企業存続のための就業規則

2008年5月18日 (日)

企業存続のための就業規則�競業避止違反防止のために


トラブル発生後の司法判断は、ある程度確立しているといえます。有効な規定とするには、次の4つの事項を考慮してバランスの良いものにする必要があります。
� 競業が禁止される期間
� 競業が禁止される場所的範囲
� 制限の対象となる職種・業務の範囲
� 対価性、代償措置の有無


�〜�については、労働者の職業選択の自由を制限することになりますから、被害防止に必要な程度に限定し、過大な制限とならないようにしなければなりません。

�は、最近の判例では、特に重視されており、守秘手当・守秘賞与の設定や役職手当・退職金等の意味付けなどの対策が必要です。労働契約が、「労働の提供とその対償としての賃金の支払」である以上、権利主張には、それなりの対価の支払が求められるのです。

また、営業機密の漏洩対策の基本は、�機密の定義(何が機密なのか?)が明確で、�機密が機密として管理されており、�そのルールが周知徹底されていることが、求められます。

競業避止義務を遵守され、営業機密の漏洩を未然に防ぐためには、労働契約上の義務として、周知徹底されることが重要です。
�就業規則の周知は当然として、�入社時の誓約書、身元保証書の提出義務づけや、�労働条件改定の際の雇用契約書更新、等により意識付けするようにしてください。

面倒だとか、社員を疑うようで雰囲気が悪くなるとか、色々とおっしゃる向きもありますが、対策を採らないことで会社の存続が危うくなればそんな段ではありません。経営者は、その責任を果たすため粛々と為すべきことをすべきだと思います。

競業避止義務に関する代表判例等はこちらから
http://www.jil.go.jp/kobetsu/book/75.html

企業存続のための就業規則セミナー�競業避止義務

企業存続のための就業規則セミナー�競業避止義務


マネジメントの巨人、P・F・ドラッカーが指摘したように、ソフト化の進む21世紀の社会においては、「生産手段」は企業が所有できる工場や機械等のハードウェアから、「知的労働者の頭脳」の中に移り、企業の所有や制御が困難になります。

P・F・ドラッカーについてはこちらから
http://www.portem.co.jp/DR..htm

企業は、労働者の離職により情報やノウハウの流出の危険に曝されることになり、その影響の大きさから「競業避止義務」に関する規定が重要視されるようになってきました。

営業機密の漏洩は、民事賠償の対象となるだけでなく、不正競争防止法の違反となり、10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金(併科可)」の重い刑罰の対象になるのですが、情報やノウハウの性質上、その立証が困難で、競業避止義務により未然に防止することが必要になります。

不正競争防止法はこちらから
http://www.houko.com/00/01/H05/047.HTM

競業禁止の問題は、労働者の職業選択の自由(憲法22条)と労働契約上の義務の天秤になりますから、しっかりとした対策を実行しないと使用者に不利な結果に終わる恐れがあります。その被害の甚大さを考えますと、企業存続には最重要の課題といえると思います。

日本国憲法第22条はこちらから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC22%E6%9D%A1

企業存続のための就業規則セミナー�有給休暇の対処法

2008年5月15日 (木)

企業存続のための就業規則セミナー�有給休暇の対処法


ひとつは、以前の項でも書きましたが、まず、有給休暇取得を前提にしていない年間所定休日の設定を改めることです。所定休日が120日以上あり、これに10〜20日の有給休暇の取得ができるような中小企業はちょっと考えられません。やはり「できない約束」はしないことです。

次に年次有給休暇の棚卸し方法を「後入れ先出し」に変えることです。年次有給休暇の時効は2年ですから、繰り越しの問題が発生するのですが、この消化(充当)の順序を新しく発生したものから先に行うのです。これで繰り越し日数はかなり減ると思います。
これは民法第488条の規定によるのですが、就業規則等に定めることで可能になります。

(弁済の充当の指定)
第488条 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。

三つめは、年次有給休暇の賃金の設定を見直すことです。
年次有給休暇の賃金は、�通常の賃金 �社会保険の標準報酬額 �平均賃金の三種類があります。パートタイマーを含む時給者であれば、一般に平均賃金を選択することで負担が少なくなります。

平均賃金はこちらから
http://www.hyougo-roudoukyoku.go.jp/seido/roudou_jyouken/roudou_joken01/heikin_chingin.htm

「パートタイマーに有給休暇はない」などと違法な取扱をするよりも、合法的に企業負担を下げ取得を促進した方が得策でしょう。「他がやらない」から差別化smileです。「時給アップ」より「有給休暇取得促進」を検討されてはいかがでしょうか。負担の面からも合理的だと思います。

年次有給休暇の賃金を平均賃金とするにも、就業規則等に定める必要がありますので、条文を十分に検討する必要があります。

企業存続のための就業規則セミナー�有給休暇どうする?

企業存続のための就業規則セミナー�有給休暇どうする?


年次有給休暇の取得率は、統計により幅はあるものの、概ね40〜50%を推移しています。これは電力、ガス等取得率100%の企業を含めた数値ですから、中小企業の実情については推して知るべしでしょう。

年次有給休暇の完全取得を義務化sign01しようという法改正の動きもありますが、最大年間20日に達する休暇の取得は、中小企業にとって悩ましい問題です。

「今後の労働時間制度に関する研究会」報告書について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/h0127-1.html

今後の労働時間制度に関する研究会報告書素案(第15回資料)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/s1221-5.html

年次有給休暇によるコストアップは、数字上は4〜8%に過ぎず、月給者であればキャッシュに影響がないのですが、ギリギリの人員で業務運営を行う中小企業にとっては、代替要員の問題があり、数値以上に大きな負担coldsweats02となると考えられます。

「労働時間制度研究会」の報告書では、「年次有給休暇の計画付与制度」の弾力化等の施策に言及していますが、それだけではどうにもならないでしょう。

「年次有給休暇の計画付与制度」についてはこちらから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E7%B5%A6%E4%BC%91%E6%9A%87

法律に反することを前提に何かを考えても、「下りのエスカレーター」を駆け上るsweat01のに似て無駄なエネルギーを消費するだけです。合法的な対処法を考えてみましょう。

企業存続のための就業規則セミナー�残業手当を減らしたいなら

2008年5月13日 (火)

企業存続のための就業規則セミナー�残業手当を減らしたいなら


企業存続を重視し、経営者サイドで就業規則を作成する意味は、その中小企業という集団の中で、経営者のみが「儲かる仕組み」を構築する能力を持ち責任を担うことができると思うからです。ここで責任とは、構築するまで止めないという不退転の意思と置き換えても良いと思います。

こうした経営者を守ることは、スキッパーを信頼し誠実に業務遂行する社員を守ることに他なりません。また、私どもが「儲かる仕組み」といのは、フルキャストやグッドウィルが行ったような不法行為による利益捏造ではなく、あくまで合法的なものです。

残業についての私どもの考え方は次の通りです。
�生産性が変わらない(もしくは下がる)のに、時間により割増が支払われるのは不合理。
�所定内で終わる社員より所定外まで掛かる社員の方の賃金が高くなるのは不公平(特にホワイトカラーにおいては顕著)
�用水光熱費などが余分にかかり、過労死等のリスクもあり「高くつく」 等
企業にとって、操業により効率アップが見込める製造業を除き、メリットがないと思うのです。メリットがないものにプレミアムを付けて支払う残業手当というものは、経営的にはある種の「罰金」に過ぎず、多くを支払うことは無駄なことです。

残業手当は以下の式で求められます。
 残業手当=算定基礎給÷所定労働時間×割増率×所定外労働時間
残業手当を減らそうと思ったら、
�算定基礎給を下げる
�所定労働時間を増やす
�割増率を下げる
�所定外労働時間を減らす
の組み合わせになります。

�については、昨今の年俸制や成果主義賃金で外していった手当(住宅手当、家族手当、別居手当、子女の教育手当、通勤手当等)を復活させ、上手に活用することです。
�については、分不相応な休日や所定時間の設定を止め、変形労働時間制や休憩時間の適切な設定により、法定労働時間の限度まで所定労働時間を引き上げることです。
�については、代休の活用や営業職であれば歩合給を設定することにより下げることができます。
�については、時短を進めることは当然として、時間外の立証責任を社員側に負わせることで無駄な残業の発生を抑える工夫をすることです。

これは、共通のことですが、経営者は「できない約束はしないこと」です。経営者に求められる資質をアンケートすると、日米ともに、「経営力」の項目以上に「誠実さ=Honesty」が重視される傾向があります。いかにすばらしい経営計画を立てても誠実さがその基盤にないと無意味なのです。「今できることをする勇気」と「今できないことに耐える智恵」が求められています。

企業存続のための就業規則セミナー�労働時間の立証責任は?

2008年5月11日 (日)

企業存続のための就業規則セミナー�労働時間の立証責任は?


引き続き労働時間について検討していきたいと思います。

拘束時間は労働時間とイコールではありませんし、「ただ働いたということだけで残業になるのか?」といいますとこれもNoです。

労働時間というためには、その労働が「使用者の指揮命令」に基づくことが必要です。雇用契約に基づき、使用者の求める業務を行って、はじめて賃金の対価となる労働になるわけです。

労働時間の問題は、労働の質の問題と相まって、労使間に横たわる暗く深い川のようなものですが、同時に避けては通れない課題です。

就業規則においても、「始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項」は、いわゆる絶対的記載事項とされており、どういう原則に基づいて定めるか重要なポイントとなります。

労働時間を「時間拘束」に求めると、タイムカードが主役になります。タイムカードの打刻時間には、不正確さもあり、必ずしも労働をしていない時間も含まれるのですが、この場合、その除外すべき時間については、会社に立証責任があることになります。

労働時間を「業務遂行性」に求めると、会社が指示書等に基づいて集計した以外の労働時間については、申立を行う社員に「誰の指示なのか?」「具体的な業務の内容は何か?」が問われることになり、労働者側に立証責任があることになります。

タイムカードの打刻時間は、あくまでも客観的な資料の一つであり、必ずしも労働時間を表さないことは、労働基準局等も認めるところであり、その経験上、労使ともに納得できるのではないでしょうか。

営利企業にとって、会社が納得し、かつ社員の公平感を維持する労働時間の算定方法は、後者の「業務遂行性」を基準とする方法によることになると思います。従って、就業規則の作成に当たっては、この原則が貫かれている必要があり、単に規定だけに止まらず、具体的な時間外労働の申請・承認方法を示すことが求められます。

労働時間についての行政の立場は、具体的な算定方法を明示せず、使用者側に合理的な労働時間の算定と記録を義務づけるのみです。使用者は、重い責任を負わされているわけで、無用なリスクを避ける意味からも、「業務遂行性」を基準とする原則を貫くことは重要です。

企業存続のための就業規則セミナー�それはサービス残業ですか?

2008年5月 7日 (水)

企業存続のための就業規則セミナー�それはサービス残業ですか?


いわゆるサービス残業、労基署のいうところの「賃金不払い残業」ですが、世間に蔓延しているように言われていますが、本当でしょうか?

確かに中小企業に限らず、大企業においても全ての居残り時間に賃金が支払われていないことは事実でしょう。反面、「生活残業」という言葉もあり、これも否定できない側面があることは間違いないでしょう。

少し労働から離れて考えて見ましょう。変な例えかも知れませんが・・・。
親子丼を頼んだのにカツ丼が来たらどうされますか?おそらく「これ違うよ、親子丼だよwink」と気安く言われるでしょう。頼んでもいないのに生ビールbeerが来たらどうされますか?これも同じですよね。「頼んでないよannoyannoy」と言われるはずです。しかし、黙って飲んだらいかがでしょう?これは「追認」に当たり支払義務が生じます。

雇用契約は、労働者が一定の業務を遂行することを約し、使用者がその対価として賃金を支払うことを約すことです。使用者の賃金支払の義務は、労働基準法により刑罰を含め厳しい規制がありますが、労働者の義務は、民法上の債務不履行または不完全履行の問題として影に隠れています。

実際には、賃金に値しない労働というものも往々にして見られるわけですが、これも使用者の監督、指導の問題に転嫁されます。

ここで使用者の合理的選択は、
� 不完全な労働を受領しない=残業させない(投入量の制限)
� 徹底して指導教育する=生産性を上げさせる(質の向上)
� ��を併せて行う
の三つになります。

ところが、実際に行われているのは、「終わるまでやらせる」ことで、不完全履行の労働を唯々諾々と受け入れることに過ぎないのです。頼んでもいないカツ丼を食べ、飲みたくもないビールを飲んでいるに他なりません。

労働契約法元年、労使間には契約の概念が色濃くなるでしょう。賃金の支払に値しない労働は、雇用契約の労働ではありません。使用者は、そのような労働に対しはっきり「No」を言い、適切な対処をすることが求められています。

企業存続のための就業規則セミナー� 民事で勝てる就業規則?

2008年4月30日 (水)

企業存続のための就業規則セミナー� 民事で勝てる就業規則?


民法の契約自由の原則の活用やその知識の重要性は前回述べました。最近の就業規則に関する書籍やセミナーでよく耳にするフレーズに「民事で勝てる就業規則」があります。

研究熱心で判例好きの社労士が好きそうなフレーズですが、要注意だと思います。過去の判例を重んじる余り、それを抽象化し、絶対視してしまう傾向があります。

就業規則作成に当たっても、法規の範囲を不要に広げて判例法においても必ず認められるところまで勝手に引き下がってしまうのです。もともと中小企業においては、労基法を守るのに汲々としている現状を考えますと、過大な負担を自ら課すものであり、問題です。

判例は、法規範には違いありませんが、具体的事件の個別判断に過ぎません。判例は裁判官を拘束するでしょうが、そもそも裁判所まで行くトラブルは稀なケースです。大多数の労務トラブルは現場で起こり現場で解決されています。

就業規則は、「どこに出しても大丈夫」といったレベルは必要とされないと思います。法律論で完勝する必要はなく、トラブル発生時に五分五分以上で相手方と対峙できれば、実務上、問題ありません。

まず、契約自由の立場から会社の必要とするルールを考え、最小限のリーガルチェックを行うことです。「これには○○社事件という判例があって・・・」とか、「この規定は認められない可能性がある」と言われても、補足説明としては親切かも知れませんが、どうしたら黒の規定がグレイになり白になるか検討する方が先だと思うのです。

契約自由の原則を主張するためには、就業規則が労働契約の規範と認められることが必要であり、そのためには「周知」が必須条件です。就業規則が金庫の奥に眠っているようでは論外ですが、周知だけでなく、一歩進めて「徹底」できるルールが望まれます。

企業存続のための就業規則セミナー� 就業規則に労基法は要らない?

2008年4月28日 (月)

企業存続のための就業規則セミナー� 就業規則に労基法は要らない?


就業規則だけでなく、労務管理において労働基準法(以下、「労基法」といいます。)の遵守は大原則ですが、それだけではよりよい差別化したものはできません。

雇用において、労基法は民法の特別法に当たるのですが、その目的は「労働者の保護」です。保護は自由経済のサブシステムとして機能するものであり、真に創造的な労務管理=長期的に差別化し競争力を維持できるものに資するとは考えられません。

就業規則を検討されるとき、手っ取り早い方法としてモデル就業規則などひな形を利用されるケースが多いと思いますが、問題が多いと言わざるを得ません。官製のものも含め市販されているモデル就業規則は、労基法、施行規則および行政通達から出来上がっているからです。

企業がその自由な活動を維持し従業員とWin−winの関係を築くには、保護法規や規制法規からの発想では駄目なのです。そこで一般法であるところの民法の出番になります。

民法の指導原理は
� 私的自治(契約自由)の原則
� 所有権絶対の原則
� 過失責任の原則 の三つです。

私的自治の原則とは、
「個人は社会生活において自己の意思に基づいて自由に契約を締結して私法関係を締結することができ、国家はこれにできるだけ干渉しない。」とするものです。

特別法たる労基法はその守備範囲が極めて狭く、雇用の多くの場面で一般法であるところの民法の指導原理が活かされてきます。企業の自由でダイナミックな活動を守るには、民法の知識が不可欠となるわけですが、それを活かした就業規則が少ないのが現状といえるでしょう。

十分な知識を持った方が作成しても、活用の方法を誤ると逆効果になり、「モデル就業規則の方がまし」の事態となることも考えられます。次回は、この点について、少々考えて行きたいと思います。

企業存続のための就業規則セミナー� 権利と義務は拮抗してこそ

2008年4月26日 (土)

企業存続のための就業規則セミナー� 権利と義務は拮抗してこそ


法律の分類には様々なものがありますが、「どのような者の間に適用されるか」に着目した区分に「公法と私法」があります。

 公法は、国家と国民との関係を律する法律で、例えば憲法、行政法、刑法等が上げられます。私法は、私人相互間の関係を律する法律で、例えば民法や商法が上げられます。

就業規則の世界というのは、私企業と私人である従業員の間のルールですから、私法とりわけ民法と深いつながりがあります。

民法の第一条には「基本原則」として、
�公共の福祉、�信義誠実原則、�権利濫用の禁止が規定されています。

�公共の福祉は、私法上認められる権利は、社会全体の向上発展に適合する限りでしかその効力を認められないとする原則です。

�信義誠実原則は、私的取引関係では当事者はお互いに信頼を裏切ることなく、誠実に行動しなければならないという原則です。

�権利濫用の禁止は、ある人の行為が外形的には権利の行使と認められる場合でも、具体的・実質的に権利の社会性に反し、その行為に正当性がないときは濫用としてこれを認めないとする原則です。

民法条文は下記の通り
(基本原則)
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。

 雇用契約で見てみますと、
使用者の義務には
�報酬支払義務 �労働関係諸法令遵守義務 �安全配慮義務 等があり
労働者の義務には
�労働提供義務 �就業規則・労働契約遵守義務 �競業避止義務 等があります。

使用者の義務は労働者の権利に、労働者の義務は使用者の権利となり、表裏一体の関係になります。

就業規則作成に当たっては、民法の基本原則を前提に、労使の権利と義務が拮抗するようバランスへの配慮が必須となります。今後も検討していきますが、企業存続に資する就業規則には、使用者の権利主張とともに自制も必要とされますので、留意ください。

企業存続のための就業規則セミナー� 就業規則にできること

2008年4月17日 (木)

企業存続のための就業規則セミナー� 就業規則にできること


前回、就業規則に期待される機能について書きました。今回は、就業規則の目指す水準といいますか、その可能性と限界についてまとめてみたいと思います。

まず、可能と思われる事項ですが、
「労使間の権利義務の明確化による労使トラブルの防止」が上げられます。
就業規則という「見通し」の効くツールを設けることで、目線を現状の問題点だけでなく、少し上目に置くことが出来るようになります。これは経営理念や中期経営計画の持つ「未来傾斜効果」と同様な部分ですが、日々の業務や具体的な待遇のことですので、就業規則の方が地に足が着いていると言えると思います。

次に、「いわゆる問題社員の排除を円滑に行うこと」だと思います。
問題社員とは何か?という定義の問題もありますが、私は次のように考えています。

�権利を主張し、義務を放棄する社員
�仕事に興味がなく、どうしたら働かず金が貰えるか?を研究している社員
�職場や同僚のモラルの低下や企業活動の低迷を引き起こす社員

このような問題社員は会社の利益を食いつぶすというよりは、同僚の業績や成果を食いつぶす存在ですから、会社は彼ら彼女らから社員を守る義務があると思います。

この二つが達成されていれば、就業規則としては十分と考えます。よくセミナーや書籍で、「会社も納得、社員も満足の就業規則」とか「やる気のでる就業規則」などの言葉が踊っていますが、本当かなsign02sign02と思います。就業規則は、ハーズバーグの「動機づけ=衛生理論」でいうところの衛生要因ですから、積極的にやる気を引き出すような効果には自ずと限界がありますし、経営者の端くれとしては「満足した社員」が高い業績を上げるsign02ということについていわかに賛同できないwinkからです。

これらの達成すべき水準と限界を前提に今後の検討を進めていきたいと思います。

ハーズバーグの「動機づけ=衛生理論」はこちらから
http://www.careerscape.co.jp/point-herzberg.htm

企業存続のための就業規則セミナー�就業規則とは?

2008年4月16日 (水)

企業存続のための就業規則セミナー�就業規則とは?


よく就業規則とは「職場の憲法」といわれますが、確かにそうかもしれません。通常の業務に当たっては、ほとんど意識されずにいるところなどは、正にその通りでしょう。

法律的にいいますと、労働基準法第89条に、常時10人以上の労働者を使用する使用者の「作成及び届出の義務」が明記されています。

(作成及び届出の義務)※抜粋
第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。

常時10名未満の事業所についても、就業規則による一律の管理を行うことを前提とするなら作成すべきと解されます。

他方、労働契約法第10条には、「就業規則不利益変更の法理」が規定されており、一定の条件を具備した就業規則には、就業規則変更による労働契約の改定を認めています。

(労働契約法)※抜粋
第十条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。

就業規則の機能は次のようなことが考えられます。
� 職場秩序、組織秩序を維持すること
� 同じ労働条件に基づいて社員管理すること
� 処遇に関する内容を明文化してトラブルを防止すること
� 労働基準法の規制に対応すること

使用者である企業にとって就業規則の役割・目的は「労働条件の明確化と秩序維持」につきると思います。