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理念から始める会社のルール、就業規則 Feed

2011年9月15日 (木)

会社のルールを考える  ⑬ 経営理念、ビジョンの重要性

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チェスター・I・バーナード(Chester I. Barnard)は、その著書、『経営者の役割』(The Functions of the Executive)の中で、組織の成立要件として、共通の目的、貢献意欲(協働意志)、コミュニケーションの三つを挙げています。

 まず、組織に参加するかしないかの判断基準として、組織が有する「共通の目的」と自分の目的が合致するかどうかがカギとなります。

 目的が明確でないと参加・不参加の判断ができませんし、参加したとしても自分がどのようなかたちで組織に貢献できるのかも分かりません。

 組織には「旗印」が重要で、戦国時代では徳川家康の「厭離穢土欣求浄土」が有名ですが、現代企業では経営理念やビジョンがそれに当たります。

 旗色を鮮明にすることで、貢献意欲の高い従業員が集まり、理念の下にコミュニケーションが促進される好循環を生み出すことから、経営理念やビジョンの確立は、企業経営にとって最重要な課題といえるでしょう。

 多くの経営書では、経営理念やビジョンを経営のスタートに位置づけていますので、経営であれば、ほとんどの方が創業時から掲げていらっしゃいます。

 ところが「清く正しく美しく」調で、学んだもの、悪く言いますと「取って付けた」ものが多いと感じます。

 経営理念は、自分ルールの会社版なのですから、経営者に根付いたものでなければなりませんから、経営者の自分ルールと離れたところにはありません。

 自分の言葉で、自分の旗をたてなければいけないのです。

 

2011年9月14日 (水)

会社のルールを考える ⑫まず、自分ルールを作ろう!

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自分への理解を深め、次にすべきことは、自分ルールを作り、家族をはじめ協力者の方々に宣言することです。

 自分ルールは、自分と家族が幸せになるための原理原則であり、行動の規範です。このステップを飛ばして起業や経営理念に走ると、手段が目的化し、せっかくの起業や理念もお仕着せの空疎なものになってしまいます。

  私は、開業後の敗戦処理が一段落すると、自らの失敗を振り返り、その真因を探るべきだと思いましたが、なかなか答えを見いだせずにいました。

  二年ほど前、NHKで白洲次郎氏の生涯を描いたドラマが放映されました。同氏は、GHQをして「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめたとか、「占領を背負った男」や「風の男」などの異名を持つ伝説の人物ですから、皆様もご存じのことと思います。特に、白いTシャツとGパン姿の写真は鮮烈でした。

  同氏の生涯は、白洲次郎流とでもいうべきPrinciple(原理原則、主義)で貫かれており、深い感銘を受けました。

 Principleは、戦前の軍国主義との政争、戦中の疎開生活、戦後の占領下でのGHQとの交渉、講和独立とどこで圧し折れても不思議のない修羅場を乗り切った原動力だと思います。

逆に、私の失敗の真因はPrincipleの欠如だと気づきました。

白洲次郎は戦後の日本を有様を「プリンシプルのない日本人」と嘆いておられたそうですが、どうもこれは私だけの問題ではなく、経営者の多くは同様の状態にあるのではと感じています。

  ○○主義とまでは行かなくとも、自分ルールを確立し宣言することで、我を捨て経営にも邁進することができると思います。

 

2011年9月13日 (火)

会社のルールを考える ⑪経営者が自分を理解することの重要性

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 私が、最も後悔したことは、自分自身を十分に理解しないまま開業してしまったことです。人事スタッフとして当時流行の専門職志向、自己実現やキャリアアップなど漠然とした言葉に流されて開業を選択し、自分の人生の目的を明確にしないまま、荒海に船出し、家族を危険に晒してしまいました。
 
 

 しっかりした目的意識がないものですから、順風の内は何とかなるのですが、一旦、逆風となりますと方向が全く定まらず、手段が目的化し、経営を維持するために形振り構わずやってしまう。碇のない船は哀れです。
 
 

 自分理解の定義は様々でしょうが、起業に当たっては、自分の幸せとは何かに答えを持つことが重要です。自分は、どんなときに「嬉しい、楽しい、大好き」を感じるのか、誰とそれを分かち合いたいのか、イメージできれば選択を誤らないと思います。
 
 

 私は、失意の底にあって、セブンイレブンの協力工場で深夜バイトをしながら、匿名、訳ありの世界でも他人の相談に預かることで、他人を幸せにすることに少しでも貢献できることが自身の「嬉しい、楽しい、大好き」だと自覚するまで、分からずにいました。
 
 

 

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 統計上の起業動機をみますと、かつての私と同じように上滑って思えてとても不安に感じます。

 選択肢の設定の問題もあると思いますが、起業のスタートに自分と最も近しい人々・家族の幸せがゴールのイメージにないことは、起業後の生存率の低さの大きな要因であると思います。

また、真の動機と向き合うことで、意図と合致しない起業を防ぐことができ、経営者の使命と責任を受け入れる素地が整うと考えます。

2011年9月12日 (月)

会社のルールを考える ⑩法律論ではなく、会社に求められるルールとは?

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 例えば、法人を設立しようと思うと定款、人を雇えば就業規則の作成が求められます。

 これらは法律で義務づけられたものですが、法定とまでは言えませんが法令遵守の観点から作成を余儀なくされるものも多くあります。

 民法、会社法、労働基準法、労働契約法、労働安全衛生法、不正競争防止法や個人情報保護法など、ビジネスに関わる法律を挙げるときりがありません。

 本編で検討する会社のルールは、一旦、法律論を除外して、個人が幸福実現のために起業し、事業経営に乗り出した場合に、その存続・発展のために必須とされるものです。

  多くのビジネス書では、起業家の動機や幸福実現を取り上げることなく、経営理念・経営目標を最上位の目的として議論が展開されます。

   つまりは、議論の対象は、経営者の「使命と責務」であって、起業家がそれに任ずるのは所与の条件ということになります。

 しかし、私は、前項で申しました通り、0番と1番以降の使命・責務がしっかりとリンクしない限り、起業家とその家族の不幸は繰り返され、五縁(従業員、協力者、顧客、地域社会と株主)は、良い経営の恩恵に浴することができない考えており、敢えて起業家個人の目的から議論をスタートさせます。 

 また、ルールの制定時期や順序についても併せて検討しますが、就業規則を除きルールの詳細には言及しないこととしますので、予めご了解ください。

2011年9月 9日 (金)

会社のルール ⑨起業家と「日本でいちばん大切にしたい会社」の間

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 私も、「継続してこそ会社」との思いは強いですし、①から⑤までの使命にも同意します。

 また、事例の会社が素晴らしいことも間違いはありません。

 しかしながら、創業期の経営者を考えますと、ハードルが高すぎると申しますか、いくつかのピースが足りない、特に最初の数歩をどうしたらよいかということに答えがないと思いました。

 前述の起業動機は、自己実現、自由裁量、社会貢献、専門知識の活用やアイデアの事業化など、どちらかと申しますとパーソナルなものが多く、必ずしもその延長線上に「五人に対する使命と責任」があるとは思えないのです。

 企業という大河の一滴、それも乾ききった大地に流れる最初の一滴たる起業家と「五人に対する使命と責任」とを結びつけるリンク・ピンは何なのか? 

 決して綺麗とは言えない大地を流れる中で、どういう必然か?はたまた偶然か?天恵に過ぎないのか?と考え込んでしまいます。

 そもそも、会社経営は、起業家にとって動機を実現するための手段の一つに過ぎませんから、上手く行ったとしても起業家の目的を果たすことにはなりません。

 動機は様々にあるとしても、人生の目的と捉えますと、「幸せになること」「他人を幸せにすること」に集約されると思います。

 経営者の使命や責任の前に、起業家とその家族の幸せを見つめる必要があります。

 私は、会社経営の使命と責任の前提・0番として「起業家とその家族の幸せ」を挙げたいと思います。

 起業家自身には、リスクに見合う自己実現と目指すライフスタイルで、その家族には、安全・安心に暮らせる豊かな生活で報いなければならないと思います。

 少なくとも、起業家とその家族の犠牲のもとに会社経営が成り立つことはあってはなりません。

 起業家が、創業時に0番の発想を持つことは、重要なことだと思います。

 私ども社会保険労務士は、市井のアウトソーサーとして、この発想を重視し精一杯支援していきたいと思います。

2011年9月 8日 (木)

会社のルール ⑧「日本でいちばん大切にしたい会社」にみる経営の意義

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 「日本でいちばん大切にしたい会社」は大ベストセラーであり、皆様も手に取られたことがあると思います。

 本書で紹介された企業は、日本理化学工業をはじめ、テレビやセミナーなど様々な媒体で報じられていますから、まったく初めての話ではなかったのですが、活字で読み返しますと、本当に感動して涙が出るのを禁じ得ませんでした。

 著者の坂本光司氏は、「会社は継続が命」と看破し、会社経営とは五人に対する使命と責任」を果たす活動だと定義されています。

①社員とその家族を幸せにする。
②外注先・下請企業の社員を幸せにする。
③顧客を幸せにする。
④地域社会を幸せにし、活性化させる。
⑤自然に生まれる株主の幸せ。

 同氏は、この①から⑤までは、並列ではなく、この順序で行われる必要があると説きます。

 会社を、社会の公器と考え、いわゆる「偽りのない経営」、「正しい経営」が継続をもたらすとしています。

2011年9月 7日 (水)

会社のルール ⑦ダン・ケネディ流、起業の意義とは?

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 ダン・ケネディ氏は、ダイレクト・マーケティングの権威で、億万長者メーカーの異名を持ち、自身も億万長者で、破産の経験もあり、波瀾万丈の立志伝中の人物です。

 彼は、「起業家の使命は、ビジネスからお金を引き出すことだ。」とします。

 また、、「そのお金をビジネスに埋没させたり、そのビジネスに再投資したりしてはいけない」とも説きます。

よって、「当初からそのビジネスからいくら引く出すか=自分の報酬を決めておかねばならない。自分が負った起業のリスクと責任に相応しい金銭的報酬とライフスタイルで自分自身に報いることは当然。」とします。

 個人の自己実現が先にあって、その結果として、企業の繁栄をもたらし、社会に貢献することになるという立場をとります。

 アダム・スミスの「神の見えざる手」が働くわけです。

 また、「税金だ、雇用だと社会的使命を優先し、自分への支払を後に回すことは、起業家が事業から撤退する主な原因となっている」と指摘しています。

 この辺りまで来ると、身につまされるといいますか、ご明察と言わなければなりません。

 人生の目的が、幸せになることだとすると、自分や大切な家族が幸せにならない構図は無意味だともいえます。

 そもそも、自分の取り分も引き出せないで何が起業家か?ということでしょうし、そこには気合いや根性、辛抱我慢があるだけで、戦略や戦術、ビジネスプランの不在を意味するのでしょう。

 社員と桁違いの報酬を手にできない社長は、起業家失格と言われても仕方ないのかも知れません。

 一見、手前勝手な考えのように聞こえますが、自分の取り分を事前に決めており、再投資も行わない分けですから、「売上から経費を支払った後の残りが自分の収入」とするよりは、はるかに明朗会計です。

 そのビジネスの収益を担保にして他のビジネスに投資したりすることもありませんから、従業員も浮かばれる瀬があるといえるでしょう。

 同氏の考え方は、漠然と自己実現と自由裁量を求めて開業した私には全く欠落しており、その結果、深刻な危機を招いたと、現在では深く反省しております。

2011年9月 6日 (火)

会社のルール ⑥起業することの意義

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起業家の収入、仕事、生活に関する満足度の調査(上図参照)によると、仕事や生活については約7割が満足の評価をしていますが、収入に関しては不満の評価が過半数となります。

このことは、起業直後は十分な収入が確保できていない現実を物語っています。

起業して数年経ち、軌道に乗ってくると、社長の給料は跳ね上がるのが通例ですが、次のビジネス展開のための増資のためだったり、起業時の借入金の返済のためだったり、理由は様々で実入りとはならないことも多いようです。

  いずれにせよ、そこまで耐えられるかに、起業家とその家族の命運は掛かっています。

  これまで検討しましたように、起業には大きなリスクがあります。

それにも拘わらず起業する意義はどこにあるのでしょうか。

大別しますと、個人の自己実現を重視する立場と企業の社会性に求める立場の二つがあると思います。

前者の例としまして、アメリカの実業家、ダン・ケネディ氏の理念を、後者の例としまして「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者、坂本光司氏の理念を挙げたいと思います。

2011年9月 3日 (土)

会社のルール ⑤起業資金の調達と発生するリスク

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 起業家は、起業に当たり預金や保険を取り崩した資金の他に、親戚や友人からの出資や借入、金融機関からの借入などで資金調達し、サラリーマンのときの年収の何倍ものお金を投資することになります。

 金融機関の借入のためには、個人保証は当然として、自宅など不動産を抵当に入れることも珍しいことではないと思います。
 

 起業資金の調達先に関する統計(上グラフ参照)によりますと、自己資金300万円、親族や友人からの出資・借入金もほぼ同額、それに金融機関から1000万円程度借り入れてスタートするのが平均的な姿であろうと推測されます。

 中古マンションを買うくらいの金額ともいえますが、事業資金の借入は運転資金ですと5年償還ですから、返済のペースが全く違いますし、生活費や仕入れなど次々に発生しますから、資金繰りは開業時をピークに徐々に悪化していくことになります。
 

 ところが三年後には、半分の事業が消滅している厳しい現実があります。

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 このグラフは、代表者等の個人保証の履行状況をまとめたものです。金融機関やサービサーの満足する弁済に応じない場合、8割の企業が個人保証の履行を求められています

 履行請求の理由としては、「すべての個人資産の提供を行っているが理解が得られない、「分割返済を行っているが理解を得られない」がそれぞれ4割に達しています。

 個人資産を失って丸裸になっても、返済を続けていても、個人責任を追及され続ける分けで、つまりは破産するほか方法がありません。

 経営者は、どれだけ多くの人を雇い、社会貢献をしていても、一度の資金ショートですべてを失うことになります。

 起業家が、事業を失うことの悲惨さは、サラリーマンの失業とは比べものになりません。

 財産だけでなく、社会的信用や友人、親戚を失い、失業保険もなく生活保護以外にセー
フティーネットも見当たらない
のですから、再起は極めて困難と言わざるを得ません。 

 重いリスクと釣り合わない不幸な結果の積み重ねは、起業の減少・廃業の増大として既
に表れており、政府系金融機関が代表者個人保証を取ることがないように法制化するなど、制度面の改革が必要です。

2011年9月 2日 (金)

会社のルール④統計にみる起業の動機・目的

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 上のグラフによると、近年、起業の動機は、自己実現、自由裁量、社会貢献、専門知識の活用やアイデアの事業化などが上位を占め、起業を、個性や能力を発揮し、社会貢献する舞台として前向きに捉える傾向が強いと結論づけています。
 

  また、所得増大や自己実現、裁量労働、社会貢献目的等の積極的理由から起業した能動的起業家が8割を超え、生計目的等の消極的理由から起業した受動的起業家を大きく上回との統計データもあり、マズローの欲求5段階説的見地からは結構なことだといえると思います。
 

 他方、起業の動機として、より高い所得を上げる方は28.8%で三割に満たず経営者としての高い評価に至っては15.1%で二割を大きく割り込んでいます。
 

 この点については、少々、違和感を覚えます。

 私は、実務上でお会いする成長企業の経営者には、金銭に対する執着や名誉欲といったものを強く感じます。多肢選択式の統計のマジックもあるのでしょうが、疑問に思います。確かに「金持ちになりたい」、「偉くなりたい」、「有名になりたい」の欲求は、経営者の三つたい病といわれ、大成するためには忌むべきものとされていますが、成長段階では強烈な推進力となるもので、起業家には必須のものではないでしょうか。

 自分が行った数々の失敗を振り返り、マズロー的頂点には、頭でっかちの危うを感じてしまいます。