フォトアルバム
Powered by Six Apart

組織行動論 Feed

2008年9月 7日 (日)

ジョハリの窓が開くとき

「ジョハリの窓」とは、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリー・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のことで、提案した2人の名前を組み合わせて後にこう呼ぶようになったそうです。

「自己の公開」の度合いとと「他者の認知」のバランスを考えることで、コミュニケーションを円滑にする手法と言えるでしょう。

�公開の窓�秘密の窓は、自分で制御できるわけですが、ある意味「鏡で見た自分=虚像」だけで、他者が見ている「実像」としての自分�盲点の窓を開き、�未知の窓に到達し自己認知を深めるためには、他者とのコミュニケーションの中で、自己の情報を積極的に公開していくことが求められます。

特定社会保険労務士として、企業と従業員の問題解決を行う場面で、同様のプロセスを踏んで行くことがあります。企業サイドの情報に基づいて交渉をスタートする事が多いのですが、企業の主張=�公開の窓の情報は偏りがあり、従業員の主張=�盲点の窓との対峙を経て、�秘密の窓を開き、全体像=�未知の窓を把握する必要があります。

ネゴシエーションが、勝ち負けでなく、当事者が当初想定しない次元で新たな解決策を見出す作業である以上、当然といえます。

人事考課においても、成績判定の視点ではなく、共通の価値観を見出すためのコミュニケーション・ツールとして用いられると意味あるものになると思います。

「ジョハリの窓」が開くとき、中小企業の労務管理は、改善すると思います。

2008年7月17日 (木)

マキャベリに聞いてみよう

マキャベリは、「君主論」の著者として有名です。マキャベリズム権謀術数主義、「目的のためには手段を選ばない」一種禁断の思想として捉えられている面もありますが、小国が分立し政情不安定であったルネサンス期のイタリア半島を背景に鍛えられた現実主義思想は示唆に富んでいます。

中小企業の経営者にとって、特にリーダーシップ・スタイルを考える上では、参考になるといいますか、思わず考え込んでしまうような重い言葉に溢れています。

マキャベリが「君主論」のなかで立てた有名な問いに、「リーダーシップをとる立場にあるものにとって、フォロワーに愛されるのと、怖がられるのと、どちらがいいのだろうか?」というものがあります。

マキャベリの処方箋に耳を傾けてみましょう。

「当然のことながら、ほとんどすべての君主は、両方とも兼ね備えているのが望ましい、と答えるに違いない。しかし、それを現実の世界で行使していくのは実に難しい。できないわけではないが、類まれな力量の持ち主であることが要求される。それで、ほとんどの場合一方を選ぶしかないとなるのだが、わたしは、愛されるよりも怖がられるほうが、君主にとって安全な選択であると言いたい。なぜなら、人間には、恐れている者より愛している者のほうを、容赦なく傷つけるという性向があるからだ。」 

マキャベリは、イタリア半島統一という大義を実現するためにはすべての手段が正当化されると説いたわけですから、まずリーダーたる人は「大義」の存在を問わなければならないことは忘れてはいけないですが・・・。

リーダーシップの暗黒面と言えるかも知れませんが、二律背反の世界で日々悩む経営者には示唆に富む人間洞察といえるのではないでしょうか?

自戒の意味を込めて「恐れている者より愛している者のほうを容赦なく傷つける」人間の弱さ、よくよく噛みしめていきたいと思いますsad

2008年6月24日 (火)

マズローの欲求五段階説


マズローの欲求五段階説は、大学入試センター試験にも出題されたことがあるそうですから、D.Mcgregorの「X理論とY理論」と並んでモチベーションに関する最も有名な学説といえるでしょう。人を動機づける要因は、�生理的欲求⇒�安全の欲求⇒�社会的欲求⇒�承認の欲求⇒�自己実現の欲求の段階を踏んで高まるとする説で、日本の諺の「衣食足りて礼節を知る」にも似て、何となく親しみやすく、皮膚感覚としてはしっくりくるものがあります。

D.Mcgregorの「X理論とY理論」が、1960年代アメリカの管理職の持論を広範なフィールドワークにより収集しまとめ上げられたのに対し、マズローの欲求五段階説は、やや裏付けに乏しいような気もします。

�生理的欲求⇒�安全の欲求⇒�社会的(愛と所属の)欲求くらいまでは、何とかどん
な場面なのかイメージできると思いますし、誰でもそう違わないシーンを思い浮かべることができるでしょう。

�社会的(愛と所属の)欲求⇒�承認(自我・自尊心の)欲求⇒�自己実現の欲求と上位の欲求になるほど、なかなか明確なイメージや共通のシーンが思い浮かばなくなると思います。これは�と�について、訳語が様々にあることもその表れかも知れません。

�→�→�→�→�に駆け上る課程を、プロ・スポーツのスター誕生のような場面のほかに、日常の生活で共通のイメージすることは困難ではないでしょうか?

�→�→�までの課程は、環境や他社との関わりの中の問題で「外発的」、�→�→�の課程は深く個人の価値観に根付く問題で「内発的」といえるとも思いますが、後段の欲求について焦点が絞れないのは「内発的動機」の多様性のゆえなのかも知れません。

企業において問われるレベルは、後段の�→�→�ですから、人事マネジメントがいかに難しい課題なのか分かると思います。「企業にいる人材の多様性を受容し、様々な切り口から社員のモチベーションを引く出すことができるか?」が現代の経営者には求められているように思います。

2008年5月29日 (木)

認知的不協和の理論

以前、system-in-tensionについてふれました。

これはモティべーションについて語る前に、その根っ子で働く心理というか力学を確認する必要があると考えたからです。

そういう意味で、米国の心理学者・Leon Festingerが提唱した「認知的不協和の理論」(theory of cognitive dissonance)についても触れたいと思います。

Leon Festingerは、「困ったときにはレオンに聞け」といわれるほど、博識で発想の豊かな方だったそうです。

この理論は、イソップ物語の すっぱい葡萄としてもしられていますが、やはり愛煙家の例が最も身近でしょう。

愛煙家がテレビの報道番組で、「たばこと肺ガンには因果関係があり体にわるい」という情報に接したとします。「わたしはたばこを吸う」という事実と「たばこは体にわるい」という新しい知識は相矛盾し不協和(不快感)coldsweats02を感じるようになります。

こういった場合に、人は不協和を減らすように動機づけられることになり、次のどちらかの行動をとることになります。
(1)行動を変える(たばこをやめる)
(2)態度や認識を変える(新聞がまちがっている、正当化)

理屈に合う行動はもちろん(1)が正しいと言えるでしょうが、禁煙による不愉快やその難しさを考えると(2)を選択することもある意味合理的と言えます。

「認知的不協和の理論」が当てはまるケースは、結構、多いのではないでしょうか。

人はなぜ働くのか?あなたはいかがですか?

2008年5月28日 (水)

組織行動論Organizational Behaviorとは?


本当は、シリーズの最初に書くべきだったのですが、組織行動論Organizational Behaviorの定義についてです。

Organizational Behaviorは、直訳すると「組織化された行動」とでもいうのでしょうか。
少々違和感がありますから、Individual Behavior in Organization「組織の中の人間行動」と読み替えた方がしっくりくるかも知れません。

組織行動論(以下、OBといいます)は、欧米のどこのビジネス・スクールでも必須なのだそうです。これは、経営分析力等、論理的客観的なスキルを極めても、結局、ひとに動いてもらえないと、マネジメントしていることにならないし、リーダーシップもなく、交渉力、実行力もないことになるため、ひとに対する理解が重視されるのだと思います。

ミクロ組織論とマクロ組織論という分類がありますが、OBはミクロ組織論の分野になります。モティベーション、職務満足、職務設計、リーダーシップ、コミュニケーション、感情の問題、コンフリクト等を扱います。

OBは次のような方に大変参考になると思います。
・自分のリーダーシップや対人影響力を磨きたいひと
・組織のなかで他の人びとの行動についてもっとよく知りたいひと
・人事、組織変革、企画等のひとで、専門的にひとの問題を知る必要があるひと(スタッフ)
自分のことをよく知りたいひと※これが一番かも知れません。

管理職になるころには、共通の問題を解決するためにOBの理解は重要になると思います。
マネジメント論の多くは組織や経営トップの視点から語られますが、働く個人の側から見た経営管理論がOBとも言えます。

マネジャーとして働く方には、それぞれ持論がお有りのことと思いますが、学者の理論や他人の持論を知ること、そしてそれをシェアすることでより良いマネジメントが可能になると思います。そんな気持ちで書いていきたいと思います。

人はなぜ働くのか?あなたはいかがですか?

緊張しているシステムsystem-in-tension

2008年5月23日 (金)

緊張しているシステム(system-in-tension)


スカパー!のインタビュー番組に、建築家の安藤忠雄さんが出演されており、とても印象深いお話しがありました。概ね次のような内容だったと思います。

「良い建築に出会うことも、もちろんですが、ある意味、駄作も重要なんです。こんな空間の使い方をして欲しくないという思いが、良いものを作りたい、このままでは満足できないという強いモチベーションに繋がるんですね。特に40歳を過ぎてからはモチベーションの維持が難しくなります。だから緊張感がますます重要になるんですね。」

「場の理論」やグループダイナミクスで著名な心理学者K.Lewinは、すべての感情は、空間の均衡が損なわれることによって起こり、人は、その不均衡を解消しようとして行動を起こすとし、、「緊張しているシステム(system-in-tension)には、動きが生まれる。」 と指摘しています。ここでいうシステムというのは、社会や組織だけでなく、個人の動機付け等様々なレベルのものを指すのだと思います。

このことを併せて考えますと、個人や組織の動機付けにいて、示唆に富んでいると思います。人は、ギャップ(不均衡)に触発され行動に移し、緊張を維持したものだけが反応を維持できるのです。

満足した経営者は、事業を拡大する事はおろか維持することすらできないでしょう。従業員満足なる言葉が再び闊歩していますが、果たして満足した従業員にモチベーションは生まれるのでしょうか?

人はなぜ働くのか?あなたはいかがですか?

2008年5月21日 (水)

人はなぜ働くのか?あなたはいかがですか?


管理職になる頃には、「人間観」とでも言いますか、「人はなぜ働くのか?」に対する自分なりの答えを持つようになるのではないでしょうか?

学者の「理論」に対して、実務家の「持論」は、マネジメントや業務の実践を通じて培った自分なりの「仮説」といえると思います。実務に耐えうることを実証された「仮説」とも言えるでしょう。

人間観、モティベーションについての理論といいますと、D.Mcgregorの「X理論・Y理論」が有名です。いわゆる学者の「理論」として認識されていると思いますが、実際には、1950年代アメリカの経営管理者に対する多面的アンケートにより、当時の経営管理者の「持論」を引き出しまとめたものです。

同じ時代、同じ国、同じ管理職でも、異なるタイプの仮説があったことは、非常に興味深いと思います。どちらが優れているとか、上位だとか、善悪の問題ではなく、考えてみてください。

【X理論】
・ふつうの人間は生来仕事が嫌いで、できることなら仕事などしたくないと思っている
・大抵の人間は、強制されたり、統制されたり、命令されたり、脅かされたりしなければ、きちんと働かない
・普通の人間は、命令されるほうが好きで、責任を回避したがり、あまり野心を持たず、なによりもまず安全を望んでいる。

【Y理論】
・仕事で心身を使うのはごくあたりまえのことであり、遊びや休暇の場合と変わらない。
・ひとは自分から進んで身をゆだねた目標のためには、自らにムチを打ってでも働く。
・献身的に目標達成に尽くすかどうかは、それを達成して得られる報酬しだいだが、なかでも自我の欲求や自己実現の欲求が重要である。
・ふつうの人間は、条件次第では責任を引き受けるばかりか、自ら進んで責任をとろうとする。
・企業内の問題を解決しようと比較的高度の想像力を駆使し、創意工夫をこらす能力は、たいていの人間に備わっているものである。
・現代の企業において、日常、従業員の知的能力の一部しか生かされていない。

あなたにとって「X理論」と「Y理論」はどう写りましたか?どちらがあなたの持論に近いでしょうか?

人はなぜ働くのか?あなたは持論をお持ちですか?

D.Mcgregorの「X理論・Y理論」についてはこちらから。少々決めつけが激しいのでご参考までですが・・・。
http://ja.wikipedia.org/wiki/XY%E7%90%86%E8%AB%96

うなぎ稚魚を活かす鯰の組織論

2008年3月21日 (金)

うなぎ稚魚を活かす鯰の組織論

中国の養殖ものは水銀が危ないとかで、うなぎもチャイナ・フリーのご時世ですが、国内の養殖ものでも、その稚魚のほとんどは海外からの輸入に頼っているのが現状のようです。

うなぎの稚魚は、関空や成田に空輸airplaneされるのだそうですが、輸送中に90%が死んでしまうそうです。歩留まりが一割というのは、余りにも効率が悪いshockので、色々と試行錯誤した挙げ句sign01、うなぎの稚魚の天敵・鯰を空輸中の水槽に入れてみることにしたそうです。

その結果、驚くべきことに鰻の稚魚の歩留まりは八割に向上したそうです。確かに天敵の鯰に二割は食べられてしまうそうですが、天敵に相対することでうなぎの稚魚が活性化しwink、空輸により死ぬものが激減したそうです。

組織においてもこういうことありますよね。安全、安心が行き過ぎると組織もその構成員である個人sadも、ぬるま湯で共倒れのケースです。

鯰のような絶対者が跋扈してるだけなら、緊張感が漲り、それに対抗する元気者も現れ活性化する機会がありますが、鯰が取り巻きを作り始めると一気に沈滞に向かいます。

あなたの組織には、どんな鯰がいますかsign02

企業におけるピグマリオン効果

2007年10月 4日 (木)

企業におけるピグマリオン効果

 ピグマリオン効果は、教育心理学における心理的行動のひとつで、教師の期待によって生徒の成績が向上する事をいいます。なお、教師が期待しない事によって学習者の成績が下がる事はゴーレム効果と呼ばれます。

 1964年にアメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって実験されました。詳しくは下のリンクからご覧ください。
 
 実験方法には批判もあるようですが、ビジネスの場面でもこの説に賛同される方は多いと思います。教師と生徒の関係を上司と部下に置き換えてみれば、皆さんにもこれに似た事象を体験されたことがあるのではないでしょうか。
 
 優秀な部下を任されたという自負が上司のモチベーションやコミットメントを引き出すことになり、結果として部下とも良好な関係が築けることになります。
 
 例えば、部下が自分の指導を理解できない場合の対処を考えてみましょう。

 優秀な部下を預かった上司smileは、理解できない理由を自分の指導に求め、理解できるまで改善するでしょう。逆にそうでない部下を預かった上司sadは、「やっぱり駄目なやつ」と部下の能力のせいにしてしまって、指導もお座成りになります。

 この積み重ねが、結果として優秀な部下とそうでない部下を作りだしてしまいます。ここで優秀というのも「そう言われている」程度の話で、事実はわかりません。ある意味、良い思い込みか、悪い思い込みの違いだけなのです。

 中小企業においては、人材不足の話をよく聞きます。ある種の諦観からか、折角、採用できた人材なのに悪いレッテルを張りがちですcoldsweats02

 マネジャーの皆さん、ピグマリオン効果を意識して、少し自分に暗示を掛けてみてはいかがでしょうか?ゴーレムの跋扈は御免ですからwink


ピグマリオン効果の詳細はこちら

http://www8.plala.or.jp/psychology/topic/pygmalion.htm

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%B0%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%8A%B9%E6%9E%9C

ヤマアラシ・ジレンマ

2007年9月15日 (土)

ヤマアラシ・ジレンマ

心理学では、‘ヤマアラシ・ジレンマ’という話があるようです。つぎのようなお話です。

「寒い冬の中、二匹のヤマアラシがいた。二匹は寒いので、お互いに暖め合おうと近づいた。

そうすると、相手の針が体に刺さってしまった。痛いので今度は離れるとやはりまた寒くなった。

二匹はまた近づき、痛いのでまた離れることを繰り返していくうちに、ついに、それほど寒くもなく、痛くもない距離が分かり、あとはその距離を保ち続けた。」

実社会でも、同じようなことがあるのではないでしょうか?

例えば、プロジェクト・チームの立ち上げのときです.

リーダーとメンバーの課題達成への温度差が‘針’になって、コミュニケーションを妨げる要因になります。乗り越えなければならない壁ですが、特にリーダーにとっては、ストレスcoldsweats02を強く感じるはずです。

中小企業は、限られた経営資源・人材で戦わなければならないのですから、チームワークは特に重要です。経営者・社員・顧客の動的均衡を取りながら‘ヤマアラシ’よろしく頑張らないといけません。

皆さんの会社ではいかがでしょうか?このジレンマを乗り越える工夫をなさっているでしょうか?