えると思います。中小企業のチャンスはここにあると思いますが、結果としての法制度ではなく、経団連をバックにそこに誘導した御手洗社長の責任は問われるべきでしょう。結果としての法制度に対応したのではなく、我田引水、自ら導いたのですから。

日本経団連のいうところの『雇用柔軟型グループ』を検証していきましょう。このグループについても、実は正社員を想定しているのですが、それを派遣や外注で具現化してしまった御手洗キャノンの大罪です。
終身雇用の社員であれば、賞与以下の事項は理解できますが、派遣や外注にこそ実は退職金が必要で、終身雇用なら要らないのです。賞与も払わず、2009年問題を回避するために、派遣を切り、期間雇用に切り替えることは、自ら示したモデルの自己否定であり、日本経団連の自殺行為だと思います。

ドルショック、オイルショックを乗り切り、80年代にJapan as �1に導いた日本の経営者の系譜はどこに行ったのか?
誤解を恐れずに言えば、日本人は選ばれし民だと思います。出でよ!日本の経営者!手を携えてやりましょう!

2009年1月 1日 (木)

あけましておめでとうございます。


あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情にあずかり、心より御礼申し上げます。
皆様のますますのご発展をお祈り申し上げますとともに、本年もなお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

年頭にあたり、本年のテーマを述べます。

『裁くことなく、ありのままを受け入れ、一歩前へ。』

�裁くことなく
労使交渉等、トラブル解決の過程で様々な方にお会いしますが、ついつい自分の価値観で相手を決めつけてしまうことがあり、大いに反省するところです。交渉は勝ち負けではなく、三つ目の最善策を見出すことだと肝に銘じたいと思います。

�ありのままに受け入れ
そこに不幸な現実があるにしても、ありのままに受け入れ、相手の立場に立って考えることができれば、必ず解決の糸口は見いだせると思います。
もともと私のMBTIタイプは、(外向)(直観)(思考)P(知覚的態度)、外界と接し方は価値判断(Judgement)ではなく事実をありのままに受け入れることを得意としていますから、得手に帆かけて行きましょうということです。

�一歩前進
古典落語でいうところの三方目出度とでもいいましょうか?相手側も含め関わり合ったすべての人が、交渉のテーブルを離れた最初の一歩を前向きに踏み出せるよう全力を尽くしたいと思います。損得や勝ち負けでは何も解決しないのですからsmile

厳しい現実の前では『初夢に過ぎない』と一笑されるかもしれませんが、夢は叶えるものsign01ですから、新年あたり思い描いたことに真摯に向きあって行きたいと思います。

2008年12月29日 (月)

経営者の皆さん、部下に信頼されていますか?


最近では、問題社員では言い表せない言わば『モンスター社員』に遭遇する機会が増えました。

彼ら彼女らの共通項は、自己中心的な思考強烈な権利主張ですが『日本人はいつからこうなったの?』と疑問を投げかけられます。 

戦後教育の申し子?の世代として、自省の念を込めて、少々振り返ってみたいと思います。

社員の問題は、その対局である経営者の問題であると思います。それはお互いを写す鏡のようではないでしょうか?

このグラフは、(財)社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所の2007年版『産業人メンタルヘルス白書』の資料です。

『会社の最高経営層に信頼を持っている』という問いに『はい』と答えた割合を示したものです。

戦後から高度経済成長の時代が終わり、オイルショック、ドルショックを乗り越え安定成長に移行した70年代。80年代初頭には国際競争力トップを背景に経営層に対する信頼も約6割と高いのですが。

プラザ合意に始まる急激な円高不況の到来を契機に、経営層に対する信頼度は下降を始めます。その後のバブル崩壊を通じ信頼度は4割を割り込んでいきます。失われた10年を経て底値安定shockです。

リストラや成果主義という名の下に行われてきた経営者の責任放棄的行動がこの結果を招いているのではないでしょうかsign02

三十年にわたる積み重ねの結果、『短期志向』となった労使関係が、経営層に対する信頼低下を招き、モンスター社員の出現を招いているのではないかsign02と思うのです。

いずれにせよ、経営者の方は、この問いを自問自答すべきときが来ているようです。

あなたは部下に信頼されていますか?

2008年12月 1日 (月)

冬季賞与で見直す自社の賃金水準

賞与や定期賃金改定の時季は、自社の賃金水準を検討する良い機会です。今どき定昇?賞与?』などと思わず、経営者は、他の企業の現況を確認し、自社の賃金水準=自身の経営力を真摯に問い直すべきでしょう。

左のグラフは、賃金構造基本統計調査を基に、福岡県の従業員10〜99名規模の企業に勤務する高校卒男性の所定内賃金(通勤手当除く)を、年齢を横軸にまとめたものです。

いわゆる中小企業平均といえる層で、標準生計費から算出したモデル賃金とも丁度重なるレベルですから、福岡県の中小企業のスタンダードと考えてよいと思います。


左のグラフは、上図と同じ条件でとりまとめた賞与支払の状況です。
夏季より冬季の方が少々多いのですが、ほぼ所定内賃金の1ヶ月分の水準で推移しています。

『苦しくても1ヶ月分はなんとか』と踏ん張っている社長の心意気と言いますか、頑張りを感じます。smile


左のグラフは、上2図と同じ条件で、年収ベース作成したものです。

もし、貴社の賃金水準が、これらのグラフを下回るものであれば、一面の評価ですが、経営力が他社に劣shockといえるでしょう。

雇用契約は、使用者がその対価=賃金の支払を約し、労働者がその指揮命令下で労務を提供することですから、『水準に満たない賃金』では『水準に満たない労働』しか得られないと考えるべきでしょう。

貴社の従業員が水準以上の仕事をしているのであれば、酷な言い方かもしれませんが、社長は債務不履行coldsweats02といわれても仕方がありません。

逆に『内はそれなりでいいよ』と社長が考えるならその企業に明日はないでしょう。

このような景況ですから、気持ちはあってもままならないこともあると思いますが、経営者なら悔しさをバネに盛り返していただきたいところです。

2008年11月24日 (月)

労働法制改革は既得権と向き合うことから

この連休の間、少し時間が取れましたので、ビデオに撮り貯めたニュースやドキュメンタリー番組を見ていますと、格差社会とワーキングプアの話ばかりで、勤労感謝の日としてはいかがなものかと思いました。

小林多喜二の蟹工船がブームになるなど、マスコミとしては、いわゆるウケるものをやるのでしょうが、昔あった「○○○残酷物語」みたいで進歩を感じませんでしたsad

本質の話がない現象面だけの低調な報道やマスコミの現状は残念shockですが、我々は前に進まなければなりません

そもそも新聞もテレビも規制に守られた既得権の固まりですから、事態が終わった後に、世の中が定まった後で後追いする輩ですから期待する方が間違っているのでしょう。

労働法制は、様々な規制と規制緩和が繰り返されて来たのですが、結局のところ、既得権に踏み込まずに行われたため、労働市場の流動化といいながら、そのしわ寄せは、ニューカマーである若年労働者と倒産や病気などのアクシデントに見舞われた方に行くことになりました。

財政改革といいながら、公務員機構に踏み込まず、無駄遣いを止めよう的な小手先を繰り返すのに似ています。

労働問題は、官vs民、正規社員vs非正規社員、年金受給者vs若年者といった既得権持つ者と持たざる者の対立の様相を呈しています。

労働法制の改革は、まず「解雇法制の整備」から始めるべきものと考えます。ここでいう解雇法制は、いわゆるセーフティネットを含んだ概念です。

労働基準法第18条の2に定める「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」との一般原則だけでは、実質解雇を禁じている状況では、ごね得を助長するだけで前向きな雇用創出などできるわけありません。

このままでは、労働法制改革の行き着く先は、一部の管理者(Manager)や極稀な仕組み作りができる人材(Schemer)の勝ち組と、それ以外の時間給社員からなる負け組を作るだけです。聖域なき構造改革とは?改革に伴う痛みとは?もう一度、考え直すときが来ていると思います。




2008年11月10日 (月)

「内定取り消し」の法律問題�




















内定とは、企業が卒業見込みの学生を採用しようとするときの慣行として、卒業後の正式な雇用契約の前にする通知です。これは、法律上、解約権留保つきの雇用契約が成立すると考えられています。

判例では、内定の取り消しが容認されるのは�内定当時知り得ない事実で、�客観的に見て合理的で社会通念上相当と是認できる場合に限られています。

実務上は、内定取り消し事由を就業規則に定めたうえで、内定通知や入社承諾書等でその事由を開示し、解約権留保つき雇用契約であることを明示します。

一般的な条文ですとこんな感じでしょうか。

第○条 採用内定者が次の各号のいずれかに該当する場合は、内定を取消し、採用しない。
(1) 採用の前提となる条件が達成されなかったとき(卒業、免許の取得など)
(2) 入社日までに健康状態が採用内定日より低下し、勤務に堪えられないと
会社が判断したとき
(3) 自筆の履歴書等の提出書類の記載事項に偽りがあったとき
(4) 採用内定後に犯罪、破廉恥行為その他社会的に不名誉な行為を行ったと
き又は、採用選考時に過去の行為を秘匿していたことが判明したとき。
(5) 第○条第○項に定める内定通知書の交付時には予想できなかった会社の
経営環境の悪化、事業運営の見直し等が行われたとき
(6) その他上記に準じる、又はやむを得ない事由があるとき

経営悪化による内定取り消しには、少なくとも(5)の文言が、内定通知や入社承諾書等に明示されている必要があります。
この記載があると内定取り消しが有効になるわけではなく、�内定当時知り得ない事実で、�客観的に見て合理的で社会通念上相当と是認できる場合でないと有効とはなりません。

この夏以降の経済変動は、確かにその影響の大きさやスピードから�には当てはまる可能性が大きいのですが、�は慎重に検討する必要があります。前述の内定者が受ける大きな損失を考えますと、取り消し企業側が是認される事由は狭く解されるべきです。

また、内定取り消しが認められた場合も、企業側が民事上の損害賠償を負うことも十分に考えられますので要注意です。

取り消された側からすれば、内定取り消しを容易く選択する企業に入社しなくて良かったと前向きに考えることも必要ですが、その対価の支払を求めることも十分に考慮に値すると思います。新卒採用を行う企業には、やはり大きな責任があるのではないでしょうか。

「内定取り消し」の法律問題�





















リーマンブラザーズの破綻に始まる金融破綻は、凄まじいスピードで世界中に波及し、昨年までは、「売り手市場」といわれた新卒の就職事情も一変させたようです。


 不動産、金融などをはじめ様々な業種で「内定取り消し」が出始めたようで、来春卒業予定の学生にとっては正に戦々恐々coldsweats02の状況です。我が家にも大学4年生がおり、卒論など学生生活の総括に入った長男の姿をみると、複雑な気持ちです。

 破綻する企業に入社して時間を無駄にするよりも、内定取り消しでリセットした方がいいと第三者的には思えるのでしょうが、「新卒」という特別扱いが受けられないことは大きな損失と言えるでしょう。 

">「新卒」は、職業経験が全く問われず、学歴による「新卒初任給」という恵まれた市場の最低賃金(時給換算高卒約900円〜大卒約1,100円)があり、育成の機会も与えられます。

これが「<太字>第二新卒」や中途の市場になりますと、実務経験がないと書類審査で門前払いされ、経験のないまま採用されると正に最低賃金(時給675円)+αの労働条件で、即戦力として結果が求められます。内定取り消しによる「新卒」の機会損失は余りに大きいのです

他方、今回の景気後退は、金融破綻、消費低迷、株安、円高とありとあらゆる要素が絡まった複合不況ですからあらゆる業種で内定取り消しが発生する恐shockがあります。錦の御旗が立っている状況で、安易に便乗する企業が出てくる懸念があります。

内定取り消しに至るのは労使ともに痛恨事ですが、無用なトラブルが起きないよう法律的に整理してみたいと思います。

2008年11月 7日 (金)

不況感高まる。同友会景況調査から。

2008年7月〜9月期の中小企業家同友会景況調査がまとまり、内容を見ますと、米国の金融破綻に端を発する複合不況が予想を上回るスピードで波及していると感じました。

正規従業員数DI(「増加企業」−「減少企業」割合)は、前四半期の0→△1と遂にマイナスに転じました。

臨時・パート・アルバイトDIは、急激に悪化し△6となっています。

所定外労働時間DI△16となり、生産活動の縮小が伺える状況となっています。

人手過不足感DI(「過剰企業」−「不足企業」割合)は、前四半期の△4→△8と急激に悪化しています。

これは、急速な不況の伝播に備えて、企業が再び雇用調整に舵を切ったことを物語っています。

バブル崩壊以降最大の経営危機が訪れようとしています。危機乗り切りの手法として安易なリストラを行った企業がどのような末路を辿ったか?もう一度、確認する必要があります。逆風でも前に進むヨットには力学の裏付けがあります。マネジメントの出番だと思っております。







2008年11月 4日 (火)

社会保険労務士制度40周年ですが・・・

お陰様で社会保険労務士制度が発足して40周年を迎えました。

思えば、開業前後に30周年の催事があったのを記憶していますが、十年なんて早いものですね。

今回も11月8日(土)にキャンペーンが企画されており、KBCラジオの冠番組や無料相談会が催されますので、ご視聴、ご参加お願いします。

このビラは、福岡県社会保険労務士会が作成したもので、会員(社会保険労務士登録者)向けのためか、日付が入っていませんでしたので、手書きで書き加えました。

福岡県社会保険労務士会と申しますのは、社会保険労務士法(以下、社労士法といいます。)第25条の26で、各県毎に設置をすることが定められています。

設置目的は、同条第2項に、「会員の品位を保持し、その資質の向上と業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行ことを目的とする。」と定められています。

社会保険労務士登録をすると入会が義務づけられており、月々会費を負担する他、支部会費等の名目で費用負担をしていますshock

このビラを見ていただけば一目瞭然かも知れませんが、かなりトホホshockな団体でして、滅多に行くこともないのですが、「職員がなんでこんなにいっぱいいるのsign02」という感じの暇そうな事務所です。

一種の業界団体ですから「盲腸」みたいなもので仕方がないのだろうと思っていましたが、今回、いわゆる問題社員ウィルスに感染し盲腸炎」を発症したsign02ようです。

事件の詳細は後日明らかになると思いますが、労務管理のプロのはずの社労士の元締めがこの為体はお恥ずかしいばかりですshock

盲腸は切ればよくなりますが、この盲腸は法的には必須ですから切るわけにも行かず、会員の自浄努力で改革していくしかないのでしょう。私自身の日頃の無関心を反省しつつ、何かできることはないか?と考え倦ねておりますsad


2008年10月28日 (火)

2008年冬季賞与予測

中小企業の賞与の予測は中々に難しく良いものがないのですが、リザルトコンサルティング代表の神田靖美氏は、いつも的確な分析をされておられます。

同氏は、労働組合のある中小企業(300名未満)の冬季賞与は、前年同期比0.3%減の48万円弱となると予想されておられます。

�金融危機の影響 
�景気後退のトレンド
�原油価格のバブル崩壊
�雇用不安

等の状況を分析されたうえで、経営者の将来見通しが暗くなることはやむを得ず、企業業績も減収減益で、原油価格の下落の効果もまだ現れないことから、ダウンサイドでは前年同期比2%減程度まではあり得るとされています。

同氏の予想が今月初旬時点のものですので、90円sign01に迫る円高や一時7,000円sadを割り込んだ日経平均など、ここまでの急速な悪化を折り込んでいないと思われますので、更なる減額は避けられないと思います。

特に労働組合のない中小・零細企業にあっては、過去の業績よりも今後の資金繰りdollarの方が大きな関心事ですから、経営者のマインドの冷え込みが賞与に暗い影を落とすことになりそうですshock



2008年10月24日 (金)

定年延長で変わる退職金


前回、賃金プロフィールについて述べました。

その前提となっているのは60歳定年制であり、平成18年の法律改正による65歳までの雇用義務づけ=実質65歳定年制を前提にするとまた違ってきます。

60歳以降の賃金が生産性に見合うものにならない限り、上図でいうところの回収不能が発生することになります。

これは賃金制度としては、折り込まれていない老後保障であり、企業には大きな負担となります。

投資回収A≧先行投資P+後払い精算Bが成り立って初めて未精算分を退職金として支給できるわけで、60歳としても難しいバランスがあと5年伸びるのですから困りものです。

企業の規模に関わらず、厚生年金保険料を負担しており、社会保険料等の負担は2017年度には、人件費の16%shockに達します。そのときの厚生年金保険料率は9%ですから、賃金の約1割は、後年度負担のため、強制的に天引きされている格好です。

旧来からよく言われる退職金の性格付けは、次の三点です。
�功労報奨金(主に経団連等財界の主張)
�賃金の後払い(主に労働組合の主張)
�老後の生活保障(社会的要請)

�は、投資回収A≧先行投資P+後払い精算Bが成り立つ場合に支払うとするもので、キャッシュからすると正解でしょう。

�は、何とか60歳までなら持ちこたえたかも知れないですが、65歳定年の世界では成り立ちません。

�は、社会保険負担に喘ぐ中小企業にそこまでの責任を負わせるのは酷というものでしょう。そもそも退職金は、年金制度など老後保障がないころの産物で、年季奉公→のれん分けをそのルーツとしているとの説があるくらいですから、実情に合っていません。

中小企業のとるべき施策としては、次の三点です。
�社会保険料の適切な負担
�退職金を功労報償として位置付け
�60歳以降の時価賃金化

対応が遅れると命取りだと思います。

2008年10月22日 (水)

ライフサイクルから見た賃金プロフィール


研修報告で賃金プロフィールの話が出ましたので、少々、まとめて置きたいと思います。

上図では、縦軸に生産性(貢献度)・給与、横軸に時間(ライフサイクル)をとっています。

緑線が給与水準を表しますが、ライフサイクルによる生計費を考えますと、右肩上がりの曲線を描くことになります。貢献度0でも、初任給の世間相場を反映し、賃金は支払われることになります。

他方、生産性貢献度は、青の鎖線のような曲線を描きます。新人の貢献度0から始まり、習熟を反映し、賃金曲線よりも立ち上がりの傾きが大きく、途中から寝る形です。

若年層での教育投資を、中堅層で回収し、上回った生産性貢献度を原資にして、高齢層のところで精算することになります。

賃金総額=投資回収A−先行投資P−後払い精算Bとなっていれば、バランスの良い賃金プロフィールと言えます。

この考えからしますと、退職金原資は、投資回収A>先行投資P+後払い精算Bとなっている場合に確保されることになります。このバランスが崩れている場合に、退職金を払おうとすると現役の社員にしわ寄せが行くことになります。このことは昨今の年金問題とよく似たところがあります。

実際には、教育の先行投資や後払い精算を十分に行わない経営者coldsweats02や損益分岐点に達しない含み損人材shockもおり、中々このバランスをとることは難しいのが実情でしょう。

時価主義賃金を標榜する会社もあるようですが、未来が勝負の中小企業にとっては、極めて不利な考え方だと思います。成功者なら金に任せて老舗寿司屋で旨いものを時価で食べるで良いのでしょうが、修行中の身ならそうはいかないでしょう。

安く仕入れて高く売るのが商売の基本だとすると、人材マネジメントにも同じことがいえるのではないでしょうか?中小企業には、労使の未来傾斜による先行投資が勝負になります。

ここで投資されるべきは、金銭でなく機会とそれを活かすために必要な時間だと思います。時間を買うのもお金だsign01sign02、との批判も聞こえてきそうですが、このパラドックスは腹を決めて受け入れていかざるを得ないと思いますsmile

2008年10月21日 (火)

景気の潮目が変わる実感















今月で開業して丸九年が経ちました。開業元年の1999年は、バブルの後遺症が癒えず、決して容易な時季ではなかったと思いますが、無謀といいますか、怖いもの知らずといいますか、よくも踏み切ったものだというのが率直な感慨です。

いわゆる小泉改革により、不良債権処理に目処が立ち、「格差社会だ!」「弱者切り捨て!」等々、毀誉褒貶はあるものの景気拡大が続いたことも事実と思います。

かく言う私も「実感無き景気拡大」と思っていましたが、今夏以来の経済縮小の場面を目の当たりにしますと妙に「実感した」次第ですshock

帝国データバンク東京商工リサーチなどの民間調査期間のデータも如実に物語っています。左のグラフは、帝国データバンクがまとめた倒産件数の推移です。着実に増大傾向を示しています。
















このグラフは、同じく帝国データバンクがまとめた倒産会社の負債総額で、本年度になって顕著に増大しています。これは、建設業や不動産業の上場会社が破綻したことが響いているようですが、2〜3年前、ミニバブルと言われた福岡の不動産にも深い影を落とすことでしょう。


東京の景気が福岡に波及するのに、以前は良くも悪くも2〜3年掛かるというのが実感だったと思いますが、今回の景気後退は、ほぼ同時に起っている感があります。特に建設業は、建築確認の遅れによる官製不況を脱したと思ったら、案件そのものが消滅して、完全に水面下で我慢比べの状況でしょう。運送業も燃油高騰で体力を消耗したところに、景気後退の逆風が吹けば企業存続が危ぶまれます。

幸い顧問先企業は、イケイケの若手経営者が多く、有り難いのですが、難しい局面を迎えることは否めないでしょう。中小企業では、景気下降局面こそシェア拡大の好機ですが、90年代後半以降の経営者は、徹底したコスト削減で業績を伸ばした方が多く、経済縮小とコスト上昇が同時に起る局面での経営は未知数です。

開業当初、セミナー等で申し上げ続けたことですが、経済・経営・組織に関する三つのマインドの転換を、今一度、ご確認いただきたいと思います。

2008年10月10日 (金)

第三者委員会、日給23,000円也!


年金記録確認第三者委員会は、年金記録の確認について、社会保険庁側に記録がなく、ご本人も領収書等の直接的な証拠を持っていない方々のために、ご本人の立場に立って、様々な関連資料及び周辺事情に基づいて、記録訂正に関し公正な判断を示すことを任務として発足しました。

都道府県毎に地方第三者委員会なるものが設置されますが、我々と同業の社会保険労務士が臨時職員として採用されています。

その日給は、23,000円です。役所の稼働日で考えますと、年収換算で約550万円になります。

賃金構造基本統計調査によりますと、登録はしているが開業せず企業に勤務する社会保険労務士の年収は約450万円ですから、臨時職員ということを考えますと、それなりの水準なのかもしれません。

納得いかないのは、このコストを誰が負担しているのか?ということです。厚生労働省の役人や自治労が払っているとは聞いたことがありません。

犯罪行為を行っても辞めれば終わる公務員では信頼できるはずもありません。

公務員は公僕だから、召使いの責任は雇い主である納税者が取るという論理は、彼らの長年やってきた不遜な態度がある限りは正当化されないでしょう。

やはり「納得いかないsign01angryと言わざるを得ません。

2008年10月 2日 (木)

業務上横領への対処


今日は、公正証書を巻きに博多公証役場に行ってきました。

業務上横領した社員の債務弁済を確実にするため、公正証書を作成するのですが、不正をした本人には弁済する資力も意思もありませんshockから、できるだけ多くの関係者を連帯保証人として巻き込む必要があります。

業務上横領は、現金に手を付けるものから在庫の横流し、不正なバックマージンなど様々な形態がありますが、刑法第252条に定められた犯罪です。
罰金刑はなく最高懲役10年ですから、告発されれば確実に逮捕、収監される重罪です。

民事的には、会社は、民法第709条により損害賠償請求権を有し、就業規則により懲戒解雇処分が可能となります。

業務上横領への対処については、頭を悩まして来ましたcoldsweats02
「罪を憎んで人を憎まず」といいますし、指導者の心得として「三つ子の魂、四つまで」という矜恃もありますから、「三つ子の魂、百まで」の現実との狭間で揺れていました。

「更正の機会」といいますが、余りの再犯率の高さに挫けてしまいます。社会全体(マクロ)で考える場合と単体企業(ミクロ)で考える場合では180度違う答えになると思います。

会社(単体企業)としては、被害の保全を図った上で、速やかに排除すべきです。言うまでもなく会社は営利企業であり、横領犯を更正させるコストとリスクを引きうけるべきではありません。

横領を行うほとんどの社員の動機は、浪費癖、ギャンブル、異性との遊興費等、ルーズな性癖に根ざすものであり、職場で矯正できる性質のものではありません。

「汝、右の頬を打たれたら、左の頬を差し出せ。」とは聖書の言葉ですが、左の頬を差し出したりしたら、袋だたきにされかねません。可能性を信じることとビジネス上の判断は別問題です。

これは自戒の念を込めてですが、間違っても業務上横領を働いた社員の「心を改めて出直します。働いてお金もご恩も返します。」などという真っ赤な嘘にのらないことです。angry


2008年9月23日 (火)

暗黙知?社長の憂鬱

「違うんだ!そうじゃないんだ!分からないかな?」
「こんな感じで、ドカーンと行ったらドンピシャはまるんだよ」
というのは、ある社長の口癖です。

事業計画好きで会議好きのこの社長は、会議中に煮詰まると「違うんだ!」と始まって「ドンピシャはまって」しまいます。社員の方は、いつものことが始まったと「見ざる言わざる聞かざる」を決め込みます。長い会議の終わりの始まりの合図とでも思っているのでしょう。

社長ですから、ビジネスでの成功体験をお持ちなのですが、なぜ成功したのかを分析せずにイメージで捉えられているようです。「仕事は言葉にできない」と暗黙知を強調するあまり、形式知にできることまで言葉にしない傾向があるようです。

「価値観教育」や「場の共有」を旗印に、拘束時間が長くなったりshock、頻繁に飲みニケ―ションを行うcoldsweats02ことで、ますます社員のモラールを下げる結果winkになっています。

若手の社員は、まだ成功体験がありませんから、「ドカーン」も「ドンピシャ」も分かりません。「違うんだ!」というなら正解を言ってくれ!となります。

担当者である彼ら彼女らにしてみれば、今日行うべき具体的かつ効率的な業務指示を求めているわけで、社長の遠大な夢など関心はありません。残念なことですが、社長の夢が意味を持つのは、その指示に従うことが、成功への指定席特急券だと信じられる場合だけです。

社長の言い分としては、こうかもしれません。
「ビジョンを示すのがトップの仕事。現場の仕事は幹部社員の領分だろう。」

確かに幹部が育っていればそのとおりですが、この手の社長の下で生き残った幹部は、「場の共有」というよりも「とにかくその場にいた」というタイプの方が多く、実際に戦った社員は転職するなり起業するなりして居なくなっているものです。

この偽幹部は、イメージも持たず、さりとて具体的な指示も出さず、部下を盾に弾を避けるのが上手という最低の手合いなのですが、社長にとっては、成功体験への甘い追憶に繋がる「苦楽を共にした社員」と映るのですから始末に負えません。

若手の社員を幹部に育てたいと本当に思うなら、自らの成功体験を形式知化し、具体的な業務フローに落とすことです。これはビジネス初心者の彼ら彼女らにとって、何物にも代えられないロードマップとなり、彼ら彼女らを最初の小さな成功に導くことでしょう。そのとき彼ら彼女らは、マニュアルがすべてでないことを体感することになります。

また、専門職の身としては、若い方が知識レベルが高いことを痛切に感じます。自分にこの新しい知識を取り込むには形式知←→形式知の「連結化」のプロセスが不可欠です。
また、知的社会では、社員に賃金を払うだけでは「ギブアンドテイク」が成立しないことを肝に銘じるべきでしょう。

「ここから先は言葉にならない世界」を共感し、創造する組織を目指すなら、社長は、進んで処方箋を示さなければなりません。社長にとっては、一度は通ってきた道の筈です。面倒がらずに、分かりやすい言葉に替える努力をされてみてはいかがでしょうか?
 

2008年9月16日 (火)

これで良いのか派遣法改正?日雇い派遣原則禁止で何が変わる? 


労働者派遣法改正で厚労省が素案を発表していますが、今回は「日雇い派遣原則禁止」除外業務として18業務が公表されました。元々、この秋の臨時国会に提出し、成立させるはずだったのですが、衆議院は解散風が日増しに強くなり、見通しは不透明になりました。良い機会なので、この素案を検討してみたいと思います。

主な改正点は次の通りです。
1.日雇い派遣は原則禁止する
一日単位の派遣禁止だけでなく「30日以内」を禁止対象にしており、認めても問題が生じない?とされる下記の18業務が除外業務とされています。
�ソフトウエア開発�機械設計�事務用機器操作�通訳・翻訳・速記�秘書�ファイリング�調査�財務処理�貿易取引文書作成➉デモンストレーション�添乗�案内・受付�研究開発�事業体制の企画立案�書籍等制作・編集�広告デザイン�OAインストラクション�セールスエンジニア、金融商品の営業

 2.「グループ内派遣」(いわゆる専ら派遣)は、派遣数全体に占める専ら派遣の割合を8割以下とする。

 3.偽装請負や二重派遣などの違法行為が発覚した場合、派遣元だけでなく、派遣先企業の責任も問うこととし、労働局が派遣先企業に対し、それまで以上の労働条件で直接雇用するよう勧告できる。

 フルキャストやグッドウィルグループなどの乱脈経営がもたらした規制強化策ですが、これで雇用状況はよくなるでしょうか?厚生労働省は、制度自体を規制すれば責任を取ら
なくていいわけで目出度し目出度しでしょうが・・・。
 
 元々、派遣業法が規制緩和に大きく舵を切ったのは、日本の労働市場の過度の硬直性が経済のダイナミズムを阻害していると考えたからではなかったですか?この硬直性という言葉は、既得権者の牙城を崩すということに置き換えられると思います。
 
既得権者と持たざる者と対立は、労働市場においては「正社員vs非正規社員」、年金問題においては「払った以上にもらう老人vs払っただけももらえない若者」といった世代間抗争化するなど、様々な場面で見られます。 
 
 このまま日雇い派遣禁止や規制強化を行っても「日雇い労働」自体はなくならないし、企業の直接雇用が増えるはずもないばかりか、今まで派遣会社という「芸能プロダクション」コーディネイターという「マネージャー」の支援を受けられた日雇い労働者が全くの「ピン芸人」coldsweats02として労働市場に放り出されるのですから、惨状は容易に予想できます。

 私は、情動的なリアクションで規制強化するより、既得権の見直し=流動化を進めるべきだと考えます。そのためには、次の施策が進められることを望みます。

1.社会保険、労働保険の未加入など法令違反の不正競争を許さない。
2.事実上解雇禁止とする解雇権濫用法理を廃し、解雇法制を確立する。
3.労働条件の不利益変更法理の曖昧さを廃し、労働契約法を実効性のあるものとする。 


以上のことが少なくとも確立されれば、市場原理万能ではない「流動化」が見えてくるのではないでしょうか?
 

2008年8月31日 (日)

チームワークを乱す社員、埋まらぬ溝�


こういう方の履歴書をみると、新卒採用された会社も2年保たず、その後も派遣や契約社員で1年に満たない退職を繰り返しています。面接では「自分は出来る」と主張するものの蓋を開けてみるとギャップが甚だしいとなります。本当の職業経験がないから当然です。

「何となく周囲とうまくいかない」のですが、理由が全く分からない。自分に原因があるなどとは露ほども思っていません。これも一種の悲劇と言えるでしょう。最初の会社で「厳しい育成」の機会があったなら?と思うのですが、バブル崩壊後の企業の状況では無理からぬことのようにも思います。上司や同僚も多忙で育つかどうかも分からない「戦力外」の人物に関わっている暇があったら、自分でやった方が早く、仕上がりも良いのですから、ある意味、至極合理的選択です。

「君子危うきに近寄らず」ですから入社させなければいいのですが、「猫の手も借りたい」中小企業では無理な話で必ず入ってくるわけです。「安く仕入れて高く売る」のが商売の常道ですから人材も同様でしょう。問題が発生したら解雇では大きなトラブルになり、時間もお金も掛かり何の良いこともありません。

経営者や上司の方には、悲劇を繰り返すことがないように、「言いにくいこと」を言って欲しいと思います。「ミスが多い」「協調性がない」ことを具体的な事例を挙げて指摘して欲しいと思います。仕事に即したことですから、全人格を否定するわけではありません。「割り切って」解雇するのではなく、「腹を決めて」育成して欲しいと思うのです。

その結果、彼や彼女が改善できず、結果、解雇や退職で終わっても、トラブルは起りません。そこには少なくとも「初めの一歩」があるはずだからです。万が一、トラブルになりそうなら連絡下さい、綺麗に捌きますからsmile

はじめに戻る

チームワークを乱す社員、埋まらぬ溝�


問題社員が、あっせんや調停、労働組合等を通じて行う主張は、「sign02」の連続です。同僚社員が申告した事実関係について全くといってよいほど認識がないのです。申し立て文書の内容だけでなく、実際に面談しても変わらず、事実を指摘しても理解できない様子で、「そんなことなら言って貰えばよかったのに。winkと何ともトンチンカンな答えが返ってきたりします。

個別労使交渉をするようになった当初は、「交渉戦術」なのだろうと思っていました。そうでないとしたら、「都合の悪い真実」から自分を守る一種の防衛本能みたいなものだろうと思っていました。しかし、最近では、問題社員は自分のミスに本当に気づいていないのではないか?と思うようになりました。

仕事に取り組まれる方ならどなたでもお分かりいただけるのではないかと思いますが、「仕事は小さなミスとリカバリーの連続」といえるのではないでしょうか?ベテラン社員が若手社員に「犯したミスを自分でリカバリーできたらそれはミスじゃない。」とアドバイスされる場面がありますが、そこに深い意味があるように思います。

問題社員は、そもそも気づかないからミスを連発するのではないでしょうかsign02指示された仕事の範囲で自分にできることまでしかしない、つまりは仕事を自分で完遂した経験がないのです。本人が知らないうちに、上司や先輩、同僚がリカバリーするのが常態化して「気づき」の機会を持てないまま、全体感などさらさら縁がありませんcoldsweats02

つづく

チームワークを乱す社員、埋まらぬ溝�


 10名に満たない事業場にとって、チームワークを乱す社員の存在は、非常に大きな問題です。少数の社員でマルチタスクを行う日常から、コネクトワークとでも言うべき濃密な協業が必要とされるからです。鎖で繋がれた小舟の船団のようなもので、一隻が沈めば全船沈没coldsweats02です。

 このような問題は、大きな失態を契機に耐えられなくなった同僚社員が、申告することで顕在化します。それまで、社長も少々折り合いが悪いのだろう程度には感じているのですが、仕事ではままあることで重視していないことが多いのです。

 申告した社員は、問題社員の行状について、「そこまでsign01sign02」と社長も驚く事実を上げてきます。相談事例から共通項を上げていきますとこんな感じです。

�信じられないような簡単なミスを連発する。
�ミスをしたことにすら気づかない。
�注意すると「逆ギレ」するので改善も期待できない。
�暴言を吐いたり、書類を投げつけたりするなど、感情の制御ができない。
�「できない」「時間がない」等を理由に仕事の分担を拒否する。     等々  

 由々しき事態と気づいた社長が、他の社員からも事情聴取しますと、堰を切ったように話し始めます。内容は申告社員と同様かそれ以上のことも多く、結論は「これ以上、一緒にはやれない。angryとなります。

 ここまで来ますと、社長も自分の船団が嵐の只中にあり、一隻を切り離さないと全船が沈没すると悟り、慌てて断を下すことになります。伝家の宝刀「解雇権」の発動です。

緊急避難として性急に行われるとトラブルは避けられませんが、今日は事業主の問題としてではなく、まずはチームワークを乱す社員と同僚の間の認識のズレに着目したいと思います。

つづく

2008年8月29日 (金)

運送事業者、社保未加入で最長60日の乗務停止


7月1日施行の既存運送業者行政処分基準によりますと、社会保険等の未加入の運送事業について、20日車〜60日車の使用停止処分を行うこととなりました。

適正化事業実施機関の巡回指導で社会保険等の未加入を確認すると「改善指導通知書」を出し、その後、3ヶ月以内に「改善結果報告書」の提出がないと運輸支局に通報されます。

運輸支局では、国による監査、社会保険等の関係機関に照会し、未加入と回答されると、事業の健全な発達を阻害する競争の違反として行政処分を行うことになります。

ガソリン高騰で青息吐息の中小運送事業者にとって死命に関わる事態といえます。

運送事業者の26.1%が社会保険等に未加入と言われており、中小においては、労災は加入しているものの、雇用保険では少々怪しくなり、厚生年金、健康保険に至っては限りなく黒に近い灰色なのが実情ではないでしょうか。

社会保険等に未加入ですと、正常化すると15%の人件費アップになり、とても短期日で吸収できるものではありません。事業開始当初から加入し、折り込んでいないと無理です。

何とか、コストアップを吸収できたとしても、今度は人材確保の壁が待っています。中小運送事業で働く方には、いわゆる「ワケあり」で、社保加入による手取りの減少を嫌う方も多いのです。こういう方は、社保加入を適正化すると、他社に渡ることも多いのです。その抜けた穴を新人で埋めようとしても若年労働者の運送事業離があり、そう簡単には行きません。

バブル崩壊後の長期にわたる流通コストの削減は、排ガス浄化等の規制強化と相まって、運送事業の疲弊を招いており、それは従業員の処遇の低下に直結しており、当然の成り行きかも知れません。

そうはいっても生き抜かなければなりません。我々も問題解決に貢献できると思います。お困りの方はご相談ください。


2008年8月27日 (水)

辞めたらすむのか?公務員汚職


今月25日、北九州市教育委員会の女性職員が、不要な切手を購入・換金等したとして停職三ヶ月の懲戒処分を受け、依願退職したとの記事がありました。

「生活苦」のため一時換金したそうですが、他にも自宅に切手や帳簿、任意団体の会費まで持ち帰っていたそうです。

20万円以上の切手が現物である必要など何処にもないと思いますので、市役所の組織や管理者にも相当問題があると思いますが、上司は戒告止まりの名ばかり処分です。

公務員の地位を利用して不正に利益を得るのは立派な犯罪です。流用したり使い込んだお金返すは当たり前ですし、反省するのも当然です。

依願退職を認めたということは、退職金は満額払ってることですよねangry。まるで盗人に追銭状態ですcoldsweats02

彼女が扱っているのは公金=税金であり、公僕となることで終身身分を保証された公務員が犯した犯罪です。

中小企業の主任がやったわけでわないのです。人事考課もなく年功序列の右肩上がりで50歳の主任がもらっている給料は、中小企業の幹部社員に引けをとらないはずです。

共済会をはじめ福利厚生てんこ盛りでsmile、「生活に困ったcoldsweats02」とはどういう言い訳か?と思いますangry

お金も返し「ご迷惑をかけて申し訳ない」と反省して退職したからいいだろうというのが御上の流儀なのでしょうが、当たり前のことをしても何の償いにもなりません。

公務員は不正や汚職をしても中々名前が公表されません。彼女らは業務遂行上行った不法行為については公人であり私人として配慮は全く必要ないのにです。個人情報保護法は、汚職公務員のためにある法律ではありません。

不正をしたら依願退職すればいいのなら、定年前の職員は不正のやり放題ですwink。使ったお金を返すだけならノーリスクでしょsmile?ばれたらちょっと運が悪いだけですかcoldsweats02

こんな例があるから、職務上の不正や破廉恥行為などで責任を問われた社員の懲戒処分が甘くなるのです。罪を憎んで人を憎まず」といいますが「罪と罰」の命題が解決されないと、秩序は維持できません。



2008年8月20日 (水)

中央最低賃金審議会答申固まる。福岡県の最低賃金は675円前後に。

中央最低賃金審議会は6日、2008年度の地域別最低賃金額改定の目安について舛添厚生労働相に答申しました。審議では労使の意見が一致しなかったため、公益委員見解を地方最低賃金審議会に提示することになりました。

上図のように47都道府県を4ランクに分け答申されており、福岡のCランク(10円)を除き、九州各県はDランク(7円)の引き上げとなっています。
 
審議会はこのほかに、今年7月施行の改正最低賃金法の趣旨を踏まえ最低賃金額が生活保護を下回る12都道府県については、その乖離額を示した上で原則として2年以内に解消するよう求めています。
 
昨年もそうでしたが、最低賃金の決定額は中央最低賃金審議会の答申を上回っており、福岡県においては、現行の663円から675円前後に落ち着くのではないかと考えています。

フルタイムで働いたとして、月収11万〜12万円、年収で約140万円といったところでしょうか。福岡県の単身世帯の標準生計費は、税金・社会保険料等の加味した負担費修正ベースで月額112,382円ですから、やっと上回った水準といえます。

同じく4人世帯の負担費修正標準生計費は266,701円ですから、年収にすると約320万円で、最低賃金で働くとすると夫婦フルタイムの共働きをしたとしても到達しません。

格差社会やワーキング・プアが社会問題化する中で、最低賃金については、様々な角度からの見直しや提案が行われています。最低賃金の上昇は、賃金全体の底上げを意味し、中小企業にとっては、人件費増大に直結します。

社会保険料上昇、時短や未払い残業などと並んで頭の痛い課題ですが、乗り越えていかなければならないわけですから、賃金再設定、抜本的な対策が必要となってきています。一緒に解決策を考えて行きましょう。

最低賃金の確認法はこちら

2008年8月10日 (日)

中小企業の賃金水準

このグラフは、日本経団連「春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果」のデータを基に作成しました。

日本経団連の資料となる企業ですから、いわゆる中小企業の実態を表しているかどうか、議論があると思いますが、傾向を見る上では、信頼できるデータではないかと思います。

中小企業の賃上げは、2003年を底にして緩やかなながら上昇に転じています。2008年の賃上げ実績が4,199円(1.65%)ですから相変わらず低水準に違いはありません。

大手企業の2008年実績は、6,271円(1.95%)となっており、率的にはそう違わないものの、基礎額の水準の違いから、中小企業の賃上げ額は、大企業の三分の二程度となっています。

ここ数年、景気拡大の反面、消費者物価の安定により、ベースアップの必要はなく、大手企業は「我が世の春」だったかもしれません。

中小企業においては、景気拡大の実感もなく、自社の生産性向上は、社会全体のコスト削減の波に飲み込まれて、賃上げ余力がないのが実情でしょう。

ここに来て、原油高、原材料高に由来するインフレが懸念され、景気減速が予測される状況となりました。

中小企業は、様々な問題を抱えていますが、賃上げ圧力が掛かることにより、吹き出す可能性があります。

バブル崩壊後の賃金上昇抑制により、中小企業では、業績を現場で支える30代の賃金が生計費を賄える水準に達していないことも多い現状があります。

また、40代に差し掛かった創業社長の多くは、デフレ経済下でコスト削減により業績を伸ばして来た方が多く、インフレによるコスト増大に対処した経験がありません。

この世代の社長の腹心、いわゆる番頭さんは、30代であり、空白の10年を駆け抜け、一種の踊り場に立っていると言えます。

もともとマンパワーの結集で成長した企業が多いわけですから、30代の処遇に成功するかどうかが、生死を分けることになるでしょう。






2008年8月 6日 (水)

面接で受けた質問


面接を開始しました。

人材紹介会社を介してお会いしたのですが、皆さん粒ぞろいで、私どもには過分の人材のように感じました。

ハローワーク経由の人材とはかなりレベルが違います。三割職安と言われて久しいですが、助成金を作っては我田引水をする暇があったら、本来の補完機能に徹し、民業に手の及ばない業務に特化すべきでしょう・・・閑話休題。

猛暑の中、足を運んでいただいた方には、大変、感謝しています。出会いに感謝です。

面接では、事務所の説明を簡単にした後、応募者の方に質問をしていただくことにしています。

こちらから質問して答えていただくより、ずっと応募者の方の人となりが分かるからです。また、仕事柄、質問する力が重要なこともありますが・・・。

今回は「御社では何を一番重視されますか?」という質問があり、お答えした後もずっと考え込んでいます。これは、ある意味いつも考えていることでもありますが、正確に答えるとなると中々難しい質問でもあります。

私どものミッションは、「中小企業の人事・労務管理の確立」に尽きます。

企業数や就労人口でも8割超を締めるにもかかわらず、中小企業に相応しい雇用ルールは確立していません。外部人的資源として、その確立を経営者と一緒に取り組みたいと思っています。

それは一朝一夕ではできません。給与計算や社会保険・労働保険の手続きなどのルーチンをこなしながら、離れず側にいて企業に訪れる春夏秋冬、照る日sun曇る日cloudrainを体感しなければなりません。「その時」がやってきたとき、一番の相談相手である必要があります。

長期戦を覚悟の仕事ですから、「じっくり取り組んでいく姿勢」が重要となります。知識レベルは問題ではありません。ミッションが共有できれば、知識は時間が解決します。

専門職の世界は、範囲が狭い分、掘り下げの度合い、実務習熟のスピードが桁違いですから、密度の濃い時間が流れます。そうは言いましても、経営者と渡り合えるレベルになるまでには、やはり相当な時間が必要です。

ミッションを共有できれば、濃密な時間の中で、真のキャリア形成ができるはずです。時間を掛けてじっくり取り組むことが重要です。「スローキャリア」を合い言葉にしていきたいと思います。

答えになってますかsign02

2008年8月 4日 (月)

新卒採用へ


これは事務所の窓辺に植えた向日葵です。6月に植えましたからギリギリですが、しっかり育っています。

個体差があって、早く伸びるのあり、十人並みあり、植え替えたものありで様々ですが、人や組織にも共通の思いがあります。

植物との対話は、ある種無機質な感もありますが、時の経過に真っ直ぐな姿は、北極星shineのように平常心を呼び戻してくれる気がします。

来春から新卒採用に取り組みたいと思っています。

以前は新卒、中途に拘らず採用してきましたが、特に学卒新卒については、一生に一度のチャンスですから、それに応える自信が私には正直ありませんでした。

専門職ということもあり、新卒者にそこまでの決意を求めることは酷だという考えもありました。専門家と言われることは、ある意味「欠ける」ということですから。

再び新卒採用を開始するのは、私自身が学卒25年経ちそのキャリア形成を振り返るとき「スローキャリア」の重要性を感じ、これを実践・体現することが、中小企業の人事・労務管理に資すると考えたからです。

一匹狼と思って生きてきた私が、振り返れば多くの上司、諸先輩に支えられてきた事実があります。その方たちには感謝こそすれ何のお返しもできません。それは将来に、後から来る方に、返すしかないと思っております。

来春は準備不足でしょうが焦らずやっていきたいとおもっておりますsmile


2008年7月27日 (日)

「合同労組」に駆け込む理由

最近、いわゆる合同労組と交渉するケースが増えました。「合同労組」とは、団体名に「一般」や「合同」を付したり、「○○○○ユニオン」を名乗っている団体です。

解雇をめぐるトラブルが発生し、それまで労働運動にまったく参加も関心もなかった従業員が駆け込むケースがほとんどです。個別労使紛争の三分の一が、解雇・退職勧奨をめぐって起っていますから、解雇トラブルが多いことは当然なのかもしれませんが、少々疑問があります。

中小企業の従業員で、いわゆる「不当解雇」に合った場合、問題解決のために最初に思い浮かべるのは、労働組合ではなく労働基準監督署やハローワークではないでしょうか?都道府県や市町村にも相談窓口があり、法テラスも、相談するのは原則無料です。企業に法律違反があれば監督署は臨検し指導・是正するのですから、これほど強制力のある組織はありません。

にもかかわらず、組合費を払ってまで、今まで縁も所縁もない労働組合に加入する理由とは何でしょうか?穿った見方かも知れませんが、トラブルを抱えた従業員と労働組合との間に経済的な利害の一致があるからだと思います。

解雇トラブルといいますが、企業や他の従業員にとって見れば、ある種、採用トラブルのことがほとんどですから、企業にも十分な言い分があり、解雇される従業員だけが「不当」と思っているケースもあるわけです。

企業側に法令違反が無い場合、民事不介入を原則とする監督署は機能しませんから、強制力を持った解決策は民事訴訟となります。民事訴訟には、弁護士費用など多額の費用と一審判決まで1年半といわれる多大な時間が掛かりますが、勝訴の確約はありません。

他方、中小企業においては、解雇された従業員も、真意は解雇取り消しではなく、金銭的補償であることが多いことも事実です。お金が中心の話となると、最低のコストで最大の利益を図ることだけが善ですから、落ち着く先は見えてきます。

日本型雇用の三種の神器の一つ、企業別労働組合が崩壊し、労組の組織率が二割を大きく下回ったことが、個別労使紛争増大の一因ですが、組織率が低下して食い詰めた労組自身が、個別労使紛争やパートタイマーの組織化に活路を見出そうとするのは、皮肉な現実といえます。

労働組合が、個別労使紛争に介入して、マッチポンプに堕するようでは未来はないでしょう。


2008年7月17日 (木)

こんな会社は「解雇」してはいけない!


解雇は、使用者の一方的な意思表示で雇用契約を解除することですから、労働基準法だけでなく解雇権濫用法理によって強い規制を受けます。しっかりとした人事・労務管理を行っている企業においても、本人に犯罪行為でもない限りは、無傷で解雇を行うことは困難です。

昔、子供の頃、「忍者部隊月光」という子供向けのアクション番組がありました。オープニングで、主題歌が流れる中、女性隊員が悪漢を射殺する場面があります。すかさず月光隊長は、彼女のピストルを押さえて「なぜ撃った?拳銃は最後の武器だ!俺たちは忍者部隊だ!」と叫びます。中小企業から「解雇してしまった!」と相談を受けたときの私の気持ちと同じです。

下記の事項に該当する会社は、解雇してはいけません。堪忍袋の緒が切れる前にご相談くださいsign01

1.就業規則がない
 ルールのないところに処罰はあり得ません。解約するなら事前の契約が必要です。常時雇用者10名以上の会社なら労基法第102条違反で、30万円以下の罰金刑となります。

2.サービス残業がある
 サービス残業や未精算の休日出勤がある場合は、賃金未払いで訴えられます。刑事として告発されると6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。違法行為が会社にある場合、社員の多少のことは吹き飛んでしまいます。

3.入社時や労働条件変更時に雇用契約書を取り交わしていない
 入社時には書面による労働条件の明示が義務づけられていますので、違反すると30万円以下の罰金に処せられます。労働条件変更時に労働者の承諾がないと不利益変更としてトラブルになります。

4.評価制度がない
 評価制度がなく十分な指導・教育をしていない会社では、成績不振や能力・パーソナリティーを理由にかいこすることはできません。

5.その他法令違反のある会社

「明日から来なくていい!」と言う前に思い出してください。「解雇は最後の武器」であることを!

生ける歴史、楠田丘との邂逅


第17回楠田賃金セミナーに参加しています。

楠田丘先生は、言わずと知れた能力主義人事の生みの親であり、日本発の人事制度の第一人者、生ける戦後史の一人です。御年84歳、私が独立した頃(9年前)は健康不安を耳にしていましたが、まだまだお元気で、年齢を感じさせません。

現在は、「日本型成果主義」の確立に邁進されているとのこと、80歳を超えて、何段目かのロケットに点火出来るのはやはり「選ばれた人」なのでしょう。正岡子規が、写生主義を確立するうえで文学史を研究し、「事を為す人には、一定の時間が必要で、長命であることが一つの条件である」ことを指摘していますが、正にそれを感じます。

私は、前職の会社の顧問がワトソンワイアットであったこともあり、思想の形成期である三十代を「成果主義」の騎手・高橋俊介氏の影響下に過ごし、能力主義に懐疑的であったことは認めざるを得ません。また、現在も変わらずそうだと思います。

今回、セミナーに参加したのは、人事の歴史に生で会える「最後の機会」と思ったこと(大変に失礼な話ですが)、中小企業の人事制度を考える中で、育成重視と定昇による生活保障は避けて通れないといいますか、現在最も欠けている思想で、もう一度、この部分に関する自分の立場を確立させておく必要性を強く感じたからです。

戦後GHQの指令により、当時労働省の官僚であった楠田先生が、日本雇用の三種の神器(年功賃金・終身雇用・企業別組合)を破壊するために働かれたことは有名な話で浅学の身ながら存じていました。高度経済成長、90年代の「JAPAN as No.1」を経て日本的経営が見直される中、戦後も三種の神器が存在しているように理解されていますが、これは誤りです。

楠田先生の変遷史=「年功主義→生活主義→職能主義→成果主義」は、日本の人事制度の歴史そのものですが、ある意味マキャベリ的で「よくやるわ、このおっさん」とも思っておりました。

今回のセミナーで、この変遷が、約60年前のGHQでの約束「職務給への転換」に基づくものであることを知りました。日本の風土に根ざす職務給を実現するまでの道程が「年功主義→生活主義→職能主義→成果主義」であり、それは約60年前に構想されていたのです。

楠田先生によりますと、2000年代になり「成果主義」導入の素地が整い、日本型の確立までにはあと15年sign01sign02は掛かるそうで、百歳まで生きるミッションでありモチベーションの源泉だそうです。

大河ロマン、専門職の矜恃を強く感じました。まだ、私の時間は始まったばかり、少し元気になった気がします。

2008年7月10日 (木)

新規事業の方からよく受ける質問


新規に事業を立ち上げた方からよく受ける質問があります。
一つは、被用者保険(労働保険・社会保険)の適用の時期、もう一つは就業規則の作成時期です。

前者は法律で決まっていますので、労働保険は社員、パートに関わらず一人でも雇入れたとき、社会保険は法人であれば設立時となります。

多くの事業主が、「保険」と言う言葉に惑わされて、加入の時期を自分で決められると思っておられます。これも貧困な学校教育のせいだと言えるとは思いますが・・・。

「事業が軌道に乗ってから」なんて考えていますと、まともな会社になれないことは請け負います。最初から必須事項を外して始めた事業は、正規のルートに乗せるのは大変な苦労が伴います。真っ当な事業主が当たり前と思っていることが遠いゴールに見えるわけですからsad

就業規則は、10名以上の事業所に作成・届け出の義務があります。このことから10名未満の会社は作成しないでもよいと考える向きもあるようですが間違いです。

雇用管理を完全に個別契約にするのなら理論上は可能でしょうが、共通のルールがないととても無理です。すべて個別管理するとなると、各人毎に契約を結び、条件変更するたびに全員の同意を得ることが必要となります。

また、このような手続き面だけでなく、労務管理の初心者が「原則」を持たず「自灯明」で対応できるわけありません。失敗したくないのなら先ずは「法灯明」<です。

経営者は、一般に事業には熱心ですが、自分の常識sign02に頼って労務管理の知識には疎いのが実情で、ある意味「素人」です。ところが、労働者は、使用者との関係で有利な立場に身を置き、金銭を含め報酬を得ることを生業としており、複数の会社を渡り歩き、仲間も多く「玄人」といえます。

また、内科や歯科のクリニックなど、組織の完成型が10名未満の事業所の場合、事業を立ち上げながら追々なんて考えていると大変なことになりますshock。最初のスタッフに恵まれる幸運がなければ、やり直すまでに何年もの歳月rainをかけることになりますcoldsweats02

机上で成り立たないビジネスはやはり成り立ちません。ビジネスが成り立つようにシミュレーションが必要なように、成功するための必須条件=就業規則の検討は極めて重要ですsmile

冒頭の写真は、向日葵ですが、プランターで育てるには、結構、周到な準備が必要なようです。スモール・ビジネスをお考えの方には、参考になる事実だと思います。

2008年7月 8日 (火)

選ばれる会社の必要条件

前回のブログで「選ばれる会社ですか?」という問いかけをしました。今回は、「選ばれる会社」になるために必要な条件について、賃金の面から検討してみたいと思います。

福岡市の標準生計費を基に考えてみます。標準生計費というのは、総務省統計局「家計調査」から家族構成により算出したもので、公務員給与の指標の一つになる他、その地域の必要生計費の目安となります。

いわゆるモデル世帯(4人家族)の標準生計費は、232,610円(平成17年)です。これには、租税公課や社会保険料等が含まれませんので、その分を加算して、手取りで標準生計費となるよう修正しなければなりません。これが負担費修正(A)293,089円になります。

また、生計費を賄うのは月次賃金だけではありませんから、賞与の支給を加味して考えなければなりません。今回は、年間2ヶ月分の賞与があるものとして、賞与修正(B)を行い、月次賃金の必要額252,219円を算出しました。

他方、標準生計費に年齢の明示はありませんが、男性の平均初婚年齢約30歳から考えて、第2子誕生によりモデル世帯になるのは35〜36歳と想定されます。高校直入初任給155,100円(平成19年・福岡県)ですから、18年間で252,219円まで昇給させるとすると、必要とされる昇給ピッチは5,340円/年になります。

※賞与のない会社は、当然、負担費修正(A)のままで、賃金水準や昇給を考えなければなりません。

この昇給線を上回る水準に賃金がないと、会社は意識する、しないに関わらず社員に対し「退職勧奨」のメッセージを発してるも同然です。標準生計費は「人並み」の生活レベルであり、「優秀者」が対象ではなく、真面目に業務に従事するすべての社員が到達すべきレベルといえます。

今の仕事にやり甲斐を感じている社員shockが、生活のために転職を考えるようになるのは誰のせいでしょうかsign02一から育てた大事な経営資源がタダ同然のコストで他社から引き抜かれる訳ですから、ペナルティーは十分過ぎるほど払っている訳ですが・・・coldsweats02

男女雇用機会均等法の共働きが当たり前の世界では、標準生計費を基準にすることは、妥当でないとお考えの向きもあるでしょうが、出産による家計収入の減少は自明であり、「競争優位」が戦略の本質ですから、もしこの水準をクリアしていないのなら、経営者はしっかり向き合い改善すべきではないでしょうかsmile

社員から選ばれる会社ですか?

左図は、バブル崩壊後の人事システム再構築の際、よく主張された人材ポートフォリオ・マネジメントの考え方を表したものです。

いわゆる「自立した個」を前提とした考え方で、以前の「終身雇用」「丸抱え・集団への帰属」とは180°違うものです。企業側の理屈による宗旨変えと言えるのですが・・・。

このモデルですと、終身雇用を前提としませんから雇用関係は、企業からの人材選別の意思と従業員の選択の意思との一致が望ましいとされます。企業の責務は、社員の選択のタイミングに選別のメッセージを的確に発信することとなります。

社員の選択のタイミングには、諸説あると思いますが、平均初婚年齢の30歳前後から転職適齢である35歳前後が一般的はないでしょうか。

中小企業では、このタイミングに、どんなメッセージが出ているでしょうか?

この間、行われてきた人事施策は、
�定期昇給の廃止
�家族手当、住宅手当など諸手当の減額、廃止
�賞与の不支給または業績給化
見通しが立てにくい「一寸先は?」のものが多かったと思います。

中小企業は「選別=登用」のメッセージを十分に伝えているでしょうか?言葉だけでなく処遇で報いているでしょうか?

一から育てた中堅社員が、結婚や子供の誕生を機に、退職を申し出て来てはいませんか?その社員が「仕事には不満はありません。が・・・」といっているなら大問題sign01です。

やっと育てた虎の子を他社に易々とさらわれる。企業の損失は測り知れません。過保護過ぎた時代、その反動としての行き過ぎた規制緩和がありましたが、その揺り返しが始まっています。いち早く分水嶺を察知し、対応する企業が勝者になるのではないでしょうかsign02




2008年6月26日 (木)

成績不振社員に業績給導入?


社長から「成績が低迷してる社員に業績給を導入したい」という相談をいただくことがよくあります。

 社長曰く「励ましたり、研修に行かせたり、挙げ句にはきつく注意したり色々とやってみたけど反応無し。業績も低迷して底にへばり付いてる。まるでヒラメみたい。」

 養殖全盛で安くはなったものの高級魚には変わりなく、まだ上を見てるだけましでsign02ヒラメが聞いたらは怒りそうですが・・・。

 結果から言いますと、成績不振社員に業績給を導入することは、解雇・退職に向かう坂道を加速するだけに終わることが多いようです。

 「行動」を引き出すには、確かに緊張するシステム(System in tension)が重要ですが、この場合、どうでしょうか?

 必ずしもお金がモチベーションに繋がらないことは、成果主義賃金という名の結果による賃金分配システムが上手く機能しないことでも明らかですが、この件は、別の機会にお話しすることにしましょう。

 この場合の緊張は、マズローの欲求五段階説を逆行することで起ります。成績不振の社員ですから�承認の欲求はおろか�社会的(愛と所属の)欲求にも達していない状況にあるところに、賃金を不確かにして�社会的(愛と所属の)欲求⇒�安全の欲求⇒�生理的欲求へ追いやり、いわゆる「ハングリー精神」に期待することになります。

 「ハングリー精神」が上昇に強くとも下降に弱いことは周知のことですし、マズロー的底辺に下る中でモチベーションが向上するとはとても考えられません。

 また、コンピテンシー理論の生みの親・デビット・マクレランドは、モチベーション向上の条件として、次の三点を指摘しています。
�成功の確率が五分五分であること
�自分の努力しだいで運に左右されないこと
�評価やプロセスに関するフィードバックを好んでおこなうこと


成績不振の社員は、与えられた目標を達成できると思うでしょうか?業界全体がバブルの時ならいざ知らず、厳しい状況での成功体験はないはずで、何をすべきかわからないのが本音ではないでしょうか?ここで最も合理的な結論は、残念ながら「何もしないこと」に落ち着いてしまいます。

ここで経営者は、成果主義の本来の意味を噛みしめるべきなのですが、お金とモチベーションの関係と併せて、また別の機会にお話ししたいと思います。

2008年6月19日 (木)

政府、最低賃金を755円へ引き上げ提案


毎日新聞によりますと、政府は労使代表と構成する「成長力底上げ戦略推進円卓会議」に、これまで生活保護費を基準に設定してきた最低賃金を、今後5年間で高卒初任給の最低水準まで引き上げるよう提案する方針を固めたそうです。


2007年の水準に当てはめると、全国平均の687円(1時間当たり)を755円に引き上げる必要があるそうですが、中々に困難な数字と思われます。そこで九州地区の最低賃金の現状について確認しておきたいと思います。

最低賃金は、皆さんの賃金から精皆勤手当、通勤手当、家族手当等を引いたところで比較する必要がありますので、事前にご確認ください。

全国で見ますと、最低賃金は、最高額が東京都の739円、最低額が沖縄県の618円となっています。

九州各県の最低賃金は、福岡県の663円を除き、他地区で最低の島根県・鳥取県の621円を下回る状況で決して高い水準ではありません。

高卒初任給をどのレベルで設定するか分かりませんが、新聞記事の全国平均と同じ程度に上昇するとなると、上表のようになります。5年で約10%、1年当たり約2%の上昇は、地方の中小零細企業にとっては、大きな負担になりそうです。

最低賃金を高卒初任給を基準とすることは
�比較的賃金相場がつかみやすい
�職業未経験者の賃金であること
�高校進学者が90%を超え一般的
等の理由から妥当性はあると考えます。

「同一労働同一賃金」の大原則からも、パートタイマーを含む最低賃金の見直しは必須とは思いますが、税や社会保険、それから派生した賃金制度の問題等、様々な影響があり、社会の仕組み全体としての見直しがなければ、企業努力とか雇用者責任程度の話では解決できないでしょう。






2008年6月16日 (月)

父の日に介護事業を考える


義父は認知症を患っていまして施設にお世話になっています。日頃は不義理の毎日ですが、父の日ということもあり、会いに行ってきました。

もともと賑やかなことの好きな義父ですが、物珍しいためか?私が行きますと、とても喜んでくれます。いつも食事介助に行っている義兄には申し訳ない感じです。

月に何度も行かない私でも、施設の職員の方の異動は分かります。中々定着しない様子で、他の施設に移られるのかと思っていましたが、介護職そのものを辞めてしまわれる方も多いようです。

上のグラフは、福岡県の社員数10〜99名の企業の賃金を表しています。時間外手当と通勤手当を除いた諸手当込みの月額(千円単位)です。

一番高い赤線が全業種男性平均、真ん中の黄緑線が全業種女性平均です。

二番目に高いのが介護支援専門員(ケアマネジャー)ですが、20代前半を除き、全業種男性平均を大きく下回っています。資格取得に費やす時間や労力を考えると由々しき問題です。

福祉施設介護員ホームヘルパーの方については、全業種女性平均を下回っています。

介護保険が始まって10年足らずで比較的職歴が浅いことや勤務形態の違いを考慮に入れても、その労働強度や必要とされる知識・技能からいって、全業種女性平均を上回って当然sign01と考えますがいかがでしょうかsign02

介護の仕事はお金を貰ったからといってできるような仕事ではないと思いますが、この賃金水準では、いかに志のある方でもモチベーションが維持できないでしょう。

若くハツラツとしていた介護職員の方が、キャリアを捨てて行かれる現状を重く受け止め、福祉政策を再構築することが求められています。

福岡県の賃金水準�女性編

このグラフは、日本最大の賃金統計である厚生労働省賃金構造基本統計調査に基づいて作成しています。

福岡県の従業員数10〜99人の企業の女性の平均値です。
固定給与には、時間外手当・通勤手当を除くすべての諸手当を含みます。

賞与は、統計が年額であることから、賞与割合の統計から、夏季:冬季=48.7:51.3の割合により算出しています。

このデータの平均値は、
年齢39.3歳 固定給与177.1千円 夏賞与168.4千円 冬賞与177.4千円 年収2471.0千円
となっています。

賃金統計データは、統計上のマジックもあり、実感とは違うと思いますが、10〜99人規模ですと、中小企業データとしては母数も多く、一番、信用できるレンジだと思います。

18歳から26歳の若年層でも昇給は2千円台、それ以降は千円台となっており、47歳をピークにしていますが、18歳との差は月額67千円に過ぎません。結婚、出産でいわゆる女性の労働力がM字型カーブを描くことにより、男性に比較して勤続が短くなることも影響していると思いますが、それだけではないでしょう。

女性の賃金は、固定給与・年収ベース共に男性の約70%程度に過ぎず、昇進格差による役職手当、世帯主基準が多い住宅手当や家族手当など実質的に男性だけを対象としている諸手当の問題が大きいと思います。男女雇用機会均等法違反の疑いも強く、改善が望まれるところです。

男女間の賃金格差というものは厳然としてあり、格差や傾斜があるところに必ずビジネスチャンスがあります。人材難でお悩みの中小企業経営者であれば、このチャンスを活かさない方はないと思いますがいかがでしょうか?

福岡県の賃金水準�男性編

福岡県女性の賃金表

2008年6月14日 (土)

福岡県の賃金水準�男性

このグラフは、日本最大の賃金統計である厚生労働省賃金構造基本統計調査に基づいて作成しています。

福岡県の従業員数10〜99人の企業の男性の平均値です。
固定給与には、時間外手当・通勤手当を除くすべての諸手当を含みます。

賞与は、統計が年額であることから、賞与割合の統計から、夏季:冬季=48.7:51.3の割合により算出しています。

このデータの平均値は、
年齢43.2歳 固定給与240.6千円 夏賞与245.6千円 冬賞与258.8千円 年収3391.6千円
となっています。

賃金統計データは、統計上のマジックもあり、実感とは違うと思いますが、10〜99人規模ですと、中小企業データとしては母数も多く、一番、信用できるレンジだと思います。

固定給与は、52歳をピークに減少に向かいますが、30歳までは月額5千〜7千円の定期昇給があります。

賞与については、夏季・冬季ともに固定給与の1ヶ月分を少々上回る水準となっています。「何とか盆・暮れに1ヶ月は」という社長の踏ん張りが伺われます。

社長、「うちの社員は・・・」と言う前に、しっかり給与払ってますかsign02

年齢別の賃金表こちら

2008年6月 9日 (月)

2008年中小企業の夏季賞与予測

企業実務の6月号に、中小企業の夏季賞与の予測が載っていました。

中小企業の賃金相場は、適切なものはないのが実情ですが、この予測値は、厚生労働省・労使関係担当参事官室の「中小・中堅企業夏季一時金要求・妥結状況」調査をベースにしており、集計対象が、従業員数299人以下で、労働組合がある企業ということで、統計の信用度を維持しながら中小企業の実情に近い数値になっていると思います。

同社では、昨年対比+0.8%、額にして+3,596円の460,831円の微増を予測しています。

サブプライムローンに端を発するアメリカの景気後退や原油価格の高騰、国内の消費不振により、日銀短観は悪化しており予断を許さぬ状況です。

プラス予想は
「パルプ・紙・紙加工」は、原材料高の製品への転嫁効果が現れる。
「建設業」は公共工事減少も民需が増加する。

マイナス予想は
「木材・家具・装備品」は、内需の低迷で大幅減。
「電気・ガス・熱供給・水道業」は、自由化に伴う競争激化で大幅減。

他方、日本経団連が5月22日に発表した大手企業の2008年夏季賞与・一時金(夏のボーナス)業種別妥結状況(第1回集計)によりますと、平均妥結額(加重平均)は93万329円、増加率は前年同期(2.77%)を下回り、0.59%の微増となっています。業種別では、自動車の116万6,247円が最も高く、鉄鋼の103万6,826円が続いています。

両者とも微増の状況ですが、労働組合との一時金に関する協約があり、業績対象期間が、6ヶ月〜最大1年程度遡るためと思われます。

いわゆる中小・零細企業では、まさしく現況に左右されるため、少々厳しい相場ななるのではないでしょうか?

バブル期以降、賞与が支給されない企業も見受けられますが、日本の賃金相場は賞与を盛り込んでいることも事実です。経営者は、もう一度、賞与の位置づけを考え直してみる必要があるのではないでしょうか?

2008年6月 3日 (火)

偽装も色々ありまして・・・

最近は労働問題がキャンペーン中みたいで連日報道ですね。今度は、ワタミです。
内部告発で解雇されたとして、居酒屋「和民」を元パート男性が提訴したとのことです。

ワタミはバイト217人に未払い賃金1280万円支払った件もあり、渡辺美樹社長手帳を売っている場合でもないようです。

ワタミは「内部告発を理由に解雇を行った事実は一切ございません」というコメントも発表しており、真実はまだ藪の中です。

ワタミのケースは特に悪質なところはないと思うのですが、良い機会ですから、最近多く見られる「内部告発」についての法的な保護について少々整理してみたいと思います。

労働基準法(第104条)は、労働者が、事業場における労働基準法違反の事実を所轄労働基準監督署などに申告することを認め、使用者が、申告した労働者に解雇などの不利益処分をすることを禁じています。

公益通報者保護法においても、労働者が不正の目的でなく、その労務提供先またはその役員、従業員等について、法令違反行為が生じ、またはまさに生じようとしている旨を、労務提供先、監督官庁、報道機関や消費者団体等に通報することを認め、公益通報したことを理由とする解雇の無効、派遣先事業者における労働者派遣契約の解除の無効、その他の不利益取扱い(降格、減給、派遣労働者の交代を求めること等)を禁止しています。

「内部告発者」は、以上のような強い法的な保護を受ける事になるのですが、これを逆手にとって問題社員が、「偽装申告者」や「偽装公益通報者」になるケースが見受けられます。公益通報者保護法も、労働者が不正の目的でないことを要件にしていますが、この辺りは中々判断が難しいですから、問題社員の居座りを許す結果になっています。

法令遵守の重要性は、問題社員の権利濫用を許さず、真っ当な社員、引いては会社を守ることにあると思います。今回のワタミのケースがそうだと言うつもりは全くありませんが、他山の石とせず、経営者はいつもリスクにさらされていることを肝に銘じ、常に万全な対策を講じる必要があります。

2008年6月 2日 (月)

マクドナルドの改善策について

「名ばかり管理職」で揺れるマクドナルドですが、改善策が発表されました。概略は次のとおりです。

<店長に残業代支給の方針 日本マクドナルド(5月21日)>
日本マクドナルドは、これまで残業代を支払っていなかった店長ら(直営店長・店舗管理責任者など)約2,000人に対して、残業代を支給する新報酬制度を導入すると発表した。1月に東京地裁が下した店長への残業代支払いを命じる判決を受けたものとみられ、8月から実施する。ただ、「店長手当」を打ち切るため給与総額は増えず、当面は控訴も取り下げないとしている。

いかにもの内容ですが、これで改善策といえるかは甚だ疑問です。
名ばかり管理職の方は万々歳でしょうが、「店長」としてちゃんと機能していた人はどうなるのでしょうか?「店長手当」が減収になり、残業しないと取り返せなくなるのではないですか?

2,000人もの管理職を育成することは中々困難ですし、そのレベルにない店長・店舗も多数あることも事実でしょうが、そもそも店長レベルになればパフォーマンスは千差万別のはずで、店長=管理職に値する社員も二割程度はいるのではないでしょうか?

この方たちは、選別、任用され、会社の方針に従い問題ないパフォーマンスを発揮して来た層のはずで、いわれなき減給は大きくモラール低下を招くと思います。

店長は、初任管理職もしくは指導職であり、ある程度裁量もあることから、一律処遇とすることには問題があると思います。

マクドナルドの現状が、20:80の法則が当てはまるレベルにないというなら、お話にならないですが・・・。

ホワイトカラーの職場にあっては、残業手当は、公平な賃金とは言えません。それは、労働の投入量によって賃金を決定する場合、効率の悪い方に多くペイすることになり、他方、各人の基本的賃金はその能力よりも労働力の再生産=生活費に重きを置いて決定されるからです。

本当の意味で、労働が復権するには、時間軸を超えたアプローチが必要だと思いますし、マクドナルドが外食産業のトップにある企業であるなら、積極的な「仮説」を示す義務があるのではないでしょうか?

2008年6月 1日 (日)

こんどはトヨタですか・・・


コナカマクドナルドの名ばかり管理職の判決以来、時間外手当の問題が、再びクローズアップされてきています。

今度は、トヨタでQC活動に関する時間外手当を見直すとの報道がありました。見直しの内容は概ね次の通りです。

<トヨタQC活動「カイゼン」に残業代支給(5月22日)>
トヨタ自動車は、生産現場の従業員が勤務時間外に生産性向上などにグループで取り組むQC(品質管理)サークル活動を業務と認めて、これまで「月2時間まで」としていた残業代支給の上限を撤廃し、6月から原則として残業代を全額支払うことを決定した。同様のQC活動は製造業を中心に広く行われている。

ただ、労働法の立場からみれば、カイゼンの実態が未払い残業であることは明らかで、それこそ「カイゼン」の対象とならなかったのは不思議sign02でした。「世界のトヨタ」で認められている不法行為は、トヨタOBのコンサルタントを通じて日本中に広まったことは否定できないでしょう。

カイゼンのミソは、自主的活動により従業員の創意工夫を引き出すことにあったはずで、その原点に返って、取り組みを見直して欲しいものです。

カイゼンが残業手当を支払うことで生産性を下げるなら、そのミソは、不払い残業によるコストダウンにあったことなり、フルキャストグッドウィルグループが行った「派遣費」名目の搾取と同じになります。

こう意味で「うまくやった」ものが勝つといった間違った考え方が蔓延しないよう願いたいものです。

2008年5月27日 (火)

深淵を覗き込む覚悟

特定社会保険労務士をしていますと、必然的に企業と社員の紛争に関わることになります。法的に有利不利ということだけでなく、様々な力学が働きます。

しかしながら、将来のない労使関係には、未来傾斜は働かず、Win-Winを導き出そうとする努力が払われることは稀です。勢い権利濫用合戦の様相を呈することも少なくありません。

ネゴシエーターとして採るべき道は、交渉はお互いの意図する行動を促すプロセスであるとしても、駆け引きによる勝敗コンテストではなく、双方の満足度を高めることと考え行動することだと思います。


経営者サイドで関与する場合、相手はいわゆる問題社員です。

確かに中小企業の労務管理には様々な問題がありますが、余りにも筋の悪いモンスター社員が跋扈していることも事実です。



フリードリッヒ・ニーチェは、「ツァラトゥストラはかく語りき」のなかで、こう指摘しています。

「怪物と闘う者は、その課程で自分自身も怪物になることがないよう、気をつけなければならない。深淵をのぞきこむとき、その深淵もこちらを見つめているのだ。」

いかなる権利乱用者にも冷静さを保ち、節度を持って交渉に当たることが求められます。真のタフ・ネゴシエーターになるために肝に銘じたいと思います。



2008年5月19日 (月)

経営トップセミナーのお知らせ



2008年6月12日(木)14時から福岡県中小企業振興センター402会議室にて、「オーナー社長のための年金大不信時代の3つの選択肢」と題したセミナーを開催します。

年金をはじめとする社会保障問題や財政破綻がもたらす影響を明らかにし、企業が採るべき対策を示します。

即効果の出る実践セミナーです。単なる勉強好きに来ていただく必要はありません。本当に社会保障や財政破綻による乱気流を真剣に乗り越えようとする経営者限定とさせていただきます。決定権をお持ちの経営トップ、オーナー以外の参加はお断り申し上げます。

対策の実行には、経営トップの強い意志が不可欠です。セミナーを通じ、「確信」をお持ち帰りいただければ幸いです。

2008年5月 9日 (金)

中小企業の人材戦略を考える


企業規模を問わず、経営者の役割は「戦略」の立案とその遂行にあります。ここで「戦略」とは、長期的に維持できる競争優位を生み出す仕組みのことと定義することにしましょう。

経営者は、この戦略機能が優れていることにより、経営資源(人・物・金・情報)を自由に利用することや高収入が許容されます。

人材経営について、中小企業が採るべき「戦略」を考えてみましょう。

上図は、人材ポートフォリオの概念図です。
縦軸に「再調達コスト」、つまりは「市場価値(報酬の多寡)」をとり、横軸には「再調達難易度」つまりは「市場ユニーク性(人材の希少性)」をとりました。

図の上に行くほど報酬が高く、図の右に行くほど人材の希少性が高いことになります。

最初に図の左半分を検討したいと思います。
ここは「専門職」→「プロフェッショナル」ですが、企業共通の専門知識集団の位置づけになります。例えば「経理担当者」→「財務責任者」、「総務担当者」→「上場請負人」といった構造で、お金さえ出せば労働市場で調達することが可能です。

次に右半分を検討します。
ここは「マネジャー」→「企業家」ですが、業界知識や企業の独特な文化に精通した人材の位置付けとなります。同業他社からヘッドハンティングする他は外部調達が不能のため、社内で長期にわたり育成する必要がある層です。「競争優位」を体現する人材ですから、「人材戦略」の対象の最たるものと言えます。

最後に図の左下角を検討します。
ここは「派遣社員」「パートタイマー」「アルバイト」などいわゆる「非正規社員」の領域です。新卒一括採用を行わない(行えない)中小企業にとっては、人材の登竜門的位置付けになります。比較的やすいコストで、社員募集とは違った層を開拓でき、教育次第で未来価値を増加させることができます。

そこで中小企業が長期的に優位性を維持できる人材策を検討します。
専門職・プロフェッショナル領域は、お金次第ですから、大企業に勝てるわけがありません。必要なときに利用する戦術レベルの対応となります。
中小企業にとっては、マネジャー領域以上へ如何にして育成するかが大きな戦略上の「カギ」になると思います。学卒の優秀で均質な人材を採用できない中小企業においては、「非正規社員」や「中途採用」を窓口に、マネジャー領域へ付加価値を高めて行く方法論の確立が求められます。

たまたま、「ダイヤモンドが紛れ込んでいた」では駄目です。知識はないが育成を受け入れる「素直さ」を持った人材であれば、「一人前」に育て上げることができる仕組みを持つこと、「再現性」が重要なのです。「高付加価値人材」を会社で作る「阿古屋貝」企業が人材経営の勝者になるのです。

2008年5月 4日 (日)

「業務上発症うつ病で解雇無効」東芝のケース


東芝の工場で働いていた女性従業員が、長時間労働が原因でうつ病を発病したのに解雇したのは違法だと訴えた訴訟で、東京地裁は4月22日、解雇を無効とし、未払い賃金など約2700万円を支払うよう東芝に命じる判決を言い渡しました。

事件の詳細はこちら※赤旗ですが事実関係は一番詳しいので、本件の直接事実だけを確認ください。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-04-23/2008042301_02_0.html

一般的な報道です、朝日新聞らしい歪曲はありますが。
http://www.asahi.com/job/news/TKY200804220286.html

事件の経過は、記事に任せるとして、「私傷病か業務上傷病なのか」が争われたケースと言えると思います。

東芝は、女性従業員を三年間の休職期間満了により退職させており、私傷病であれば問題ないのですが、これが業務上傷病だとすると労働基準法第19条の解雇制限に抵触する可能性が出てくるわけです。

解雇制限)
第十九条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

月平均90時間は、現在の労基署の過労死基準では、相当因果関係を認めるレベルですが、今回のケースでは熊谷労働基準監督署は労災認定していません。

東芝の労働条件は、完全週休2日制(土曜・日曜)+祝日、年末年始休暇、有給休暇(初年度18日sign01、2年目以降24日)、一日の所定労働時間7時間45分です。年間所定労働時間が1900時間を割り込み、労働組合もあれば、勤労という労務管理セクションも整備されています。

全く仕事をしていない従業員に4年弱で2700万円を支払うことになるのは、経営者でなく毎日働いている従業員です。資本金2801億円、資産総額3兆3,735億円、従業員数 32,309人(2007年3月末現在)、年間売上高3兆5,448億円(2006年度)の東芝だからできる(認められる)ことでしょう。皆さん、どうお考えでしょうか?

2008年5月 2日 (金)

整理解雇を考える〜単に技術論ではなく〜




整理解雇は、経営者の最大の裏切りである「企業倒産」を免れるために、従業員に対し「最悪の裏切り」をすることに他なりません。

倒産をすれば、顧客、仕入れ先、従業員などすべての関係者を裏切ることになりますから、それを防止するために、整理解雇が許容されるということです。

事業を行うことは、それ自体が危険に満ちた行為ですから、いかなる周到な準備をしても、倒産の危機を迎えることはあり、それ自体を責めることはできません。

経営者の方には、「割り切り」でなく「腹を決めた」対応をお願いしたいと思います。経営は結果責任ですから、会社の経営危機はすべて経営者の責任です。それを背負ったうえで、自分以外に乗り切る者がいないという気概をもって臨んでいただきたいです。

整理解雇であれ事業の再構築は、「再生」のために行われわけですから、延命後のダメージを最小にする必要があります。時間を掛けなければ金が掛かり、金も掛けなければ血が流れるわけですから、この「血と時間と金のバランス」を最適化する必要があります。

資金繰りに窮し経営に行き詰まった社長は日々間違いを犯します。後日、振り返ってみると「何でこんなこと?」と思うことの連続ではないでしょうか。嵐の中の小舟ではコンパスは役に立たないのです。

ここで先達の経験や智恵が生きてくると思います。礼儀やマナーが結果として相手や翻って自分を守るように、「法灯明」として「整理解雇の4要件」を噛みしめて欲しいと思います。

整理解雇の4要件とは、�経営上の必要性、�整理解雇回避努力、�解雇対象者の選定基準の合理性、�解雇手続の妥当性 ですが、それぞれに行うべき事項や手法は明らかになっています。

危機を乗り切った後の会社に何が必要か?それを出発点に、この4要件をどう組み合わせ、バランスさせるか?新しいアイデアとは既知の事項の新たな組み合わせですから、ここにも経営者として能力を発揮し責任を果たす機会があります。経営技術論として割り切らず、すべての矛盾を受け入れ腹を決めて、自ら果断に対処して欲しいと思います。

2008年4月27日 (日)

「休みたいなら辞めろ」発言は言語道断!連合会長、日本電産社長を批判について


Yahoo! などのニュースでも配信されていますので、ご存じの方も多いと思いますが、概略は次の通りです。

連合(日本労働組合総連合会)の高木剛会長は2008年4月26日、東京都内で開かれたメーデー中央大会で、「休みたいなら辞めればよい」と発言したとされる日本電産の永守重信社長を強く批判した。高木会長は「言語道断。労働基準法が雇用主に何を求めていると思っているのか」と、同社長の姿勢を非難。大会に出席していた舛添要一厚労相は「きちんと調査する」と応じた。

詳細はこちら
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080426-00000003-jct-soci

日本電産株式会社の永守重信社長はいわゆる創業社長で、優れた技術を持つが経営不振に陥った企業を次々と買収し、子会社化して再建させることで知られています。

詳細はこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E5%AE%88%E9%87%8D%E4%BF%A1

誤解を恐れずにいいますと、連合的発想の延長線上には未来はないと思います。少なくとも連合の主張はサブシステムとして機能すべきと思います。

「賃金=単価×時間」の労働感が根底にある限り、経済として成り立たないし、創造性に結びつくとは思えません。

以前、ある社長室にこんな言葉が額に入れって飾ってありました。
「金のあるやつ金を出せ。智恵のあるやつ智恵を出せ。何もないやつ汗を出せ。」
なんて古い発想!と思ったのですが・・・。

実際に、生産性を上げることのできるような智恵を出せる人は非常に限られていて、一説によると日本に50万人程度とも言われています。非才かつ凡人の私などは、時間単位の投入量と現場改善みたいもので貢献しないと経済成長や競争力の向上には貢献できないのが現実ではないかと思います。

年間120日、三日に1回休みの世の中で、この上、有給休暇が20日以上、「満足した従業員」が創造的になったり、付加価値に貢献する保証はありません。

何でも横文字のワークライフバランスという和製英語の響きには感心しませんが、当然の考え方だと思います。良くないと思うのは、労働法制=規制強化の枠組みの中で、議論されていることです。

労働基準法や労働組合の世界で論議されるのではなく、経営や契約の自由の世界で論議されないと創造的な仕組みは生まれないと思います。創造的な経営者が、「ワークライフバランス」を主張するなら傾聴に値すると思いますし、経済的にも成り立つのでしょう。規制により組み込まれるのではなく、経営システムとして取り込まれる必要があるのです。

ひとつ言えることは、「ワークライフバランス」が活かされる経営システムには、「賃金≠単価×時間」の労働観が成り立ち、かつ生活基盤が保証されることが前提となるのでしょう。「世界でひとつだけの花」を具現化する究極の命題ですが・・・。

2008年4月20日 (日)

「新型うつ病」との遭遇?

ある日、会社に送達証明付郵便が送りつけられてきました。それは30歳代の中堅社員からの休職通知でした。医者の診断書も添付されており、病名は「うつ病」で一ヶ月の加療が必要とされていました。

 詳しいことを知ろうと上司である課長が、携帯電話に掛けても応答が無く、しばらくしてメールがあり、「病気に良くないので会社とは連絡をとらないよう医者から言われている」とのことで、それっきり、彼女と連絡が取れなくなります。

 主治医と思われる診断書を書いた医者に問い合わせても、プライバシーの問題と言うことで何も話してくれません。

 休職期間(もっとも彼女が勝手に宣言したものですが)が満了しようかという頃、2通目の送達証明が・・・。前回の通知と同様の内容が書かれていました。ただ、傷病手当金の申請書が添えられていたのは少々違いましたが・・・。

 この頃になりますと、同僚の社員から彼女をデパートで見かけたとか、コンサート会場で会ったとか、とてもうつ病で加療中とは思えない情報が飛び込んできます。果ては旅行先から写メールが届いたsign01sign02とかで、上司も同僚も困惑の極みcoldsweats02です。

 病状確認のメールを入れたところ、やっと返事があり、
「買い物などの日常生活に問題はないし、旅行やコンサートは良い気分転換になるので医者からも薦められている。」とのことで益々わけ分かりません。

 休職期間満了を翌月に控えて、私の登場となりました。事情を聞いても外観的には「問題社員」としか思えないけれど「うつ病患者」なわけで、精神疾患社員として慎重に取り扱っていくことになるのですが・・・。

 臨床心理士で社労士の涌井美和子さんによりますと、従来のうつ病の枠組みでは捉えられない症例が増えているそうで、「新型うつ」の特徴を次のようにまとめておられます。

� 自分の好きな仕事や活動の時だけ元気smileになる(うつ症状が軽くなる)
� 「うつ」で休職することにあまり抵抗がなく、休職中の手当など社内制度をよくチェックしていて、上手に利用する傾向がある
� 身体的疲労感や不調感を伴うことが多い
� 自責感に乏しく、他罰的で会社や上司のせいにしがち
� どちらかというと真面目で負けず嫌いな性格
 
 まったく最悪ですが、「うつ病」を避けて通れないのも、現代日本sign02の労務管理の実情かも知れませんshock。これからの対処や取り組みがスタンダードを作っていくのでしょうから、この問題に直面している経営者、管理者の方、一緒にがんばりましょう。

オフィスプリズム
臨床心理士・社会保険労務士 涌井 美和子さんのホームページはこちらから
http://office-prism.com/

2008年4月12日 (土)

広がるように繋がるように


4月9日にアクロス天神で開催したセミナーですが、お陰様で盛況のうちに終わりました。生憎の雨で足下の悪い中お越しいただいたお客様、スーパーネットのスタッフの皆さんに素心より感謝いたします。

「リスク最小!企業存続のための就業規則」と題して、中小企業の労務管理に資する就業規則の考え方をお話ししました。

中小企業の実情を斟酌しないまま、労働法制はビッグバンに向けて走り続けています。これは、企業にとって、ウイルス対策ソフトのないまま普及したインターネットに似た極めて危うい状況です。

労務トラブルの特性として、企業規模や事業主の姿勢に係わらず起こると言うことです。やりっ放しの事業主に起こらず、良識のある事業主に起こったりもしますし、発生の可能性の大小の問題でしかありません。

ただ経験上いえることは、労務トラブルの発生により企業が疲弊すれば、そのしわ寄せは必ず働く側に行くということです。その結果、企業の疲弊も「人・物・金・情報」のすべてに及ぶことになります。

労務トラブルの現場で日々仕事をしておりますと、どうも「オオカミ少年」になりそうですが・・・。

参加者の方からは、トラブル防止の話だけではなく、一歩進んで「乗り越えた企業」の話も聞きたいとの意見をいただきました。

確かにトラブルの数だけ解決があり、その巧拙はやはりあるのですが、上手く乗り切った企業の場合、「コモンセンス」「未来傾斜」が働いたことが大きな要因と考えています。

セミナーで蒔いた種clubが、皆様の心にも広がるよう繋がるようしばらくこの辺りの話を続けたいと思います。

2008年4月 6日 (日)

「スーパーの女」が現実化する2008年


深夜のNHK−BSで「スーパーの女」をやっていました。「マルサの女」から続く、言わずと知れた伊丹十三監督作品です。1996年の作品ですが、製作にはスーパーマーケットチェーンのオーナーが全面協力したとあって、単なる内幕ものでない先見性に溢れたものとなっています。

ご承知の向きも多いと思いますが、スーパー大好き主婦・花子(宮本信子)が副店長となり幼馴染・五郎(津川雅彦)の経営する駄目スーパーマーケットを立て直していくというサクセスストーリーです。

ストーリーの展開の中で、昨年発覚し話題となった「偽装」の実例がいっぱい出てきます。
 ・おにぎりの具のたらこに鰯の卵を混ぜる
 ・売れ残りの魚の包装をやり直して日付を変える
 ・輸入肉を和牛と偽って販売する
 ・輸入肉にラードを混ぜて霜降り牛肉を作る
 ・前日に売れ残った惣菜を弁当に入れる    等々

これらの悪習は、昨年一気に吹き出して、一足先に実現したわけですが、今年はサクセスストーリーがブレイクする番かも知れません。

映画の中で専務率いるパート社員と職人である鮮魚の親方の対立が出てきます。
親方いわく「職人のこいつらでさえ半人前だ。俺たちは盗んで腕を鍛えてきたんだ。」
女店長いわく「スーパーに必要なのは職人でなく技術者。パートの分業でやりたいの。」

この映画の影響で、いち早く改善したスーパーも多いようです。パート社員の活用事例が報告されるのがスーパーをはじめとする流通系が多いことも偶然ではないでしょう。

多様化を受け入れ、技術やノウハウを標準化しサービス品質を底上げすることが、勝ち抜く企業の前提条件になること思います。パートタイム労働法の改定が引き金となって2008年が「人材の多様化と活用元年」になってくれればと願っております。

しかしながら、中小企業にとって、パート社員の活用には困難な課題があることも事実で、当事務所としては、積極的な提案・提言で貢献していきたいと思います。

2008年4月 4日 (金)

公共競争入札遅れで起こる労務問題

地方財政健全化法の影響か、市町村の予算組が遅れており、その結果として、競争入札の遅れが発生しています。4月更新の委託業務が、4月に入ってから入札にかかるものもある始末で困りものです。

例えば市庁舎の清掃の業務を受託する業者の方を考えてみましょう。本来3月末で業務終了もしくは新年度も更新と分かっているはずですが、宙ぶらりんのまま、4月に入っても更新契約が欲しければ業務を続けなくてはなりません。結果、受注できればまだしもですが、失注した場合は目も当てられません。

清掃業務ですと本部の定期清掃班と現場常駐の臨時社員の組み合わせが多いのですが、現場が無くなると現場常駐の臨時社員の雇用は維持できません。そこで、新規の応札業者に既存の従業員を推薦して雇って貰う交渉することになります。新規業者にとっても現場を熟知している経験者は得難いこともあり、雇用継続となるケースもありますが確実とは言えません。交渉がまとまらないと臨時社員を解雇することになります。

ところが入札は労働契約の更新をした後に行われたのですから、解雇予告をする暇もありません。仕事がないわけですから他の仕事に配置転換することも出来ず、会社としては、やむなく解雇手当を支払って即時解雇することになります。

これは最低賃金ギリギリでやっている業者や臨時社員にとっても大きな痛手です。最低賃金法やパートタイム労働法の改定により底上げの政策といいながら、逆行する対応が公共事業で行われている現実は根深いものがあるようです。

2008年3月29日 (土)

老舗菊乃井の新人育成プログラム


 新入社員の季節になりました。バブル以来の売り手市場人事担当の方には、採用難でご苦労されたのではないでしょうか?

 苦労してやっと採用したはいいけれど、1年経たずに辞める者もあり、半減期が三年ではやり切れないですね。 今年の新人は、「カーリング型」だそうで、入社してからも手間暇掛かりそうです。

 中小企業においては、もともと定期採用を行っておらず、リクナビ等の採用サイトへの出稿も行わないし、新人研修にもコストを掛けないので、リクルートコストを余り意識されていないことも多いと思いますが、損益分岐点に達する前に退職されると人件費自体が採用ロスのようなもので、結構なお金を掛けていることになるのでは?と思います。

 京都の老舗料亭 菊乃井の主人・村田吉弘さんのセミナーを聞く機会がありまして、新人研修プログラムで興味深いお話を伺いました。これは中小企業にも参考になる事例と思いましたので、参考にしていただければと思います。菊乃井は京都で三代続く老舗で、赤坂店は日本料理では稀なミシュランの二つ星を持つ繁盛店です。大成功をおさめた菊乃井ですが、板前の確保では苦労された時季があったそうです。

 そもそも料理人を目指す若者が減少したうえ、料亭の厳しい修行や古いしきたりが敬遠されてか、新人の応募が少なく、また、折角入ってきたものの辞めてしまうことも多かったとのことです。

 そこで、村田社長は、一大改革をされたようです。
�今まで不明確であった一人前になるための修業年限を5年と決めた。
�洗い場○○年、焼き物○○年と一つの仕事を長くやらせることを止め、1年毎に習得すべきカリキュラムを明示し、5年で料理長に必要な技能を習得させる。
�職人修行でよく言われる「見て盗め」を廃し、レシピも公開し、できるまで積極的に教えることにした。
�5年の修行を終えた者には、免状代わりに菊乃井の銘の入った包丁セットをプレゼントする。
�修行を終えた者は一人前の扱いで、店を開くもよし、残って修行を続けるのもよし、他店に移るもよし、自分でコース選択できるようにした。又、相談があれば開店から転職まで菊乃井がバックアップすることとした(終身コミットメント)。

 老舗ですから、新人といってもずぶの素人はおらず、高校を卒業し専門学校で調理師免許を取った方が入社するようです。「鉄は熱いうちに打て」とばかり新人のうちから包丁を持たせて5年の短期間で育て上げるわけです。これは菊乃井のコミットメントです。真摯に取り組む者には育成を保証しているのです。

 このシステムにされてから修行をやり遂げる方の割合は約4割、一般の会社で半減期3年といいますから、料理人の修行としては非常に高い割合だと思います。

 村田社長は、自らの流れを汲む料理人が増えることで、ビジネス展開の幅もスピードも上がったとおっしゃっていました。日本の食文化の世界展開を視野に夢を追い求めておられる高みにいらっしゃいますが、新人育成プログラムが足下を固めていたわけです。

2008年3月25日 (火)

残業問題の”底”に横たわるもの


4月号のHMレポートの紹介です。
成長に一歩踏み出す経営シリーズ�経営者の成果感覚と従業員の時間感覚・残業問題の”底”に横たわるものです。

【店長にも残業手当が必要?】
 大手ハンバーガーチェーンの“店長”にも残業手当を支払う必要があると判断された裁判(2008年1月28日:東京地裁)で、またもや残業問題が注目されるようになりました。
 ただ残業が“トラブル”に発展してしまわないように就業規則等を整備するのは当然として、もう一つ忘れられがちのマネジメント問題が残されているように思うことがあります。

【残業にも種類がある!】
 忘れられがちの問題とは“残業には必要なものと不要なものがある”という現実です。
実際に予定外の仕事が入って残業に至るのは自然なことだとしても、“心の問題”から、ついつい働いてしまうタイプの残業は、誰のプラスにもならない危険が残ることがあるからです。

【強迫症的残業って?】
 たとえば外出時に、玄関の鍵をかけ忘れたのではないかと思って、何度も引き返してしまう“強迫症”のように、うまく行かないのではないか、できていないのではないかと何度も“同じ作業”を繰り返してしまう“残業”も決して少なくはないのです。
 そんな“強迫症的残業”は、上司や経営者の皆様が『OK、これでよし』と判断を示すか、“不足点や不都合点の追加修正のスケジュール調整”などで解決指示を出すことで解消可能です。

【プラス方向の残業ならよいのだが…】
 事業発展のために必要な残業は、結構楽しいsmileものであり、発展による収入増dollarで、手当の支払いが問題になることも少ないでしょう。つまり発展型残業は、ほとんどトラブルにはならないsunのです。
 しかし“強迫症的な不安”がからむ残業sadは、人材をどんどん追い詰めてしまい、その結果、心の病や訴訟coldsweats02などで“止まる”まで暴走を続け、健全な事業運営を害する危険もなくはないのです。

【マネジメント・レポートを差し上げます!】こうした“残業の底流”にある問題を、成長に一歩踏み出す基礎形成の一環として、5枚ものの簡潔なマネジメント・レポートの形で、ご用意いたしました。ご希望者には差し上げますので、ご遠慮なく当事務所のホームページからお申し込みください。




2008年3月22日 (土)

ジャパンネットワークグループ、コラボショップ佐賀高木瀬店オープン


齊藤一真社長率いる(株)ジャパンネットワークグループが、佐賀県にソフトバンクホークスとのコラボショップをオープンしました。

同社は、西日本一のソフトバンク・ショップで、3月中には、福岡市天神や関東地区の出店も予定されています。

齊藤社長の出店挨拶より引用します。
「コラボショップ佐賀高木瀬店が無事にオープンしました。
全国2店舗目のホークスとのコラボショップで福岡県と佐賀県に1店舗づつで、2店舗目、SBショップで14店舗目、JNGグループで18店舗になります。佐賀県はホークス人気が89%と全国1位と高く2位が福岡県で80%になっており、1位と2位の県を押さえた事になります。どうぞ応援のほど、よろしくお願いします。」

事業が拡大するとき、夢が叶うときというのは、こういう感じでしょうか?今までの出会いという出会いが新たな機会を生み、解けずにいたパズルがドンドン解けていく。

パズルは益々大きく難解になりますが、JNGは人間力を結集して乗り越えて行かれることと思います。新店出店にあたり入社したニューフェイスに大きく期待したいと思います。

2008年3月19日 (水)

21世紀職業財団へ行ってきました

パートタイム労働法の改正で、新設・拡充されたパートタイマー均衡待遇推進助成金の件で、その窓口である21世紀職業財団に行ってきました。

助成金は、それ自体を目的にする方も多く、そういった場合、中小企業の体質強化にならないので、余り好きではないものですから、積極的に取り扱ったことはありません。

今回は、中小企業にとって、宝の山と思われるパートタイマーに対する助成金が拡充されるとあって興味を持ちました。

パートタイマー均衡待遇推進助成金は、6種類あるのですが、詳しくは下記からご覧ください。

http://www.jiwe.or.jp/part/jyoseikin1.html

六番目の項目で、健康診断制度の導入というのがあるのですが、15万円×2回で合計30万円が受け取れます。

就業規則に、パートタイマーについても雇い入れ時の健康診断および定期健康診断を受けさせることを定めれば受給可能です。私どもの事務所では、制度化はしていませんでしたが、既に雇い入れ時および定期の健康診断は、パート社員にも行っていましたので、直ぐにでも制度化(つまりは就業規則の追記・届け出)をして、助成金を受けようと思っています。

なれない道を帰るのに、一方通行にはまり込んでしまって、行き止まりの路地にはいってしまったのですが、綺麗な淡い花が満開でしたので、苦笑しつつもシャッターを切りました。携帯も捨てたもんじゃないですね。

2008年3月15日 (土)

賃金不払残業、是正企業は1,679社で平均1,353万円

厚生労働省から平成18年度中に、全国の労働基準監督署が監督指導を行った賃金不払残業の是正結果が公表されました。

それによりますと、労働基準法違反として是正指導した事案(1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われたもの)は、1,679社(前年1,524社9となり4年連続して増加し、対象労働者は、18万2,561人(同16万7,958人)で3年ぶりの増加となりましたが、支払われた割増賃金の合計額は227億1,485万円(同232億9,500万円)と前年よりも減少しました。

1企業平均額で1,353万円(同1,529万円)、1労働者平均額では12万円(同14万円)となりました。

同省では今後も重点的な監督指導を実施するとともに、11月には、「過重労働・賃金不払残業解消キャンペーン月間」として様々な啓発活動を実施しています。

同月間は、従来から行っていた賃金不払残業の解消キャンペーンに、新たな過重労働による健康障害の防止を目的に加えたものです。

労働基準監督署の是正勧告への対応は、特定社会保険労務士の重要な業務となっています。また、健康障害の防止についても、労働契約法に労働者の安全への配慮義務が定められたこともあり、今後、重要さを増していくものと考えます。

2008年3月 7日 (金)

スーパーネットのこと。


 専門家集団「スーパーネット」に参加することになりました。他のメンバーの方々は、それぞれの分野で既に実績があり、ちょっと気が引けるのですが・・・。

 専門家集団や士業のネットというものは、�ある会社やある先生の営業組織に堕するか、�仲良し宴会倶楽部化し存在意義不明となるか、どちらかの末路を辿ることが多いと思いますshock

 営業力を求めて離合集散しても、所詮、烏合の衆の様な気がします。結局は、一本立ちした専門家が、顧客志向で「相互依存」関係を確立しないとネットの意味がないと思います。

 「スーパーネット」のメンバーは、個別のお客様では、協力してきた経緯もあり、長いお付き合いの中でじっくりと作り上げてきましたので、何か良い実appleを付けるのではないかと思っております。

 差し当たって、四半期毎に共同セミナーをする事にしております。その第2回「リスク最小!企業存続のための就業規則」(4月9日開催)の講師を務めさせていただくことになりました。皆様のご参加をお待ちしておりますsmile

 

2008年3月 5日 (水)

組織が“飛躍”を狙う時に考えるべきこと!

今月のHMレポートの紹介です。

成長に一歩踏み出す経営シリーズ�
「組織が“飛躍”を狙う時に考えるべきこと!」

【人材が自分の飛躍を狙う時は…】
 “引き合い”に出すのは妙かも知れませんが、従業員が“転職”を狙う時、『今はない実力をもっとつけてから有利な先を見つけよう』と計画的になることがあります。つまり個人が自分にとっての“飛躍”を狙う時には、“�今はできないこと”に“�計画的に取り組んで”“�チャンスの芽を増やす”ことが求められるのでしょう。

【組織では苦境時と飛躍時で“正反対”?】
 組織にも同じことが言えます。もちろん苦境に耐える時は、無理せず“現有体制”から発想しなければなりませんが、“飛躍”を狙うなら“�今の体制にこだわらず”“�顧客や取引先が求めること”に“�計画的に取り組む”必要があるのです。組織飛躍にはいったん“今の人材”にはできないことを考える必要があると言うことです。
 苦境時と飛躍時では、経営戦略も正反対になりますが、今どちらを選ぶか、非常に悩ましい時期でもあります。

【一部が元気になった市場】
 それは市場全体が必ずしも“元気”とは言えない中で、ビールや食品などの“プレミアム(割高)商品”大ヒット(2007年)のように、“安くなければ売れない”状況にも現実的な変化が現れ始めているからです。
 全体の空気の中で“守る”か、一部の変化の中で“攻める”か、そんな“選択の迷い”が拡大するのは、むしろ好ましいことかも知れません。

【個人成長と組織力飛躍は別視点の問題】
 ただし、選択に迷う前に、“苦境時”と“飛躍時”で、どのように戦略の“基礎視点”が変わるのかは確認しておく必要がありそうです。
そこで“守り”と“攻め”の方向性の“基本的視点”部分に焦点を当てて、両者を比較したマネジメント・レポートをご用意しました。
“個々の人材”の成長と“組織力”の飛躍的向上は、必ずしも“同じ発想”からは実現されないもののようだからです。

【マネジメント・レポートを差し上げます!】
マネジメント・レポートは、事例を含み5枚の構成になっています。ご希望者には差し上げますので、ご遠慮なく下記よりお申し込みください。

http://www.e-roumu.com/



2008年3月 3日 (月)

ご迷惑お掛けしておりますm(__)m。

先週の水曜日の夜からインフルエンザ(香港A型)を発症しましてダウンしておりますcoldsweats02。各方面にご迷惑を掛けまして申し訳ございません。

先週の日曜日に次男が発病しまして、タミフルで一気に復活しましたが、27歳の年の差かsign02、こちらは遠い道のりです。

一気に上り詰めれば良いものをsign02、欺しだまし妙に徳俵で耐えたのがいけなかったのかsign02、はたまた経年劣化かsign02、なかなか元気になりません。

もう少しご迷惑掛けることになりますが、ご容赦くださいshock

2008年2月25日 (月)

プロフェッショナルになるための「10年ルール」

最近、採用面接をする機会が多くなり、自ずとキャリア形成について考える機会も増えました。資格学校のマーケティングが成功したためか?スキル、コンピタンシーとかの言葉が一人歩きして、転職やマルチキャリアを奨励する即席のキャリア形成?が氾濫しているようです。

即席のキャリアなんてあり得ないのですが、一所懸命に働くのは、時代遅れというか、乗り遅れる感じの風潮があるようです。三度の転職の末、資格商売で独立した私が言うのも説得力がないかも知れませんが・・・。

そんなことを考えているときに、「経験からの学習−プロフェッショナルへの成長プロセス」という本に出会いました。小樽商科大学ビジネススクール准教授 松尾睦 先生の著作です。

松尾先生は、専門職大学院で「顧客志向経営」の講座を担当され、営業における成長プロセスを研究対象にされておられます。その研究の成果として「10年ルール」を提唱されています。

「10年ルール」は、もともとスポーツや芸術の分野の熟達者を対象にしたものだそうですが、自動車販売会社と不動産販売の営業担当者のサンプル調査においても、その営業スキルが業績に直結する傾向は10年以上のベテランに多く見られることが確認されたそうです。

当然、新人や経験の浅い人でもトップセールスになる方もありますが、個人のキャラクターや勢いの依存したものかもしれず、必ずしも営業スキルとの相関は認められません。
つまり、一般的には業績に結びつくスキルを身につけるためには、10年程度の経験が必要とされることになります。

松尾先生は、「熟達の5段階モデル」を提示し、レベル3の「一人前」で約5年、レベル5の「熟達者」で最低10年と指摘しておられます。

レベル1の「初心者」やレベル2の「上級ビギナー」のところで、キャリアチェンジを考える方が多いと感じます。その組織を飛びだそうとするくらいですから、自信もあって、結構、上手くやってこられたと思いますが、とてももったいないと感じますshock。スローフードならぬ「スローキャリア」の発想が必要ではないでしょうか?

松尾陸先生のプロフィールはこちらから
http://www.otaru-uc.ac.jp/~mmatu/

「経験からの学習−プロフェッショナルへの成長プロセス」はこちらから
http://www.honya-town.co.jp/hst/HTdispatch?nips_cd=9980911115



2008年2月24日 (日)

いよいよ施行間近!改正パートタイム労働法



改正パートタイム労働法が、来る4月1日から施行されます。

パートタイム労働者であっても、その働き方が通常の労働者と同じ状態であれば、その取り扱いについて、差別的取扱いが禁止されます。

通常の労働者と同じかどうかの判断基準は、次の三点です。
�職務の内容が同じ(業務の内容・責任の程度)
�人材活用の仕組みや運用などが、全雇用期間を通じて同じ
�契約期間が実質的に無期契約

その程度により、4段階に分けて、対応すべき事項が変わってきます。

いつものことですが、労働法の改定は、中小企業により大きなインパクトがあります。今回も同様だと思いますangry

大企業であれば、等級制度や職務分掌もあり、流通業などを除くと正社員とパートタイマーの間には明確な差違があると思います。

しかしながら、中小企業におきましては、正社員とパートタイマーには労働時間の長短以外に大きな違いがないのが現状ではないでしょうか?

ひとつには、中小企業の一般社員の生産性の低さがあります。これはマニュアルやシステムの不備に起因しており、社員の資質(素材)に依存する状況に起因する企業の地力の差かもしれませんsad

他方、パートタイマー、特に女性は、いわゆる育児によるM字カーブを反映して、勤務経験も能力も十分な方が多く労働市場に供給されています。中小企業においては、正社員よりはるかにリクルート上の可能性がありますsmile

人材の逆転現象ある中で、もともと中小企業の仕事は、細分化されておらず、できる人に仕事を配分する」という至極当然のことをしますから、勢い正社員とパートタイマーの垣根はなくなりがちですshock

「同一労働同一賃金」は、労働法の大原則です。また、パートタイマーの活用も、企業存続に不可欠なイッシューです。この両立を経営課題と捉えて取り組む中小企業が「明日の勝者」になることは疑いがないと思いますsign01smile




2008年2月22日 (金)

公開セミナーやります。

来る4月9日(水)に「リスク最小!企業存続のための就業規則」と題したセミナーを開催します。

人事・労務管理の最前線におられる中小企業のオーナー、経営者の方に、是非お越しいただきたいと思っております。

企業は、社会的存在理由=顧客満足があってはじめて立ち上がることができます。経営環境に柔軟に対応しながら利益・キャッシュフローを生み出し、更に新たな顧客を創造することで企業存続が実現されるのです。企業存続がないと、昇給も賞与も福利厚生もありえません。

昨今、従業員満足(ES)が再び人事のキーワードになってきていますが、若年層の採用難や法令遵守の観点(反面としての内部告発の問題)の対処としては有効かもしれませんが、いわゆる衛生要因に過ぎず、企業業績向上に結びつくとは言えません。

よく「やる気のでる就業規則」<sign02なるタイトルを耳にしますが、私は嘘だsign01と思っています。就業規則は衛生要因であり動機付けにはなりません。

この一定の限界を踏まえて、それでも就業規則には、大きな役割があります。一所懸命に頑張る経営者や社員が事業に打ち込める環境を作ることを念頭に考えて、現時点での「回答」を示したいと思っておりますsmile

2008年2月15日 (金)

小冊子「社員の『自主性』を作る《素)》」

私どもの事務所では、不定期ではありますが、小冊子を発行しています。

日頃からマネジメントに関する知識を涵養することで、雇用環境の改善やトラブルを未然に防ぐことに役立てていただくことを目的としています。

経営者の方なら、資金繰りや税金のことは、創立時からご苦労されており、自ずと関心を持たれますが、「人」に関する問題は後回しになりがちです。何らかのトラブルが発生して初めて対策をshock、というケースが少なくありません。

すべてに共通のことかも知れませんが、ある日突然出現したと思われる問題も、深く静かに潜行し、時間を掛けて進行し事態は悪化しているものです。

特定社会保険労務士の使命は、もちろん実際に起こったトラブルを解決することもですが、その防止や労働環境の改善についての啓蒙も大きな部分を占めると思っていますsmile

本小冊子は、個人的なリーダーシップで動く組織から《組織的に動ける組織》へ、経営の舵取りをしようとされる経営者の皆様のためのドキュメンタリー・ストーリーです。
 個人的組織から企業的組織への移行は、もはや経営の至上命令かも知れません。「社員30名の壁」を痛感されている経営者の方には、ぜひお読みいただきたいと思っております。

 興味をお持ちの方は、下記よりお申し込みください。無料でお送りします。
http://www.e-roumu.com/

2008年2月 7日 (木)

期限迫る!税制適格退職年金の見直し

 最近、また退職金制度の見直しのご相談が増えてきました。ひとつには、65歳雇用義務法制化による問題があり、もうひとつには税制適格退職年金制度の廃止・移行の問題が背景となっています。

 税制適格退職年金制度は、1962年に法制化され、
�15名以上の対象者で加入できる。
�掛け金が全額損金処理できる。
等により、多くの中小企業に採用されてきました。

 ご存じのことと思いますが、同制度は、2002年の改正により廃止されており、既存の制度についても、2014年3月迄に廃止するか?他の制度に乗り換えるか?決めなければなりません。

 同制度の見直しが、ここに来てまた盛んになったのは、
�運用成績が改善し、積み立て不足額が減少した。
�確定拠出年金(DC・日本版401K)や確定給付年金(DB)等の乗り換え商品が出揃った。
�65歳雇用義務化により賃金コストの削減に迫られた。
�社員説明や官庁の許認可等の移行スケジュールを考えると期限が迫っている。
等の理由によるものと思います。

 退職金制度の見直しで、少々残念sadに思うことは、積み立て方法や節税等、財務的な問題からのアプローチが多いことです。退職金は、月例給与、賞与に次ぐ第三の賃金であり、本来、人事・労務管理の視点から検討されるべきものです。

 きっかけはともあれ、本質的な論議がなされることが望まれますsmile

厚生年金基金の見直しについてはこちらから
http://mroumu.exblog.jp/7885624/


2008年2月 1日 (金)

就業規則改定は今がチャンス!

 労働契約法が間もなく施行されます。同法の内容については、下記にまとめていますので、ご確認ください。

労働契約法の内容についてはこちらから
http://mroumu.exblog.jp/

 同法においては、就業規則の改定にあたり、一定の要件を満たし合理的なものである場合は、変更後の就業規則による労働条件が労働契約の内容となることが明記されました。

 法施行については、使用者の義務を強化した部分もあり、様々な法解釈や規則、通達等が出ることが予想されますが、これを先取りする形で、施行前に就業規則の改定を行えば、その制約を受けずに行えます。

 不払い残業の問題や古い退職金規程の見直しなど、人事・賃金制度の改定をお考えの企業には、好機の到来と言えるかもしれません。smile

 何れにしましても、新しい法律の制定前後は、労使双方に就労ルールを見直す機会です。単に法律論議に止まらず、本音で語り合うことで、様々な問題が解決できるのではないでしょうかsign02smile

2008年1月30日 (水)

簡潔な事例で経営を見直そう!

 強い組織や優秀な人材を作るにも、単純な施策や魔法のような方策が見当たらない時代です。かつて期待された《秘策》や《ノウハウ》は、その多くが満足を与えてはくれませんでした。やはり、コツコツと基本に忠実に経営努力を続けるべきなのでしょうか。
 もちろん、そうだと思いますが、努力を継続するにも《効果的な方法》があると思います。その方法とは《事例研究》です。
 複雑で多様になった昨今、難しい問題は一言や二言の格言で解決することはできません。しかし、様々な教訓を多面的に含む《事例》なら、問題解決につながるヒントを見出しやすいはずなのです。
しかもその事例研究が《毎月継続》できるものなら、その強化は徐々に大きくなるでしょう。そんな思いを込めて、私どもでは経営事例研究レポートを、月例でお届けしています。ご希望の方は、下記アドレスへ「レポート希望」と名前・送付先(住所又はFAX番号)をお知らせください。費用は必要ございません。

お申し込みはこちらから
post@e-roumu.com

☆☆ 今月のレポートタイトル ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
忘れられたか“叱られる”効用
事業成長に欠かせない人材の自己革新
 
☆☆ レポート概要(全5ページ) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【1】“叱れない”角界親方の特集記事が物語るもの
【2】今だからこそ思い出したい“叱られる”効用
【3】結局やはり“叱れなかった”A社の社長の現実
【4】失敗を恐れる“小賢しさ”が新規に挑む力を殺す
【5】人材の自己革新はそのまま事業チャンスの拡大

2008年1月28日 (月)

これも偽装でしょうか?

 これは、平成19年版労働経済白書に引用されているデータです。平成18年(2006年)から平成2年(1990年)の月間平均労働時間の推移を示しています。

 全業種の従業員5名以上の事業所が対象となっており、つまりは実質的に全国平均を意味しています。平成18年(2006年)で残業時間を含む月間総労働時間が、なんと150.9時間sign01となっています。

 8時間労働で月に19日働いていない計算です。逆に言えば月に11日休みのある勘定です。

 所定内だけでみますと、月間平均140.2時間ですから、同様な計算ですと月に18日弱しか働いておらず、13〜14日休みsign01のある計算になります。

 年間に換算すると総労働時間は1,811時間です。これは法定労働時間の年換算(365÷7×40で求める)の2,085時間を274時間も下回っています

 所定内で考えると、年1,682時間です。同様に法定労働時間との差は403時間にもなります。8時間労働ですと完全週休二日での休み(104日)の他に、年間50日休日・休暇がないと話が合いません。仮に7時間労働で年間125日の休日・休暇になる計算ですが、こんな中小企業どこにありますかsign02angry

 こんな統計を基にして労働政策は立案されています。実感と程遠い偽装統計はいい加減にして、実体経済に合わせた政策、立法を行わないと、健全な労使関係は成り立たず、日本経済は破綻します。

今度はマクドナルドですか・・・

 日本マクドナルドが店長を管理職として扱い、残業代を支払わないのは違法だとして、埼玉県内の店長が未払い残業代など計約1350万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、「店長の職務内容から管理職とはいえない」とし、同社に約755万円の支払いを命じたとのことです。

詳しい事実関係はこちらから
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080128AT1G2800O28012008.html 

 同社では今回のケースと同様な処遇の店長は、1700名sign01に上るそうですから、単純計算すると約128億の隠れ負債があることになります。同社の連結ベースの経常利益が約53億円(過去3カ年平均)ですから、2年半分の利益がなくなる計算です。つまりは、まともに賃金を支払ったら赤字sign02の可能性があるわけです。

 裁判で争ってはいますが、今回の判決は、過去の判例から見て至極当然の結果だと思います。会社的には、内部・外部の責任問題もあって、お家事情から争わざるを得なかったのでしょうshock

 マクドナルドでこれですから、他の外食産業は推して知るべしでしょう。この基準が適用されてくれば中小企業はひとたまりもありません。労働法制や社会保険負担が一人歩きして、企業の負担できる域を超えてしまっています。

 労働契約法や最低賃金法が制改定されましたが、旧来の枠組みからほとんど踏み出していませんangry。いわゆる偽装は止めて、本音の部分で労使関係を再構築しないと、少子高齢化社会の到来のずっと前に日本経済が崩壊してしまいます。

 

2008年1月23日 (水)

コナカ事件に思う

 いわゆるサービス残業、正確には賃金不払い残業というのでしょうか、紳士服大手の株式会社コナカが告発されました。横浜西労働基準監督署の是正指導を受けていましたが、残業代の精算はしていなかったようです。

 従業員の一人が、労働審判を申し立て、会社側が示談金600万円を支払うことで決着したようです。

事件の詳細はこちらから
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/jinji/index.cfm?i=2008012209840b4

 賃金債権の時効は2年ですから、600万円ということは、月額25万円を超える未払いがあったことになります。

 コナカでは、ホームページのIR情報で、一般従業員や管理職に対して、未払い賃金は精算したとしており、発表が嘘だったのか、精算額が過小であったと思われます。

コナカの発表はこちらから http://www.konaka.co.jp/ir/pdf/ketsujo/ketsujo_038.pdf 

 額にも驚きますが、その時間数にもちょっと驚きです。仮に申立人の給料が35万円だったとして、残業時間単価は、約2,500円ですから、未精算の部分だけで約100時間sign01の残業が認定されたことになります。これは、いわゆる労災の過労死基準では、完全にレッドカードcoldsweats02です。

 また、未払いの手口が、社員の4割以上を管理職としていたという稚拙きわまりないものであることも驚きです。東証一部に上場している会社がこれでは困りものですcoldsweats02
 
 コナカには、申立人と同様のポジションにいた社員が、約400名いるそうですから、隠れ負債24億円sign02です。
 
 コナカの自己資本は478億3百万円、創業35年ですから、一年当たり約13億円、未払い残業代の年額に相当するのは、皮肉な偶然でしょうかsign02


 松岡修造shockも困ってるでしょうね。経営統合したフタタも良い面の皮です。国会では「埋蔵金」論議が盛んですが、町の埋蔵金探しが流行ることがないよう祈っています。

(株)コナカの概要はこちらから
http://www.konaka.co.jp/company/gaikyo.html

2008年1月17日 (木)

開業15周年に実るはずの檸檬

 正月に植えた檸檬ですが、実際に実るのには、6〜7年かかるとか。実るころには15周年か・・・。

 未来を語ることの重要性は、成功者の多くが語るところです。心理学や組織行動論で語られる「自己成就的予言」の効能といえるのでしょうか、「こうなると思っているとこうなる」わけですから、とても楽観的な発想と言えます。

 ピグマリオン効果について書いたときも申し上げましたが、ポジティブな思いこみには魔法のような効果があるようです。

 檸檬の成長に託して、7年後開業15周年の未来予想図を書いてみたいと思います。人生設計は、�自分自身�仕事�家族�社会といった要素に分けて記述するのが常道でしょうが、仕事に絞って書きたいと思います。

�中小企業に貢献する「戦略型アウトソーシング」のビジネスモデルが確立されている。

�少なくとも5名のパートナーによるマネジメント体制が確立されており、福岡県に止まらず、東京airplane、名古屋又は大阪bullettrainに拠点が確立されている。

�一人当たりの生産性が1,500万円dollarに達し、他事務所水準の1.35倍の賃金水準を達成している。

�パートタイマーからの社員育成制度が確立しており、完全に自前で人材を調達できる状態にあり、「人材が育つ」風土をセールスポイントに新卒市場での競争力を確保している。

�ASPによるサービス提供を行い、大幅な効率アップを実現している。

�社員数100名以下の企業において、顧客満足度第一位の人事系アウトソーシング企業になる。

今は、夢みたいな話ですが、具体的な打ち手を考えることで、何となくワクワクしてきますsmile。これが、自己成就予言の効果でしょうかlovelysign02

皆さんも「初夢」をいかがですかsign02
興味のある方は、ビジネスブレークスルーが「人生設計シート」を期限付で提供しています。こちらからどうぞ。

http://www.lt-empower.com/mag2/konews/wmv_080104.html#ex

2008年1月11日 (金)

2008年経済・経営環境の見通しと15の対策


 例年、年頭にその年の経済・経営環境について見通しを書かせて貰っています。是非ご一読ください。

「年頭に当たって、今後の経済・経営環境の見通し」はこちらから。

http://mroumu.exblog.jp/7923691/

 オオカミ少年になるつもりはないのですが、益々厳しさを増しており、対策の実施は不可避だと思っております。

「企業存続・発展のための15の対策」はこちらから。
http://mroumu.exblog.jp/7958339/

2008年1月 9日 (水)

政令指定都市にも忍び寄る財政危機


 これは、平成16年度決算から算出した政令指定都市の財政状況です。表中のは注意信号・警戒水準、は赤信号・危険水準、超危険水準を示します。

 我らが福岡市、北九州市も非常に厳しい状況です。これから考えますと、オリンピック招致など狂気の沙汰shockといえる気がします。人工島事業の見直しを公約に掲げて当選した吉田福岡市長も、花嫁の真の姿を見て驚いたのか、医療関係者、患者の誰も賛成しない福岡市立こども病院の人工島移転も認める方向のようですcoldsweats02

読売新聞「人工島事業見直し公約の市長、止めれば損失大と推進へ」
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/jinkoutou/0712/ji_712_07120401.htm

 このことも地方財政健全化法の施行が影を落としていると思います。同法が第三セクター・地方公社等を含む財務指標公表を義務付けていることから、博多港開発(株)というブラックボックスを抱える福岡市は、選択の余地がないのではないでしょうか。吉田市長も十分な説明をしないまま推進を選択したわけですが、「粉飾決算をしますと」言えるわけもなく市政の責任者としては残念ながら当然の対応なのかもしれません。

 多少の誤魔化しは有ると思いますが、財政の逼迫は顕在化せざるを得ません。そのことを想定して、舵取りをすることが経営者には求められていると思います。

地方財政健全化法施行で迎える新局面


 これは、平成16年度決算から算出した九州・沖縄各県の財政状況です。表中のは注意信号・警戒水準、は赤信号・危険水準、超危険水準を示します。

 昨年、成立した地方財政健全化法が施行され、2008年度から第三セクター・地方公社等を含む財務指標公表を義務付けられます。

 公表を義務づけられる財務指標は、次の4項目です。�と�が今回新たに設定された指標です。
 
�実質赤字比率=税収や交付税に対する普通会計などの赤字額の割合

�連結実質赤字比率=観光事業や宅地造成事業も加えた全会計ベースでの赤字額の割合

�実質公債費比率=税収や交付税に対する地方債などの負債の大きさ

�将来負担比率=公営企業や第三セクターを含めて、財政規模に対する負債の重さを算出。将来、自治体が負担する可能性が高い実質的な負債の大きさを示す

 今年の秋には、これらの指標が公表されますが、1つでも基準に抵触した自治体は、財政健全化計画を策定・公表と外部監査が義務付けられます。
 
 財政指標がさらに悪化した自治体には、財政再生計画を策定・公表に国の同意が必要となる他、総務相が予算変更などを勧告できるなど、財政運営を大幅に制限されます。

 一般の企業では、連結決算の採用で規制された子会社への赤字や負債の飛ばしの問題が、地方自治体にも適用されるわけで、公営企業や第三セクターの赤字垂れ流しが白日の下にさらされることになります。

 東国原宮崎県知事の「どげんかせんといかん」は、日本中の知事の本心の叫びかもしれません。shock

地方財政健全化法についてはこちらから。
http://www.tohmatsu.com/news/ps/ps03/topics20070620.shtml



2008年1月 7日 (月)

忍び寄る財政破綻


 国・地方自治体の借入金残高は平成19年1月末現在1063兆円を超え、今も増え続けています。インターネットの「リアルタイム財政赤字カウンター」で毎秒単位の国・地方自治体の借入金残高が確認できますが、恐ろしいスピードで債務が増加していることが実感できます。

「リアルタイム財政赤字カウンター」はこちらから
http://www.kh-web.org/fin/

 国債費と社会保障費(現在約42兆円)が膨張して国税収入(現在約49兆円)を上回る勢いですから、予算が組めるのか?と不安になります。ムーディーズの国債格付は、先進主要国のほとんどがAAAであるのに対して日本だけAで信用がないのも悲しいかな頷けます。

日本の国家財政はOECD(経済協力開発機構)加盟30か国中で最悪です。1998年ロシアは債務残高GDP比60%で財政破綻し2600%のインフレ発生しましたが、日本の債務残高GDP比は既に160.5%で超危険水準にあります。

 昨年の参議院選挙で民主党が勝ち、年内にも総選挙といわれる状況の中、政府自民党も野党民主党も出てくる政策は、ばらまきになっています。日本の英知を信じますが、企業経営にも財政破綻が影をさす事態となってきました。「備えあれば憂いなし」できる対策を着実に行うことが慣用のようです。

2007年12月18日 (火)

長谷川塾に行ってきました。

 私の顧問先である株式会社ジャパンネットワークグループの齊藤社長が塾頭をなさっているご縁で、長谷川塾の例会に講師として参加しました。

 長谷川塾とは、キューサイ株式会社の長谷川常雄会長が自らの上場体験や経営ノウハウを、これから上場を目指したい人や、会社の業績を大きく伸ばしたいと思っている経営者の方々に役立ててもらいたいと願って、2000年5月に始められた塾です。

長谷川塾のホームページはこちらから
http://www.hasegawajyuku.jp/index.html

 長谷川塾には、私の顧問先も多く、元気な若手経営者が集まられていて、なかなか緊張sweat01しました。最初は、ちょうど今手がけている仕事=賃金再設定に伴う労働条件の不利益変更での雑感を観測気球代わりに話し始めました。伸び盛り企業の皆さんなので、今ひとつsign02の反応でした。午後一番の講師にとっては、魔の時間帯sleepyでしたので、質問応答に切り替えましたところ、日頃の労務管理の件について、活発な質問がありましたsmile

  育児休暇中のOL系サイトでは、「どうすれば一番有利か?」をはじめ「育児休暇で5年休む方法」等の論議がされていることをお話しました。これらのサイトのことは、雑誌のOL川柳で、6年間育児休業で姿を見ぬ先輩社員を詠んだものがあり知ったのですが・・・coldsweats02

 ここまでお話ししますと、何となく暗い雰囲気になったのですが、らでぃっしゅぼーや株式会社の緒方大助社長が、救ってくださいました。

 曰く「松田さん、大丈夫ですよsign01。社員のコモンセンスが働きますから。変なことする社員もいるでしょうけど、そんなやつは大多数の常識ある社員が自然と排除しますから。」

 さすが年商196億円、従業員361名の上場間近の企業のスキッパーは違います。経験に裏打ちされた自信が、長谷川塾らしく前向きな雰囲気を蘇らせていただきましたsmile

らでぃっしゅぼーや株式会社のホームページはこちらから
http://www.radishbo-ya.co.jp

 このコモンセンスの問題は、労組交渉や労働条件変更の実務をしながら、いつも感じることです。真摯な態度で適切な施策を行う経営者の下では、社員のコモンセンスが強力に働き、逆に常識を欠く経営者の下では、法律が幅をきかせるように感じます。やはり社員は「されたようにする」というのが実感です。

 しかし、会社が紳士的に振る舞っても、コモンセンスのない社員がいるのも事実で、法律的なリスクヘッジも重要であることは間違いありません。

 緒方社長をはじめ塾生の皆様のお陰で何とか持ち時間を乗り切ることができました。改めて感謝、感謝です。

2007年12月16日 (日)

スタッフ募集します!

私どもの事務所のスタッフを募集しますsmile

社会保険労務士の有資格者に限らず、広く人材を求めたいと思っております。

「戦略的アウトソーシング」を標榜しており、お客様の総務部人事課を目指しております。

作業や知識の提供を超えて、付加価値の高いサービスを提供したいと考えております。

私のモットーといいますか、考えを次の5項目に纏めました。詳しくはホーページから下記のブログをご覧ください。

http://mroumu.exblog.jp/

�問題や作業に囚われず、機会に集中する。
�お客様とWin-Winの関係を構築する。
�一糸乱れぬアドリブを目指そう。
�義を見てせざるは勇なきなり。
�ここで起こるすべてのことはスキッパーである私の責任です。

野心的な方の応募をお待ちしています。

募集方法等はこちらから
http://www.e-roumu.com/recruit.html




2007年11月22日 (木)

労働契約法案、今国会で成立の見通し

 継続審議となっていた労働契約法案ですが、11月8日に衆議院を通過し、今国会で成立の見通しとなりました。

 労働契約法案は、就業形態の多様化、個別労働関係紛争の増加等に対応し、個別の労使関係が良好なものとなるように、労働契約の締結から終了までのルールを整備しています。

 基本的解雇類型の指針化や解雇の金銭解決制度の導入等の一歩踏み込んだ目新しいものは見送られましたが、ほぼ確立された判例をもとに、明文化されています。

 具体的には、次のような事項が定められました。
�労働契約は労使の合意により決定され、契約内容はできるだけ書面により確認すること
�使用者の安全配慮義務の明文化
�就業規則不利益変更の法理の明文化(就業規則の変更が合理的な場合はその内容が労働契約の内容となる)
�解雇権濫用法理を労働契約法へ移行すること
�有期雇用契約に関する雇い止め規制の明文化
�使用者の懲戒権の濫用禁止の明文化

前述しましたように既に確立された判例に基づく法理を法文化しただけとも言えますが、実務的には、就業規則の不利益変更など注意が必要な点もあり、次回以降、個別に検証して行きたいと思いますsmile

2007年11月20日 (火)

格差社会について取材を受けました。

CX系の報道番組から電話取材を受けました。格差社会をテーマに、ワーキングプアに焦点を当てた番組を制作するので、福岡の雇用状況を知りたいとのことでしたshock
 
最低賃金レベルの業界や構造的な不況業種についての質問が主でした。お陰様で、私共の顧問先は、経営者も30代から40代前半までの伸び盛りの企業が多く、逆に元気企業の話ばかりになって、期待はずれsign02だったかもしれませんwink

 特に建設業界の倒産件数の増加について、ある程度、予見を持って誘導したいようでしたが、旧来の官需に頼る業者ならいざしらず、民需主体の企業や官需においてもニッチ市場を押さえている会社にあっては逆に業績を伸ばしており、業種・業界による決めつけはできないとの実感があり、いくつかの成功事例についてお話しました。
 
そうは言っても、取材の趣旨が、格差社会→ワーキングプアの図式ですから、何とか絞り出して、次のような話をしましたcoldsweats02

確かに建設業界、特に土木系の企業にあっては、官需主体のため、公共事業の予算削減や一般競争入札の影響を強く受けているのは確かだと思いますが、積算基準が比較的明確にあるだけまだ良いといえるかもしれません。

大型の設備を必要とせず、人件費が主なコストの業界、例えば警備やビル管理・清掃などの業者は、さらに厳しいと思います。特に福岡県の周辺部では、官需主体の企業も多く、予算の削減の煽りを諸に受けています。

毎年、一般競争入札の洗礼を受けるわけですから、翌年があるかどうか全く予想がつかず、人に対する投資ができる環境にありません。現場で働く方々は、最低賃金レベルで働くことの引き換えに、入札で勝った会社で雇用を継続されることになりますが、つまりは完全なフロー人材の位置づけですから、教育投資等の対象とはならず、付加価値を高める機会には恵まれません。

労働集約型でその質が向上しないとなるとデフレ・スパイラルに巻き込まれるのは必至で悪循環です。この状況下では、企業は、ファミリービジネスで地域・業種等に特化するか、持たざる経営でコスト削減に徹し、広域・規模拡大で商社的な口銭商売とするか、の二者択一を迫られることになります。

易きに流れず、経営者はイノベーターとして新しい経営資源の組み合わせ(ビジネスモデル)の創造、労働者は知識・技能の向上を図ることが望まれます。逆説的ですが、労働者の再調達コストを上げることが、労使双方の利益になると思います。

「社員の戦力化にどれだけかかりますか?」の問いに、「1ヶ月ですかね。」と答えるようでは駄目なのです。 私共も機会を捉えて、人事労務管理の立場から何ができるのか?を考えて行きたいと思います。

2007年11月 1日 (木)

「その解雇、5百万円也!?」 その5

訴訟が進む中で、賃金不払いの提訴が行われることも多いようです。いわゆる「不払い残業」のことですが、労務管理の脇のあまい中小企業では大きな痛手となるケースもあります。

月給25万円の社員の残業時間単価は、約1,800円です。1日1時間の不払いがあったとして、月の所定出勤日数が22日とすると、月約4万円になります。賃金債権の時効は2年ですから、最大約100万円の支出を迫られる可能性があります。

不払い残業是正指導についてはこちらから
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/10/h1002-1.html

関連記事はこちらから
http://mainichi.jp/select/biz/news/20071010k0000m020181000c.html

 敗訴しますと、相手方の訴訟費用を負担coldsweats02させられることもありますし、控訴でもすれば、弁護士費用も更に掛かることにおなります。

訴訟費用が被告負担となった事例はこちらから
http://www.miraikan.go.jp/hourei/case_detail.php?id=20060514144826
 
 解雇の負の経済効果を検証してきましたが、500万円という額が高い数値でないことは、十分に理解いただけると思います。

 経営者は、解雇を恐れる必要はないと思います。企業の発展・存続がないと労働条件も何もないわけですから、それを阻害する問題社員の存在は看過できません。

 解雇のリスクを十分理解したうえで、会社や社員を守るために、必要な手順は順守されなければなりません。「覆水盆に返らず」です。転ばぬ先の杖、くれぐれもご注意ください。

「その解雇、5百万円也!?」 その4

本訴では、賃金の他に不当解雇を受けた精神的な苦痛として慰謝料を求められます。事情によって異なりますが、200万円〜400万円sign01の請求になると思います。実際に認められるのは、20万円〜50万円とは思いますが、弁護士費用は、訴額と経済的利益を評価して決められますから、追加費用が発生してくることも十分考えられます。

不当解雇で慰謝料等200万円の支払いが認められたケースはこちらから 
http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20071005ddlk19040311000c.html

パート社員解雇無効で慰謝料50万円の事例はこちらから
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/200404512.html


 裁判が進行していきますと、社長をはじめ、事情を知っている社員の証人尋問も避けて通れませんsad。その日、仕事を休むことになるだけでなく、弁護士との打ち合わせ等もありますから、失われる人件費も馬鹿になりません。

訴訟に至るまでに、監督署や団体交渉の対応で、社長や担当者は、既にかなりの労力を費やしていますから、解決までの機会損失を人件費換算すると100万円の単位にはなるのではないでしょうか。(つづく)

「その解雇、5百万円也!?」 その3

 団体交渉に対して不誠実な対応だと判断すると組合の支援を受けた社員は、法廷闘争に訴えて来ます。

 まず、訴訟告知とともに、「地位保全および賃金支払いの仮処分」を申請してきます。ここに及ぶと会社は対応が不可能となりますので、弁護士に依頼することになります。着手金と諸掛りで40万〜50万円前後の支出shockになります。

弁護士報酬に関してはこちらから
http://www.nichibenren.or.jp/ja/attorneys_fee/data/guide.pdf


 一般に、地位保全、つまり職場に復帰させるという仮処分は認められるケースは少ないと思いますが、賃金支払いの仮処分は認められるケースが多いと思います。「明日から来なくていいぞ!」のケースでは、解雇にいたる適切なプロセスを踏んでいないため、犯罪的は非行でもない限りは、会社にとっては難しいと思いますsad

 賃金支払いの仮処分が認められますと、通常支払われる賃金(月給者なら月給、日給者・時給者なら平均賃金の1カ月分相当)を支払続けながら、本訴を戦うことになります。労働裁判の第一審の判決が出るまでに、1年〜1年6か月くらい掛かりますから、月給25万円の平均的な社員でも300万円sign01を超える支出になります。勝訴すれば帰ってくるとはいうものの、完全勝利は考えられませんから、一度出したお金を取り戻すのは至難ですcoldsweats02

地位保全の仮処分を認めたケースはこちらから
http://www.jil.go.jp/mm/hanrei/20030214c.html

「その解雇、5百万円也!?」その2

 解雇トラブルで発生する「負」の経済効果について、少々、検討してみましょう。

 まず、社員の側の打ち手としては、労働基準局等への申し立てが考えられます。この段階で早期解決が図れると、ダメージは最小限に留めることができますが、会社が対応を誤ると訴訟に発展するケースも少なくありません。

 訴訟費用が掛かるので訴えたりはしないだろうと高を括るのは大間違いです。解雇トラブルの解決を求める社員には、労働組合という味方があります。数千円の組合費で闘争のサポート受けられるのです。訴訟となれば別に費用は掛かりますが、会社から回収したお金で払えばいいのですから、初期費用は余り掛りません。

 組合に加入した社員は、団体交渉を求めてきますが、会社にとっては、これが2回目のチャンスです。ここで解決できれば、お金は余りかかりません。最近の労働組合は、無茶な要求はしませんし、問題社員を教育もしてくれますから、事実関係をしっかり主張して妥協点を見出すべきでしょう。(つづく)

「その解雇、5百万円也!?」 その1

「明日から来なくていいぞ!」。中小企業の社長なら、一度は口にされた言葉ではないでしょうか?絶対的な人事権のあるオーナー社長のこの言葉は、「解雇通知」と看做されます。

 特定社労士の仕事をしていますと、ひとしきり揉めた後で、ご相談に与るケースが多いのですが、後処理は大変、辛いものになりますshock

 ご承知のことと思いますが、解雇は使用者の一方的な意思表示による雇用契約の解消ですから、「解雇権濫用法理」により厳しく制限されています。

 従来、判例法理とされていた「解雇権濫用法理」が改正労基法(平成16年1月1日施行)では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と明定されました。

 第三者的に判断して、解雇トラブルは、社員に何らかの非があります。いわゆる「問題社員」に堪忍袋の緒が切れたパターンが多く、社長としては耐えに耐えた挙句、「まだ、分らんのか?もういいでしょう!」と爆発するわけですが、葵の印籠と違って、解雇という伝家の宝刀には、手順が重要になります。(つづく)


解雇権濫用法理についてはこちらから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%A3%E9%9B%87

改正労基法の概要はこちらから
http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/11/dl/tp1111-1a.pdf


2007年10月25日 (木)

増収増益を目指す経営者の方へ

 開業以来、共に歩んできました�TG総研の原田秀樹氏が、儲けに直結したキャッシュフロー経営の手法」と題してセミナーを開催します。
 
 お客様の税務・財務を預かる中で培った実践的なコンサルティングには定評があり、広告営業を一切行わず、口コミと紹介のみで開業わずか三年で顧問先100社を数えます。
 
 社長相対でのコンサルティングを信条としており、今時、ホームページも待たない変わり者sign02です。
 
 しかしながら、彼の顧問先は、その9割以上増収増益の黒字企業です。めったにオープン・セミナーは行いませんから、この機会に参加されてはいかがでしょうか?
 
日時は、2007年11月12日(月)15:00〜17:00です。

参加希望、お問い合わせは、当事務所へお電話・メールでお願いします。


 
 

2007年10月14日 (日)

解雇が招く労務トラブル

 
 このグラフは、平成18年度の民事上の個別労働紛争の発生件数を、その発生原因により分類したものです。
 解雇23.8%退職勧奨7.3%>を併せますと全体の3割を超えることがわかります。
 このグラフは、平成18年度のあっせんの発生件数を、その発生原因により分類したものです。
 解雇39.4%退職勧奨6.8%を併せますと全体の半数近<に上ります。
 相談からあっせんへ、労務トラブルの深刻さが増すと、解雇・退職勧奨といった退職を巡る問題が発生原因の上位を占めることになります。

 これは解雇も退職勧奨も、労働者の意思に反する労働契約の解除であることから、生活の糧を失うという重大性とともに、トラブルが深刻化するものと思われます。

 特に解雇は、使用者の一方的な意思表示による労働契約の解除ですから、法律上の制約も多く、労働者は手厚く保護されています。労働審判制度やあっせん・調停等のADR制度の充実を受け、労働者が法手続きにより自らの権利を主張annoyする機会は整備されています。

 他方、中小企業の労務管理は、リスクマネジメントの域に達しておらず、無防備coldsweats02な状況です。

 このような状況を踏まえ、トラブルの未然防止の観点から、考察を加えて行きたいと思います。(続く)

2007年10月 9日 (火)

個別労働紛争解決制度の利用が引き続き拡大

 厚生労働省が、平成18年度個別労働紛争解決制度施行状況を発表しています。相談件数というのは、厚生労働省の労働紛争の認知件数に当たると考えらますが、グラフの通り、統計を開始した平成13年度以降、右肩上がりで増加しており、平成18年度では、相談件数が全国で94万件を超え、その内、民事上の紛争相談件数も18万件に上っています。

 これには、様々な要因があると思いますが、主に次のことが考えられます。

�バブル崩壊以降の長期化した不況の中、リストラや成果主義の導入が行われ、長期雇用慣行が崩れ、労使ともに時価主義「その場限り精算」の風潮が高まった。

�産業の高度化、ソフト化により集団的な雇用管理が実情に合わず、個別管理が主流となった。その裏返しとして、労働組合は、組織率20%を下回り、労働紛争解決の主体としての機能を失った。

�経営者の依然として低い雇用管理意識と労働者の権利意識の著しい高まりは、大きなギャップを生んでおり、インターネットによる豊富かつ取得容易な情報は、それに拍車をかけている。

�厚生労働省の方針として、雇用トラブルを受け付ける窓口を拡充しており、労働者の異議申立を容易にしている。

 福岡県の平成18年度の実績は、総合相談件数が9.8%増41,593件、民事上の個別労働紛争相談件数が13.9%増の6,904件に上っています。増加率は全国平均を上回っており、福岡県の交通事故の認知件数は5万件前後で推移していることから、個別労働紛争も同様なレベルまで一般化したといえます。

 個別労使紛争は、一度起こりますと、社内に調整役がおらず、解決が長期化します。未然防止が肝要ですが、それには日々の労務管理が重要になります。備えは十分でしょうか?

平成18年度個別労働紛争解決制度施行状況はこちら
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/05/h0525-1.html

2007年9月30日 (日)

求人難、実感されていますか?�

 ��でも触れましたが、求人倍率とは公共職業安定所(ハローワーク)を通じた求人数を求職者で割った数値です。求人倍率が高いということは、求人数の増加、求職者の減少を意味します。
 
 あるハローワークでこんな話がありました。
 
 卸売業の会社が、倉庫軽作業のパートタイマーを、ハローワークを通じて募集したところ、全く反応がありません。以前ですと、10人単位で応募があったのですが、いかに売り手市場といっても極端な話です。 社長は求人票に問題がないか検討することにしました。

 気になる言葉を発見します。「ハローワークの紹介状持参」が選考方法に必須となっていました。今回の求人は、会社の近隣にお住いの主婦層をターゲットlovelyとしており、気軽に応募してもらおうと考えていました。ハローワークから遠いこの地域としては、この項目がネックになっていることが懸念coldsweats02されました。

 そこでハローワークに見直しをお願いしたところ、ノーの返事。曰く「自分たちも実績が欲しい」とのことです。つまりは自分たちの実績にならない直接応募を除外しようということのようです。

 今回の求人の趣旨を説明し、インターネット・ハローワークにも求職登録者以外にも無制限で情報公開していることや他のハローワークでこのような例がないことも指摘しましたが、やはりノーangryでした。

 実際のマッチングよりも自分たちの実績を重視する、さすが厚生労働省shockという感じですが、それだけハローワークの紹介実績も落ちてるんでしょう。

 雇用が改善すると民間で解決できる、この分野については官は民の補完で十分とは思いますが・・・。三割職安が一割になっても、他の重要なミッションもあるのですから、よくよく考えてほしいものですwink


2007年9月28日 (金)

求人難、実感されていますか?�

 パートタイマーの雇用情勢について、もう少々、検討を加えたいと思います。

 セブンイレブンをはじめ、コンビニ業界でもパート・アルバイトの求人難が報じられています。私どものお客様でも、パート・アルバイトの応募の減少を耳にします。

 �と同様、福岡県の求人倍率の数字を見てみましょう。
パートタイマーの有効求人倍率1.14新規求人倍率2.15となっています。

 これは、一般の有効求人倍率0.78、新規求人倍率1.34を大きく凌いでおり、完全に売り手市場化しています。

 来年4月には、パートタイム労働法が改正されます。大手スパーやレストランチェーンでは、それを先取りし、パートタイマーの待遇改善を行っています。

 今までも大型ショッピングモールの出店が、その地域のパートタイマーの雇用情勢を一変させてきましたが、今後も中小企業にとっては迷惑?coldsweats02な存在のようです。 

 中小企業においても何らかの取り組みが必要な状況にあります。

パートタイム労働法の改正点はこちらから
http://www.e-roumu.com/jinji0707.html

求人倍率の解説はこちらから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E5%8A%B9%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%80%8D%E7%8E%87

2007年9月27日 (木)

求人難、実感されてますか?�

 経営者の方、人事担当の方、求人難を感じられていませんか?

 新卒者の内定率が、バブル期の水準を凌ぐ状況であることは種々の報道でご存じのことと思います。

 しかし、中小企業においては、やはり新卒市場より中途市場が主戦場になると思います。私どもお客様でも、求人難の話をよく耳にするようになりました。

 「職安に正社員の募集をかけたけど全く反応がない。」
 「折込に求人出したけど反応なし。以前なら二桁の応募があったのに」等々

 雇用情勢の指標である求人倍率を見てみましょう。九州ということで福岡県を取り上げます。

 平成14年を底として、求人倍率は改善を続けており、本年7月度で有効求人倍率0.92(全国1.07)、新規求人倍率1.39(全国1.55)となっています。

 全国水準からはやや低めですが、求職者には何らかの求人がある状況といえますから、企業が選んでいた状況から企業が選ばれる状況に変わったといえます。

 求人倍率は、あくまでもハローワークを通じた求人求職の統計です。以前から三割職安といわれるように、広告、民間紹介や縁故の採用が主流ですから、実態はもっと改善が進んでいるかもしれません。

求人倍率の解説はこちらから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E5%8A%B9%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%80%8D%E7%8E%87

福岡の雇用失業情勢はこちらから
http://www.fukuoka.plb.go.jp/10antei/antei01.pdf

2007年9月26日 (水)

一緒に花を咲かせましょう。インターン募集のお知らせ。

 当事務所では、福岡県社会保険労務士会のインターンシップ制度に協力し、インターンシップを受け入れて参りました。
 新たに資格を取得した方に、社労士事務所での勤務経験を提供するとともに、当事務所としても人材発掘の機会として位置付けております。
 フリーランスの厳しさを生き抜くためには、インターンシップの価値が理解できることが一つの試金石であり、専門士業の採用・人材育成の手法として、インターンシップは、Win-Winを実現する制度だと考えます。
 今回、社労士会の制度によらず、当事務所独自でインターンシップを募集します。ホームページ(リンク参照)に募集要項を公開しています。要項を確認いただき、了解いただける方の応募をお待ちしております。


2007年9月25日 (火)

事務所八景

私どもの事務所があります「FRCビル」の全景です。お客様から「なんで多の津なの?」と言われることがよくあります。説明になるかどうかわかりませんが少々自分なりに点検したいと思います。お客様の所在地が、東京〜鹿児島までと結構広域でして、福岡県をとっても全県区の感じなんです。都市高速は1分で乗れますし、福岡インターにも10分とかかりませんので、車での移動には便利です。銀行、郵便局、内科から歯科までビル内に全部揃ってまして、オフィスとしては至極便利です。入居したころはバブル崩壊の余波で空室だらけでしたが、今では9割近い入居率になりました。

9階の南側ですが、結構見晴らしがいいです。遠くは福岡タワー・ヤフードームまで見渡せますし、福岡空港も近いので、航空機の離発着も見られます。夕暮れどきは特に奇麗です。東京行きや国際線の飛行機をぼんやり眺めながら、なんとなくまだ見ぬ多くのお客様を想像したりします。間近には新幹線の高架もありまして、京阪神にも道は続いてるというか、何となく鼓舞されているような気がします。公園の緑もありますので、春は桜もいい感じです。

駐車場も結構ありまして、車通勤の方には快適です。
都心部と違いゆっくりしてまして、花も結構咲いています。この辺りは古い建物のいいところでしょうか。
恥ずかしいことですが、入居して4年になりますが、最近、やっと気づきました。景色を愛でる余裕なんてなかったんですねsad



なんという花かは存じませんが、白・紅・ピンクと様々に目を楽しませてくれます。
花屋さんで売ってるような感じでなく、なんとなくポアンと優しく癒し系です。鈴木英人に「Couple Heart」という西洋牡丹を書いた絵がありますが何となくそんなイメージで撮りました。

>ニラに似た小さな花ですが、結構、近づくと清楚で奇麗です。蟻も頑張ってました。


咲きかけの一輪とまだ固い蕾、私どもの事務所と同じ雰囲気でしょうか?
まだまだ種を蒔いたり、芽を出したりと、新たな人材の発掘、育成も必要ですが、何とかその土壌ができたかな?という今日この頃です。
やはり、風雨に負けず花を咲かすには、時間と手間が必要なんだと痛感しております。
事務所の窓から見る空、特に夕暮時の空は大好きです。
職員が皆帰って、一人で見る夕空は、何となく感じ入るものがあります。
一日の反省と共に暮れる空、やがて浮かび上がる夜景は、今日と違うはずの明日を予感させてくれます。
東の外れからみる福岡もなかなかいいもだと思います。




2007年9月10日 (月)

家業からパートナーシップへ

 社労士の仕事は、資格試験をパスした個人が無限責任で行うことが原則です。これは他の士業と変わりません。
 
 無限責任の厳しいダモクレスの剣がないと業務水準が維持できないのかもしれません。逆にいえば、社労士は、そのマネジメント能力については未知数ですから、そもそも資格の限界といえるでしょう。

 他方、お客様はどうでしょう。肝心要のこととなると担当者を頭越しに所長である私に確認が入ります。このことについては担当者に資格があろうがなかろうが余り関係がないようです。これは「何を話しているか」よりも「誰が話しているか」が重要だということかもしれません。経営者は、決断を下すとき、自分と同じく腹の決まった人間の話を聞くということです。

 本来、プロであれば「何を話しているか」が、まず大事だと思います。社労士の領域である労働法、年金等の問題は、社会全体の矛盾を受け複雑化し変貌して行きます。そのスピードは更に激しく、その中で「What」を決めていかなければなりません。すべての領域でこれを実現するのは困難です。

 再び、お客様です。できればワンストップですべての相談ができればと思われるでしょう。そこまでのことはないにしても、専門家にはその領域のすべてに対応することを望まれるでしょう。

 ここに大きな矛盾があります。個人であることによる責任の明確さと多様性の限界。「誰が話しているか」と「何を話しているか」の両立とでもいいますか。

 この問題を解決するには、個の確立したプロフェッショナルがパートナーシップを組むことができるマネジメントが必要となります。同族ではないファーム的発想による社労士法人、そいうった組織作りを視野に入れ解決を図りたいと思います。

 遠大な話かもしれませんが、行く道は行かざるを得ませんから。

 

2007年9月 7日 (金)

福岡県の最低賃金固まる。中央審議会答申を上回る。

 福岡県の最低賃金が、11円アップの663円に決まったようです。正式には、9月28日付官報で発表されるようですが、決定の遅れからか、例年と異なり10月1日改正とはならず少々ずれ込むようです。

 先日のブログに長崎県の例を書きましたが、福岡県も中央最低賃金審議会の答申額(Cランク9〜10円)を上回る水準で決定しました。予想された通り、この傾向は、九州の他地区にも波及するものと思われます。

 福岡県の最低賃金は、フルタイム働いたとして、年収ベースで約138万円、社会保険料等を差し引いた月の手取りとなりますと約10万円です。

 他方、福岡市の標準生計費(月額)は、平成17年度の統計で、(1人世帯)127,760円、(2人世帯)173,950円、(3人世帯)203,280円、(4人世帯)232,610円、(5人世帯)261,920円です。

 最低賃金は、1人世帯の標準生計費を下回っており、ある意味、標準的な生活水準を維持するためには、2ヶ所勤務や共働きを前提にしているとも言えると思います。

 最低賃金の引き上げは、総論としては反対する人はいないと思いますが、各論となりますとなかなか複雑です。それは世界最高水準?ともいえる中高齢の給与水準があり、既得権の岩盤があるからです。これは、労使の対決の図式ではなく、労労対決であり、年金問題と同じ世代間抗争でもあるからです。

 私どもの仇敵、既得権の権化である労働組合も、ようやくパートタイマー等非正規労働者重視へ方針を変更したようです。これは正規労働者の組合離れによる組織率の低下を非正規社員の取り込みで補おうとする組合の当然の成り行きですが、ある種、組合の原点回帰といえるかもしれません。

 同一労働同一賃金という賃金支払い上の大原則がありますが、この原則が文字通りの意味で、問い直される時期が来ているように感じます。

 このテーマは、特定社労士の現場では、いつも直面していることです。次回以降は、同一労働同一賃金について、実例を交えながら、考えて行きたいと思います。

2007年9月 4日 (火)

最低賃金の確認法

 前回、最低賃金が10月から大幅?に変更されること、パート・アルバイト等非正規社員はご自分の賃金が最低賃金を満たしているかチェックされるべきことを申し上げました。その確認方法について書こうと思います。

最低賃金の種類
まず、最低賃金にはいくつか種類がありますので、自分に適用される最低賃金額を確認ください。ご自分のエリアの労働局のホームページで確認ください。

� 地域別最低賃金
� 産業別最低賃金
� 労働協約の拡張適用による地域的最低賃金

 �は全国で2種類しかありませんし、�は全国で249種類、福岡県ですと、製鉄業、百貨店・スーパー等6種類ですから、ほとんどの方が�の地域別最低賃金が適用されます。

福岡県労働局 http://www.fukuoka.plb.go.jp/8chingin/chingin01.html

最低賃金の対象となる賃金smile
 最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金に限られます。具体的には、基本給と諸手当が対象となりますが、以下の賃金は最低賃金の対象から除外されますのでご注意ください。

�臨時に支払われる賃金=結婚手当や出産祝い金など
�1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金=賞与や四半期ごとに支払われる業績手当等
�所定労働時間を超える期間の労働に対して支払われる賃金=残業手当等
�所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金=休日出勤手当、日直手当等
�午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分 =深夜割増賃金など
�精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

最低賃金以上となっているかどうかの確認方法smile
 確認方法としては、最低賃金とご自身が受け取っている最低賃金の対象となる賃金を次のようにして比較します。

� 時間給の場合
  時間給≧最低賃金額(時間額)

� 日給の場合
  日給÷1日の所定労働時間※≧最低賃金(時間額)
  最低賃金に日給額の規定がある場合はその額と比較しますが、現在のところ、九州管内では設定がありません。
※1日の所定労働時間は8時間以内になります。

� ��以外の週給や月給の場合
  賃金額を時間当たりの金額に換算し、最低賃金(時間額)と比較します。
  ただし、日額が定められている産業別最低賃金が適用される場合には、賃金額と最低賃金額の日額のそれぞれを時間当たりの金額に換算して比較します。

計算例
� 月給総額155,000円 内訳(基本給100,000円 業務手当10,000円 家族手当20,000円 皆勤手当10,000円通勤手当15,000円)

� 所定労働時間
年間所定労働日数 260日 × 1日の所定労働時間 8時間

� 確認のための計算※福岡県平成18年度価額の例

最低賃金の対象となる賃金額(基本給100,000円+業務手当10,000円)
260日×8時間÷12 ※

 これを計算しますと 635円<652円 となりますので、このケースは最低賃金を満たさないことになりますsad
 ※年間所定労働時間数は、法定労働時間の年間総暦日数÷7×40=2,085(閏年2,091)を超えることはありません。

2007年9月 2日 (日)

最低賃金割れ続出の予感

 今年6月、厚生労働省が実施した調査によりますと、全体の6.4%に当たる企業で最低賃金よりも安い賃金を払っていたケースが確認されたそうです。特に女性や非正規社員の方々に多く見られたようです。

※興味のある方は、NHKのホームページに記事がありますのでご覧ください。
  http://www3.nhk.or.jp/news/2007/09/02/d20070902000058.html

 企業サイドの代理人として仕事をすることが多い私ですが、誤解を恐れず申しますと最低賃金を守れない企業、経営者は市場から去るべきだと思います。賃金は、企業からみればコストかもしれませんが、創造した付加価値の分配であり、最低賃金をシェアできない水準の付加価値しか生み出せない企業には存在価値がないと言わざるを得ません。身を削る思いで歯を食いしばりながら、最低賃金を守っている多くの経営者に対しては、不正競争を行っているのですから、その点からも許しがたいと思います。


 ワーキングプアの問題や生活保護との所得水準の兼ね合いから、最低賃金の引上げの論議が盛んなっています。最低賃金法の改正も俎上に上っていますが、いわゆるホワイトカラーエグゼンプションの問題も絡んで、暗礁に乗り上げていますが…。

 法の改正を待たず、中央最低賃金審議会では、金額について一致を見なかったものの、改定額の目安として、大幅アップの答申がなされました。全国の移動平均で14円のアップですから、従来のアップ額から考えると思いきった数字だと思います。答申額は、全国をA〜Dの地域に区分して示されています。

※厚生労働省のホームページにありますのでご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/s0810-4.html

 九州では、福岡県がCランクで9〜10円、それ以外はDランクで6〜7円アップの答申となっています。この答申を受け、各県で審議されるのですが、長崎県では、611円から619円の8円アップで決定したようです。これは中央最低賃金審議会の答申額を上回っており、他県においても同様の傾向が予想されます。

 パートタイマーをはじめ非正規社員の方々は、最低賃金が上がらないと実質賃上げがないのが、中小企業の現状と思いますので、結構、影響は大きいと思います。商工会議所などは中小企業にインパクトが大きすぎると大反対のようです。

 新しい最低賃金は、来月から適用されます。決定額は、各県の労働局のホームページに公開され、順次、確認できるようになります。パートタイマーをはじめ非正規社員の方々は、一度確認されることをお奨めします。

2007年8月31日 (金)

はじめまして。特定社労士の松田です。

皆さん、はじめまして。特定社会保険労務士の松田と申します。

開業して八年目、社労士2名を含む6名のスタッフで、日々、人事・労務問題の解決に取り組んでいます。

特定社会保険労務士をご存じでしょうか?

社会保険労務士の中で「紛争解決代理業務試験」に合格し、厚生労働大臣から紛争解決の代理業務を行うことを認められた者を「特定社会保険労務士」といいます。本年4月から代理業務は解禁されました。

紛争解決の代理業務の対象は次のとおりです。

� 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の調停の手続
� 都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争に関するあっせんの手続
� 個別労働関係紛争(紛争の目的の価額が60万円を超える場合には、弁護士が共同受任しているものに限る。)に関する民間紛争解決手続であって、厚生労働大臣が指定するものが行うもの

紛争解決手続代理業務には、紛争解決手続について相談に応ずること、当該手続の開始から終了に至るまでの間に和解の交渉を行うこと及び当該手続により成立した和解における合意を内容とする契約を締結することが含まれることも含まれます。

 これは規制緩和の一環として、ADR(裁判外紛争処理)を推進することから認められた制度です。今までは、労使紛争解決には、訴訟や弁護士に依頼すしかなく、時間もお金もかかり、一般の方では、事実上、諦めざるを得ない状況でした。昨年の労働審判制度の導入と相まって、劇的に変化すると思います。

 社会保険労務士は、代理業務解禁前も、労務管理の一環としてADRに関わってきたこともあり、これを契機に職務領域が広がるものと思います。また、社労士法の改正で、労働争議介入禁止規定が削除されましたので、労使紛争解決の担い手としての地位も確立されてきました。

 私は、開業以来、企業の顧問として労使紛争と向き合って来ました。「社労士=手続き?」、「社労士=助成金?」との思いも強く、人一倍、注力してきたつもりです。このブログでは、通常業務だけでなく、特定社労士の仕事についても、積極的に書いていくつもりです。それが、労使関係の前進につながれば幸いです。